第36回 : CDショップ ミッテンヴァルトを訪ねて(1999年9月13日)

Mittennwald(ミッテンヴァルト)というユニークなクラシックCD専門店があります。
http://www.jah.ne.jp/~violin/

場所は、池袋西口(東武百貨店がある側)です。駅前のマクドナルドをみつけたら、その2軒右隣りのビルの前に足を運びます。松長ビルといいますが、足の裏を書いた、水虫治療に効く飲み薬の看板を右に見て、階段をトントントーンと2回へ上がりましょう。そこがMittennwald(ミッテンヴァルト)です。

Mittenwaldという店の名前の由来は地名でした。ここはオーストリア国境に近いドイツの街で、ヴァイオリン作りで名高いところだそうです。この店の稲原和雄さんは、もともと大のクラシック音楽ファンで、ご自身アマチュアのヴァイオリン奏者だというお話でした。そのせいでしょう、店の名前もヴァイオリンへの思い入れを現わしていると言えます。

ここはクラシックCD専門店には違いないのですが、店内はヴァイオリンのCDが占める割合の高いことが何よりの特徴でしょう。また、アマチュア・オーケストラのCDや珍しいCDもあります。たとえば私がこの店で買ったCDといえば、
『井上頼豊・日本のチェロの半世紀』(2枚組、音楽センター)
があります。このディスクは6年ほど前、LPをCDに復刻した稀少価値の高いものですが、まさか今になって入手できるとは思わなかったですね。こうしたディスクの価値を認めて店に置くことじだい、豊かな音楽経験を反映なさっているようにお見受けします。

店内には、ご主人が30年にわたって蒐集されたコンサートのチラシ(これもヴァイオリンが多い)が演奏家別にファイルに収められて、誰でも手にとって見られるようになっています。窓辺ではドリンクが飲める(有料)コーナーが用意されていて、そこには昔懐かしい名曲喫茶のマッチ箱が陳列されていて、現役の店、廃業した店とわかるようにしてある演出もあります。さらに、ヴァイオリニストのルッジェーロ・リッチやアーロン・ローザンドなどと一緒に撮った写真などもあるのですよ。

う〜ん、少々、細かいことに立ち入りすぎたかもしれませんねぇ。
私がこの店の存在を知ったのは、今年の3月、山田耕筰の珍しい室内楽作品を集めて行なわれた、あるコンサートで手にしたチラシでした。稲原さんは単に仕入れたCDを売るだけでなく、オリジナルCDやビデオの制作も手がけておいでです。若手のヴァイオリニストとピアニストのCD2点を、すでに世に出していらっしゃいます。今後は、日本人作曲家のCDが予定にあがっていると伺いました。

そうそう、今度行ったら、Mittenwald発行の『レコード軽術』(『レコード芸術』のパロディ誌だそうで)を買って読んでみようかな。
会員制度があります。詳しくはお店まで(ホームページ参照)。


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