第35回 : 展覧会カタログのさまざまな媒体(1999年9月9日)

先日「近代京都画壇と『西洋』」を書いた記事で、「交差するまなざし」という東京国立近代美術館で行なわれた展覧会について触れました。どうもイメージが沸きにくいという方のために、きょうは、そのカタログをWeb上で少し見ていただこうかと思います。
東京国立近代美術館http://www.momat.go.jp/index-jpn.html)のホームページにつなぐと、始めのページに
磁器の表現─1990年代の展開
特別展・亀倉雄策のポスター
「交差するまなざし ── ヨーロッパと近代日本の美術」カタログより
「岸田劉生 所蔵作品と資料の展示」カタログより
といった4つの"インターネット版展覧会カタログ"があるのです。著作権上問題のある作品は、インターネット版では外されています(なるほど、賢明な措置です)。

この美術館のホームページで初めてインターネット版展覧会カタログを見たときは、腰が抜けて椅子から転げ落ちるところでした(もちろん冗談)。

その後、パリのジョルジュ・ポンピドゥー美術館http://www.cnac-gp.fr/english/)のホームページで、偶然、2年前の秋に東京都現代美術館で行なわれた「ポンピドゥー美術館展」の"インターネット版カタログ"を発見しました。早速じっくりと見ましたが、実際に足を運んだ展覧会でしたから、その時の記憶が徐々に鮮明によみがえって楽しめました。このカタログ(http://www.cnac-gp.fr/english/collection/japan/)には感動しましたね。

展覧会場では、グッズとしてCD-ROMが用意されていることもあります。これは展覧会カタログと呼べるかどうか難しい時もありますが、たとえば『オルセー美術館』『ルーヴル美術館』『バーンズ・コレクション』など、東京都美術館や国立西洋美術館で行なわれた企画展にあわせて、そこで展示された作品(プラスα)をCD-ROMに収め(会場には冊子のカタログも販売しています)、売られていたことを思い出します。しかも、いま挙げた3点は、記憶が正しければ展覧会場特価で購入できたのです。

これらのグッズを展覧会カタログの仲間とみなして良いならば、従来の冊子(=紙)によるカタログ、CD-ROMによるカタログ、ビデオ(ひょっとするとLDも?)によるカタログ、そしてインターネットによるカタログと、さまざまな媒体が登場していることになります(もちろん主役は紙媒体の冊子ですが)。

今後、どういう推移があるのか見つめていきたいと思っています。


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