黒の手番です。
私の指した手は 18...a5 でなかなか候補にあがりません。また悪い手を指したのだとあきらめていました。
ところがa5と指すと いきなり -1.0に跳ね上がったので驚きました。他の手はどれも白に 19.a5 と指されて相変わらずなのに、この手だけは白に有効な手がなく、黒優勢のマークがつきました。
Fritz4.01はただでダウンロードしたものではありますが相当信頼できるものだと思っていました。しかしこの局面で 18...a5を見つけられなかった?となると、駒の取り合いのない静かな中盤での評価能力に疑問を感じます。私ですら見つけたのですから。
Fritz5のような高級な解析エンジンをお持ちの方は PGNファイルをダウンロードしてお試しください。
18...a5は本当に最善手なのか、そしてすぐに見つかるものなのかどうかを教えて下さい。
すでにメール等でご意見をいただいています。
@神戸川さん
...a5かな。
たったの一言ですが重みがありました。
その後もう一度メールをいただいて「絶対いい手だと思います。」とのことでした。
AK.Ogiharaさん
対照的に詳しい分析です。
「局面の考え方」という点で大変参考になります。
以下少し長いですがじっくりお読み下さい。
結論から申し上げますと、私なら「18...Bf7」と指したいですね。
ここは力をためてセンターを支えておきたいと考えました。
黒からは「18...f4」とか「18...Ng4」のように厳しい攻め筋があり、実際そのように指せばかなりの戦果が上がるだろう、とは思います。
でも、冷静に考えてみますと、白にもこれと言って速い攻めがある訳ではないんですね。
考慮すべき白の反撃は
(1) a5 − a6 (または a5 − b6)
(2) Ba3 − Nxa3 − c4
(3) Nbd2 − c4
くらいで、どれも今一つ迫力に欠けるように思います。
だとすると、センターの強い黒としては、持久戦模様でも勝機十分と見てよいのではないでしょうか。
白は「丁寧に応対しながら敵の勇み足を待つ」老獪な指し回しで逆転のチャンスを窺ってくることでしょう。
一直線に攻めに行き、思わぬ反撃に遭っておたつく、という展開だけは避けたいところです。
「18...Bf7」の直接的な意味は、上記の反撃筋(2)(3)にある c4 を無効化することです。中央で何か手を作らない限り、(1)のaポーン突進だけで白が局面を好転させることは難しいように思われます。
白が自陣に手を入れるとしても Nbd2 くらい。黒の攻め筋は依然として消えておらず、あわてる必要はないでしょう。
一応の答を書いたところで、コンピュータ相手にブリッツを挑んでみました。直線的な攻めで勝つためにはしっかりした読みが必要で、短時間のゲームではなかなか難しいような気がします。
ゲームその1:「18...f4」以下の検討
18...f4 19.a5 Qe6 20.a6 b6 21.Ba3 Bxa3 22.Nxa3 Qh3 23.c4
早くも形勢が怪しくなってきました。
あるいは 21...Bxa3 が甘い手だったかもしれません。
(コンピュータは 21...Nf5 を推奨)
この後はあせりから悪手を連発、一気に敗勢を招いてしまいました。
ゲームその2:「18...Ng4」以下の検討
18...Ng4 19.Ba3 Bxa3 20.Qxa3 Qh6 21.Bxg4 fxg4 22.c4
予想だにしない大乱戦に突入、訳がわからなくなってきました。
途中までしか戦いませんでしたが、全く自信が持てない展開です。
20...Qh6 が疑問だったのかもしれません。でも、ここで手を戻すようでは明らかに変調だと思います。
両ゲームとも c4 が反撃の切り札になっているように感じました。
ここまで挙げなかった手では、攻防に利かす「18...Bc5」、わざと相手の攻めを待つ「18...Kb8」なども捨て難い感じがします。
しかし、やはり「18...Bf7」と指すのが一番良さそうに思えます。
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