第24回 : ヨハン・シュトラウスU世の曲目解説資料(1999年7月27日)

さいきんヨハン・シュトラウスU世の管弦楽曲の完全全集と銘打ったCD52枚組が、Marco Poloレーベルで完成したそうです。「ふぅーん」と思いながら広告を眺めていたら、ページの下のほうに、日本語解説書別売可と書いてあります。つい先日のこと、池袋のCDショップで別売の解説書を見つけ、購入しました(税抜き 2000円)。

正式なタイトルは『ヨハン・シュトラウスU 管弦楽曲完全全集 全曲目解説』で、奥付によれば1999年7月1日の発行、発行所は潟Aルヴィーです。サイズはA5で231ページというボリュームがあります。各ページは、2段組で比較的細かい文字がびっしり詰まっているといえるでしょう。
タイトルからわかるとおり、オペレッタの全曲などを期待してもはじまりません。52枚組のCDは、それぞれ第1巻、第2巻…と表現されているようですが、各巻ごとの解説になっていますから、作品番号順というわけではありません。

ぱらぱらとページを繰ってみて、急いで読みとおすことは少なくとも私にはできないなと直感しました。まあ、作品を聴く機会があるときなどに本書を取り出して役立たせてもらおうと思います。
こんなわけで少ししか読んでいないのですが、590曲ほどの曲目解説が日本語で読めるようになったことは、ともかくも嬉しいことです。
ただ、読みにくい点もあります。というのも、曲名と作品番号が太字で書かれているほかは、作曲年代や初演日時などは解説の文中に埋もれていて、書かれてある日時が完成のそれなのか作曲のきっかけとなった出来事のそれなのか、よく読まないと分かりにくいことがあります。一考してほしかった点ですが、あまり欲張ると解説書のボリュームがかさばってしまうのかもしれず、こうした編集方針がとられたのかもしれません。
索引は大きく分けて2種類用意されました。曲名索引(日本語訳題の五十音順配列)と作品番号順索引(そのあとに作品番号なしの作品が日本語訳題の五十音順で)です。原題がないのは、諦めなければ仕方ないのでしょうか。残念な気もしますが、ともかく2種類の索引があるのはいいです。たとえば第2巻に書かれているop.124の解説は、第3巻に収められたop.123と対をなしているように読めるのですが、始め、どうしたらよいか迷ってしまいました。「そうだ、索引、索引」という私の職業病とでもいうべき性癖を発揮してop.123のページを見出して読んで見ると、納得できました。

ヨハン・シュトラウスU世。1825年に生まれ1899年に亡くなったのですから、今年は没後100年の区切りの年。そんなわけで各社からCDのセットものが販売されていますが、こうした解説書を別売するというのも意義のあることだと思います。


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