更新記録と日記
2003年下半期

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2003/12/31

 掲示板の方の更新を一応こちらへ。

 久々にレコードのバカ買い。今回はフランスの女流マリー・フランソワーズ・ビュケが多いです。ビュケはクセナキスの「エヴリアリ」を献呈、初演しているピアニストで現代作品を結構取り上げてます。ベルグ、ヴェーベルン他の作品とダンディの「フランス山人」のLPは持っていたのですが今回もマニアックな曲目の彼女のLPをゲットしました。「ビゼーピアノ曲集」「ストラヴィンスキーピアノ曲集」「ストックハウゼン、ベリオピアノ曲集」マニアックですなぁ。
 長らく探していたテレンス・ジャッドのLP。シャンドスのものではなくチャイコフスキーコンクール時のモスクワでの録音でメロディアから出ていたものです。
 来年は1月16日に豊中で演奏会、31日に大阪野田の遊音堂さんでリサイタル、2月には神戸クレオールさんで現代曲のみのリサイタル(オールコンテンポラリーって何年ぶりかなぁ)と立て続けに演奏会があります。来年もよろしくお願いします。
それではよいお年を。

2003/12/16

 演奏会のお知らせ。2004年1月16日豊中市立アクア文化ホールで行われる「クラシック音楽家振興会推薦コンサート」に出演します。他の出演者の方は大曲を弾く中少々遊んだような曲目なのですが…。

2003/12/6

 昨日大阪の古本屋街を通りかかると、店頭に本が並んでいて100円セールみたいなものをやっていました。昔は足繁く古本屋に通ったものですが最近はあまり行かないので、久しぶりになんかないかなぁとセール品を見ていると、ロレンス・スターンの「トリストラム・シャンディ」の岩波文庫3冊揃いが300円!こりゃ買わなきゃイカン、と即買いでした。「トリストラム」は古書店でも結構な値段がついていて、最近それほど古本に情熱がないので入手していませんでした。早速読み始めていますが、本を読んでこれほど興奮したのは久しぶりです。内容は支離滅裂、説明に窮するのですが、小説を意識してネタにした作品が200年も前に書かれていたのに驚きます。ちなみに荒俣宏氏によると岩波文庫3大奇書は「トリストラム・シャンディ」、ディドロの奇怪哲学小説「ダランベールの夢」、ヴォルテールのハチャメチャ非常識小説「カンディード」の3冊だそうです。ようやく3冊がそろいました。私はこれにスィフト「奴婢訓」を加えておきましょうか(^^

 ヨーロッパにはこういう奇想文学のようなジャンルがあり、ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」を見るまでもなく言葉遊び、パロディ、風刺、奇想といった不思議な小説が存在します。スウィフトやサドもこの系譜に入るかもしれません。日本では竹から生まれた女が月へ帰る世界最古の物語があるくらいなのですが、どうも明治以降はそういった作品を軽く見る傾向があるらしく乱歩や夢野久作、久生十蘭などの作家は未だに大衆文学などという訳のわからない分類に入っています。夢野久作の「人形」などは1ページに満たない小品ながら他人の見てはならない姿を見たような奇妙な作品。ただ人形を壊すというだけの筋らしい筋のない作品なんですが。シャルル・クロスの「恋愛の科学」も奇想としか言いようのない作品。次々とキスの回数を計る器具だのおかしな研究が紹介されていきます。そういえば「ガリバー」の第3部「学士院」の件でおかしな研究をしている学者が出てきます。このあたりもスウィフトの執拗な風刺と狂気にも似た発送が読む事ができます。
 奇想の文学史にそっての読書など如何でしょうか。

2003/12/3

 久しぶりの更新。まずはたまりにたまった楽譜情報。少々古いネタもありますがご容赦を。

 横山幸雄の「グノーのアヴェマリアによる即興」他色々。なかなかテクニカルな曲からちょっと楽しめる作品まであります。曲としては如何なものかという意見もありますがミーハーな私にはたまらない作品です。

 相当前に出ている楽譜ですがベルウィン・ミルズのプロコフィエフピアノ作品集。全11巻にわたりプロコフィエフの作品が網羅されています。オリジナル曲は勿論古典交響曲の自編なども含まれています。意外に絶版が多いプロコフィエフの作品ですが、これでほとんどが入手できるようです。更に全音のプロコフィエフシリーズでは佐々木弥生子女史による「ソナタ5番」。改訂版と原典版との比較がされています。(この項少々情報としては古いです)

 ブゾーニ「対位法的幻想曲」ピアノ2台版。この楽譜は大阪の某楽譜店で叩き売りされていたものをゲット。ブゾーニの傑作ピアノソロ版もいいですが、この2台版はまったく別曲のようです。いたるところにブゾーニらしいあやしげな和声、対位法が聴かれ食指の動く作品です。どなたか相手していただけませんかね。

 ファジル・サイの「パガニーニ変奏曲」を含む自作自演CDをゲット。パガニーニは楽譜を省略した演奏。室内楽や協奏曲なども収録されてます。

 新しいレコードプレーヤーを購入。通販生活で売っているマランツのプレーヤーですが、値段の割りにいい音がします。早速レコード半額セールがあるというので大阪の某中古レコード屋へ。エシュパイのヴァイオリンソナタ、ピエール・アンリの「ムーヴメント、リズム、エテュード」等を購入。アンリの作品は電子音楽でバレエのための作品。夜中に聴くとなかなかいいものです。

