第3回: 私のインターネット事始め(その2) [1999.06.08]
私の職場は大学図書館です。仕事にはいろいろな種類がありますが、図書館には相互協力という仕事があります。一つの図書館でありとあらゆる資料をもつなんて無理ですからネットワークを張って協力し合うわけです。その協力は、大雑把に言うと、大学図書館は大学図書館どうしでやりとりするケースが多くなります(いい悪いを言っているのではありませんよ、念のため)。
「所蔵調査」「複写依頼」「図書館間貸出」といった仕事をこなします。また大学図書館どうしでは他の大学図書館を訪れる人のために、事前に連絡をとったり「閲覧願」と呼ばれる紹介状を用意したりもします(紹介状を持たずに行って、入館を断られても文句は言えないのですヨ)。
今年度で25年生の私は、どういうわけかこうした仕事とかかわる機会が多かったので、インターネット使用以前の相互協力のありようを自分なりに振り返ってみようと思ったのです。

20年ほど前、図書館どうしがやりとりする手段は「郵便」か「電話」。
おそらく一番不活発だったのが「図書館間貸出」。たぶん私の職場だけに限らない現象だったに違いないと想像しています。「複写依頼」は郵便の専売特許。電話のやりとりだと行き違いが生じやすいせいでしょう。現在では郵便以外の手段もありますが、電話で申し込むことはありません。それにひきかえ「所蔵調査」は郵便ではかったるかったのでしょうかね、電話でのやりとりが一般的でした。でも電話は、意外と時間もかかるばかりでなく、聞き取りにくいことも多くミスが起きやすい(洋書のスペリングをやりとりす時などは一苦労でした)。

11〜12年ほど前からだと思うのですが、大学図書館にファックスが普及しその活用が始まりました。
「所蔵調査」から電話がリタイアし始め、やがて電話での所蔵調査とわかると「ファックスでお願いできますか?」といった状況が生まれたのでした。これは、とてもよい変化でした。やがて「複写依頼」や「図書館間貸出」の申し込みもファックスでOKという館が増えていきました。

7〜8年ほど前からさらに変化が生まれます。学術情報センターという機関があり、全国の大学図書館の蔵書情報を相当程度まとめ、公開するようになったのです。「所蔵調査」をする場合、まず学術情報センターの情報をチェックする。さらに、私の職場は入っていないのですが、NACSIS−ILLというシステムができて、コンピュータ画面で「所蔵調査」をし「複写依頼」や「図書館間貸出」の手続もコンピュータで申し込む。私もこういうの興味あるんですけど、残念ながら・・・・・
やがて学術情報センターは、インターネットのWeb上にホームページを公開するばかりか、誰でも自由に24時間無料でアクセスできるNACSIS-Webcatというものをデビューさせました。

今回は、この辺にしておきます。大学図書館の相互協力がどういう発展を遂げてきたか、そこにインターネットがどれだけ貢献しているか。もっと言うと、利用者の皆さんと私たち大学図書館の現場の関係がどのように変化しうるか。
話は続きます。

トップページへ
コーヒーブレイクへ
前のページへ
次のページへ