第20回 : セゾンアートプログラム(1999年7月11日)

きのう、私にとっては耳新しい、セゾンアートプログラム・センターから1通の郵便物が届きました。
私は一昨年、昨年と、池袋にあったセゾン美術館の会員でした。この美術館が惜しくも今年2月に閉館したことは、多くの方がご存知でしょう。池袋駅の反対側にある東武美術館がどちらかといえばオーソドックスな企画展を展開するのに対して、セゾン美術館は現代を意識した美術館でした。ところで、今回のセンターの住所は渋谷区にあるセゾン現代美術館東京事務所です(私自身は足を運んだことがないのですが、こちらの美術館は軽井沢にありますね)。

一言で言えば会員になりませんか? というお誘い。こう言ってしまえば身も蓋もないのですが、内容は少しばかりそそられるものでした。同好の士がいないとも限りませんから軽く紹介して、注文もつけたいと思います。

セゾンアートプログラムは、展覧会への偏重を廃し、むしろ創造の現場に立ち会って行くことを目的として多用な活動を行なうと宣言しています。小さいながらも資料室をもち、展覧会や公開講座を企画し、現代美術専門の季刊誌やニューズレターを発行したりするそうです。この辺は、それこそ"従来的"なスタイルによる活動だと思います。
現代美術をより社会に認知されやすくするために教育ツールとメソッドを開発し、小学生から大人まで対応できる教育プログラムを実施するとも書いてあります。ノウハウは、これまでセゾン美術館が行なってきた教育プログラムを元に、セゾン現代美術館コレクションを活用して開発したもののようです。楽しみではありますね。どんなものになるのか、もう少し詳しく知りたいところです。
インターネット美術館も展開するんですよ。アドレスは
http://www.smma-sap.or.jp
とあります。今日つないでみたら、ほとんど送られてきたパンフレットに毛が生えた程度ですが、今後に期待したいと思います。

送付物は、セゾングループが文化支援活動の新しいプログラムを起こすことはわかりますが、具体性に乏しいのが残念です。創造の現場に立ち会う、というコンセプトが具体的にどういうことなのかが伝わってこないように思われます。そのあたりが、一番知りたいところです。そのプログラムが見えてきて初めて、魅力があるかどうかの判断がつくのだと思うのですが。
(とはいえ、会員になってしまうかもしれない小関です。)



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