 とりあえず今日はここまで。

2003/11/12

 立て続けに2つの演奏会が終了。アマデウスのリサイタル以後忙しくほとんどピアノにさわっていない状態でシェーンベルグに捨て身で挑みましたが結果は・・・。演奏会終了後はお馴染みの飲み会で大いに盛り上がりました。最近加古川ピアノ会に参加されたMさんと大いに盛り上がり2台ピアノなんかできればいいなという話に。「ベネットの作品なんかは」という私にMさん「カンディンスキーヴァリエーションですか」、そこへすかさずオタッキーさんが「多分日本初演ちゃうかなぁ」幸せな会話です。一時2台ピアノや連弾の楽譜を探した時期がありましたがなかなか面白いものが編曲、オリジナルを問わずあります。いずれ演奏できればいいです。

 年末の忘年会に向けて部屋の片付けをしていたのですが、LPのあまりの重さに驚愕。私の部屋は2階なんですが家が傾かないか心配になります。更に重いSP盤は納屋になおしてある分が多いのですがLPはよく聴くので全て自室においてあります。そろそろ収納を考えなくてはいけません。

 少し前のことですが日本テレビによる視聴率操作事件の際、「プロデューサーが依頼していたのは3世帯程度というのは、3世帯がもし見たとすれば関東11万世帯を代表」と朝日新聞「天声人語」に指摘ありました。これを読んで思い出したのが清水義範氏の「アンケート結果分析」。実にくだらなくためになる小説です。

2003/10/20

 先日HMVに行くとホロヴィッツの未発表音源や紙ジャケ仕様の廉価版などが並んでいましたが、結局買ったのは在庫処理の叩き売りコーナーのイヴ・ナットによるシューマン作品集(EMI)。今全て聴きとおしました。ここでショーマンに対する私見を少し書いてみたいと思います。私は大体シューマンのピアノ作品は大嫌いなのであまり弾きませんが若々しい「トッカータ」と、「交響的練習曲」「クライスレリアーナ」の2曲は比較的拒絶反応が起こりません(勿論、単発的に「森の情景」の「森の入り口」や「4つのフーガ」等の好きな曲もありますが)。シューマンの作品にはシューマンのロマン主義が昂じた結果不可能と思われるような箇所が散見されます。この不可能性はリストやショパン、ひいてはアルカン、ドレイショクの作品におけるそれとは違いむしろ、クセナキスの作品における物理的な不可能性に近いものがあります。例えば「交響的練習曲」の第2変奏の極端な音の開きなどはクセナキスの「エヴリアリ」を思い出させます。両者の音楽の共通性はあるのかないのかは個人の判断でしょうが、両作曲家が感情の昂ぶりをそのまま楽譜上、音楽上に叩きつける著しいロマン主義者であったことは疑う余地がないように思われます(カノンへの指向や割りにいい加減な対位法的処理もよく似ていると思うのですが‥)。そういう意味ではシューマンは最もロマン派と呼ぶに相応しい作曲家であるのかもしれません。

 シューマンの演奏の演奏の難しさはその情と知のバランスにあります。音楽事態の絶対温度の高さとそれを制御する知性とのバランスが他の作曲家よりも難しいように思えてならないのです。同じドイツの作曲家でもバッハ、ベートーヴェン、ブラームスとも、ましてやリヒャルト・シュトラウスのような作曲家とも「バランス感覚」が違います。それは極端であり常識はずれであり、狂気、異常でさえあります。後年シューマンが発狂した事実とは無縁ではないでしょうが、この「バランス感覚」は彼の元々の体質的な問題であると思います。

 ショパンがシューマンに対して不満だったのが作品に何かしらの文学的要素を持ち込む事を指摘していますが、ロマン主義者にありがちなこの過剰さこそが私のシューマン嫌いの原因の一つのようです。

 閑話休題。先日、羽仁進の「彼女と彼」を念願叶い見ました。武満徹による「見えない子供」が主題歌。武満の映画音楽作曲家としての再評価がなされる今、体系的に武満が手がけた映画を見てみたいものです。

2003/10/11

 アマデウスでの演奏会のチラシ(191KB)が届きました。訳ありでもう1曲追加の予定です。少々恥ずかしいです。

2003/10/7

 珍しく更新が続いております。

 11月3日、御馴染みアマデウスでの演奏会情報を。

 モーツアルト 幻想曲 KV.385g(397)
 ショパン 夜想曲 Op.9-2 Op.55-1 バラード1番 Op.23
 ドビュッシー 喜びの島
 シューマン 交響的練習曲 Op.13 (1852年版)

 という曲目になっております。なおシューマンは遺作の変奏を弾きません。最近割りにまとも(?)な曲目が多いという批判(?)を受けておりますが‥‥。

 更に11月8日大正アゼリアホールで行われる第13回加古川ピアノ同好会発表会でシェーンベルグ「3つのピアノ曲 Op.11」を弾きます。

 伝説のヴォーカルグループ、スィングル・シンガーズの仏版CDが到着。おそらく初めてCD化されたものであると思います。日本でもサンピエトロ作戦のサントラ盤(かつてLPで「誓いのフーガ」として出ていたもの)が復刻されましたし、どんどんCD化されてほしいものです。

2003/10/5

 テレマン協会のマタイ受難曲を聴きに行く。やはり、バッハはいいです。武満徹は新しい曲を作曲前は必ずマタイを通して聴いたという事ですが、まさに音楽の頂点がバロック期に達成されていたことに驚異を感じます。

 大阪、福島の「遊音堂」さんへリンクを追加。ピアノ2台のあるサロンです。

 最近届いた楽譜の中から。田中カレン「テクノ・エチュード」。この手の曲の好きな人なら「来たな」という曲なんですが、テクノの練習曲です。献呈は向井山朋子。まんまですな。

2003/10/4

ジャック・タチの幻の大作「Play Time」について。かなり甘い評になっております。「映画の小部屋」 へ。


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