第23回 : 練馬区に降った大雨(1999年7月24日)

7月21日の午後、東京都内で大雨が降りました。
なかでも練馬区は1時間に91mmという観測史上まれに見る記録を残しました。私の自宅の最寄駅は西武池袋線の江古田駅で、練馬区にあります。この日、私は、この大雨のことを知らずにいました。帰り、江古田駅から自宅に直行しないで、よく寄る喫茶店に入りました。そこで大雨のことを聞いたのですが、正直言って、すぐにはピンときませんでした。日を改めて、常連さんからも話を伺い、やっとその時の凄まじさが伝わってきました。もちろん、練馬区全体のことまではわかりませんが、知り得た一端だけでもメモしておこうと考えました。

21日午後3時ごろから、急に雨が降り出したそうです。並みの降り方ではなかったといいいます。20〜30分で止めばまだしも、雷をともなって大雨は1時間と少し続いたのです。

# ちなみに気象庁で「バケツをひっくり返したような雨」というと、1時間で30mm〜50mm(だったかな)。 これが50mm以上になると「滝のような雨」と言って、警報が出るんだとか。表現の統一は、知らないところで計られていたのです。― きょう、ラジオを聞いていて知りました。

私の住んでいる辺りは、急な勾配の坂はありませんけれど、多少地形の低い箇所はあります。今回話を伺った喫茶店の前にある道路も、なだらかな坂の途中にあります。道路はと化し、坂の下にあるビデオ店やコンビニは、店内まで水浸しになったと聞きました。あるお宅では、手塩にかけてきた鉢植えが、あっという間に水に流されていったともいいます。また、少し離れたところにある会社では、とうとうマンホールの蓋が開き(!)、逆流してきたといいます。社屋の中まで水が入ってきて、社員の皆さんは、靴を脱ぎ、ズボンのすそをまくり上げて凌いだと伺いました。くるぶしの5〜6cm上のあたりを指差して教えてくださいましたから、12〜13cm
「勤めて35〜36年経つけれど、こんなの初めてだな」
そう、社員の方は仰っていました。くわえて、
「あれが、もう20〜30分も降っていたら、もっと大変なことになったろうよ」と言われた一言も印象に残りました。1時間でざっと90mm降ったわけですから、もう30分同じ降り方が続いたとしたら135mmも降ることになるからです。

さて、こういう具合ですから、少し低いところにある住居などは床下浸水のところが多かったようです。さきほどの会社の周りの住居でも、1階のカーペットが水を吸ってダメになったところが多く、翌日には東京都清掃局の車が来て、早々にそれらの品をもっていったそうです。また、区役所の土木課が土嚢を配りに来たということも伺いました。7月22日にも、この辺りは、午後にスコールがあったと聞きましたから、有効だったようです。

事後の処理までは、今回のように話を伺う機会がなければ知らないままで終わったと思います。
東京都の下水処理能力は1時間で50mmまでの雨に対応できるようには作られているらしいのですが、今回のようなことがあると、お手上げみたいです。
何かいい手はないのでしょうか?


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