第18回「2005年春・京都〈デカレンジャー編〉」太秦 
『柳生一族の陰謀』『蒲田行進曲』 。オイラの好きな映画の中から、この2本ははずせない。監督は深作欣二。そして、撮影されたのは東映京都撮影所。京都旅行の2日目は、その“京撮”にある映画のテーマパーク東映太秦映画村からスタート。

人生楽ありゃ苦もあるさ。
我々の世代は小学生の頃、夕方の再放送で時代劇をよく見た。『水戸黄門』(もちろん、東野英治郎)、『大岡越前』(吉宗公は竹脇無我)、『江戸を斬る』(鼠小僧の松山英太郎が好き)! 今、時代劇はフジテレビの『大奥』人気などから、徐々に増えつつあるようだが、子どもも楽しんで見ているとは思えない。だが、わが息子はハリケンジャーの影響からか忍者好きで、腰にオイラ特製の刀を差して喜んでいる。久しぶりに訪れた映画村。昔はこの東映城大手門が入口だったが、今では出口になっていた。

赤いヒーローがいっぱい。
今、東映といえば時代劇ではなく、特撮イケメンヒーローものがドル箱。入口すぐのところにスーパーヒーローランドがある。わお、子どもたちの目が違うぜ。スーパー戦隊シリーズ30周年記念の特撮ヒーロー歴史展や〈マジレンジャーの魔法部屋で遊ぼう!〉アトラクションなどをやっている。なになに、多目的ホールではオリジナルスペシャルショー『魔法戦隊マジレンジャーVS義経』を上演中。スゴイ!というか、なんでもありかい!
デカマシン、発進!
子どもたちはデカマシンのコクピットで操縦中。この日は『特捜戦隊デカレンジャー』と『仮面ライダー剣』の役者たちが出演した映画村オリジナルDVDの発売記念トーク&握手会も開催されていた。タイトルは『義経と弁慶』。竹財輝之助、林剛史、伊藤陽佑、天野浩成、吉田友一、木下あゆ美らが出演。この役者とヒーロー番組での役名と顔が結びついたあなたは、立派な東映ヒーロー通。映画村内には、彼らのファンも多数つめかけていた。中には本格的なコスプレイヤーもいた。息子は本物のドギー・クルーガーを見たと言い張っていた。

DNAに時代劇が染み込んでいる。
まだまだ、ヒーローワールドで遊びたい子どもたちだが、映画村の本分はこちら、時代劇のオープンセット。「昔の町には忍者がいるよ」と騙して連れ出した。正面は江戸時代の芝居小屋 中村座。ここで『義経と弁慶』のトーク&握手会が行われていた。町の中には時代劇の扮装をした人が歩いている。茶店の娘や新選組、あれ?リュックを背負って走ってる浪人もいるぞ。着替えを済ませて持ち場に行く途中かな。思わず『水戸黄門』の主題歌や『江戸を斬る』のエンディング曲(by 西郷輝彦)を口ずさんでいる自分がいる。
京の五条の橋の上。
昔は確か、お江戸日本橋だった橋のセット。『義経』に便乗して五条大橋に変わっていた。しかも橋の上では武蔵坊弁慶と江戸の同心が殺陣の打合せ中。なに時代だ!?「こう斬って、こう除けて…」と稽古をする二人。弁慶を見て息子は、「忍者だねえ」と満足そう。確かに頭に布を被っているけど、色が違うでしょ。村内には、銭形平次の家や吉原通りなどまだまだ見どころいっぱい。室内のスタジオ見学やチャチな怪獣がガオッー!と出現する特撮プール、映画の歴史を紹介する施設などもある。

イケメン新選組もありました。
新選組屯所!でも、昔は確か江戸町奉行所だったはずだが…。上で紹介した映画村オリジナルDVD『義経と弁慶』。昨年は、NHK大河ドラマ『新選組!』に触発されたのか『イケメン新選組』(スゴイ、タイトルだ)を発売していた。もちろん、出演は東映ヒーローものの俳優たち。映画村はNHK大河ドラマの便乗商法がお好きなようだ。来年のNHK大河ドラマは司馬遼太郎原作の『功名が辻』。主人公は山内一豊とその妻。映画村よ、この地味な話をどう料理する?
銀ちゃん、カッコイイ。
東映太秦映画村で新選組とくれば、『蒲田行進曲』。写真はオープンセット池田屋の階段。映画『蒲田行進曲』でヤスが階段落ちしたものとスケールは違うが、上から「上がってこい、ヤス!」。下から「銀ちゃん、カッコイイ」とセリフを言ってみる。そう言えば、最近、缶コーヒーのTVCMで映画の階段落ちシーンが使われていたね。舞台『蒲田行進曲』でヤスを演じた草なぎ剛も出ていた。あのCMを作ったクリエイターも『蒲田行進曲』が好きなんだろうね。

大岡裁きの舞台裏。
この日は、実際に撮影が行われるスタジオも特別公開。テレビ朝日系で毎週月曜日放送中の『名奉行 大岡越前』。主演の大岡忠相は北大路欣也。その役宅セットがある第16スタジオだ。大岡様の部屋に自由に上がれるし、庭を歩くこともでき、出演する役者さんが説明までしてくれる。発泡スチロール製の石や、土に埋まっていない庭木など、撮影の裏側も見られる。同心役の役者さんが子どもたちに十手を持たせてくれ、一緒に写真まで撮ってくれた。役者さんのお名前を失念したが、テレビで見れば「ああ、あの人だ」とすぐわかるぞ。
斬られ役の大スター登場。
村内ではまた、がまの油売りや南京玉すだれなどの大道芸、おいらん道中など楽しい時代劇イベントも行われている。写真は『福本清三 撮影ショー』。斬られ役スター、福本清三さんが殺陣の妙技を撮影仕立てで見せてくれる。福本さんは斬られ役一筋四十五年、独特の存在感で時代劇ファンを魅了し、映画『ラストサムライ』にも出演している。刀が空気を切る音、人が突進する音、間近で見る殺陣は迫力満点。特に福本さんは、斬られた後の身体のしなりが美しい。終了後はやんや、やんやの大拍手だった。そして、まだまだto be continued

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