原文
"I might well have expected that," said Mrs. H. B. Donnell, in a tone
which implied that gratitude in children was not to be looked for in
this degenerate age. "That boy has such plebeian tastes, Miss Shirley.
When he was born I wanted to call him St. Clair . . . it sounds SO
aristocratic, doesn't it? But his father insisted he should be called
Jacob after his uncle. I yielded, because Uncle Jacob was a rich old
bachelor. And what do you think, Miss Shirley? When our innocent boy was
five years old Uncle Jacob actually went and got married and now he has
three boys of his own. Did you ever hear of such ingratitude? The moment
the invitation to the wedding . . . for he had the impertinence to send
us an invitation, Miss Shirley . . . came to the house I said, 'No more
Jacobs for me, thank you.' From that day I called my son St. Clair and
St. Clair I am determined he shall be called. His father obstinately
continues to call him Jacob, and the boy himself has a perfectly
unaccountable preference for the vulgar name. But St. Clair he is and
St. Clair he shall remain. You will kindly remember this, Miss Shirley,
will you not? THANK you. I told Clarice Almira that I was sure it was
only a misunderstanding and that a word would set it right. Donnell. . .
accent on the last syllable . . . and St. Clair . . . on no account
Jacob. You'll remember? THANK you."
語彙など
- might well:〜だろう
- tone:口調
- imply:暗示する,暗に〜の意味を含む
- gratitude:感謝
- degenerate:堕落する
- plebeian:大衆の,下賎な
- taste:好み,嗜好
- aristocratic:貴族的な
- insist:強く主張する
- after:〜にちなんで,〜の名をとって
- yield:譲歩する
- bachelor:独身者
- innocent:純真な,あどけない
- ingratitude:恩知らず
- invitation:招待状
- impertinence:無礼
- obstinately:頑固に,しつこく
- unaccountable:訳の分からない
- preference:好み
- vulgar:低俗な
- misunderstanding:誤解
- set right:訂正する
- syllable:音節
- on no account:決して〜しない
「そんなことだろうと思っていましたわ」堕落している年齢の子どもから感謝など期待できないと言わんばかりの口調でH.B.ドンネル夫人が言った。「そういう下賤なことが好きなようですの、シャーリー先生。あの子が産まれたときはセント・クレアと呼びたかったのです……貴族的な響きがありますでしょ? でもあの子の父親が叔父の名前をとってヤコブと呼ぶと言い張りましてね。私も折れましたの、叔父のヤコブは独身で財産もありましたから。でもどう思われます、先生? 純真無垢な我が子が5歳のとき、叔父ヤコブは実際結婚してしまい今では3人の息子がいるのです。これほど恩知らずな話を聞いたことがありますでしょうか? 結婚式の招待状……礼儀知らずにも招待状を送ってきたのですよ、先生……が家に届くとすぐに言ってやったのです、『もうヤコブは要りません、結構です』 その日からですわ、息子をセント・クレアと呼ぶことにしましたの、そして他の人にもそうさせようと決めましたのよ。父親は頑固なものですから今もヤコブと呼んでおります、まったく訳がわかりませんけれど本人もその低俗な名前が気に入っています。でもセント・クレアなのですあの子は、これからもずっとそうなのです。このことを覚えておいていただけますか、先生、いただけますよね? ありがとうございます。ちょっとした誤解だから話せば分かっていただけるはずだとクラリス・アルミラに言いましたの。ドンネル……後ろにアクセントです……セント・クレア……決してヤコブではございません。よろしいでしょうか? ありがとうございます」
「そんなことだろうと思っていましたわ」堕落している年齢の子どもから感謝など期待できないと言わんばかりの口調でH.B.ドンネル夫人が言った。「そういう下賤なことが好きなようですの、シャーリー先生。あの子が産まれたときはセント・クレアと呼びたかったのです……貴族的な響きがありますでしょ? でもあの子の父親が叔父の名前をとってヤコブと呼ぶと言い張りましてね。私も折れましたの、叔父のヤコブは独身で財産もありましたから。でもどう思われます、先生? 純真無垢な我が子が5歳のとき、叔父ヤコブは実際結婚してしまい今では3人の息子がいるのです。これほど恩知らずな話を聞いたことがありますでしょうか? 結婚式の招待状……礼儀知らずにも招待状を送ってきたのですよ、先生……が家に届くとすぐに言ってやったのです、『もうヤコブは要りません、結構です』 その日からですわ、息子をセント・クレアと呼ぶことにしましたの、そして他の人にもそうさせようと決めましたのよ。父親は頑固なものですから今もヤコブと呼んでおります、まったく訳がわかりませんけれど本人もその低俗な名前が気に入っています。でもセント・クレアなのですあの子は、これからもずっとそうなのです。このことを覚えておいていただけますか、先生、いただけますよね? ありがとうございます。ちょっとした誤解だから話せば分かっていただけるはずだとクラリス・アルミラに言いましたの。ドンネル……後ろにアクセントです……セント・クレア……決してヤコブではございません。よろしいでしょうか? ありがとうございます」