Winged-White 【自転車を、見直す】 Notes
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 コミュニティ・サイクル・システムは、自転車を地域内で貸し出し、公共交通機関利用→発生交通量の低減を促そうというシステム。
 だが、阪神間の試験モニター調査で運営にかかった費用は、一日一台当たり2000円
 (ABC「ニュースゆう」2001/11/26)
 このニュースを聞いたとき、「やられた〜」と思った。
 「やった〜」とも思った。

■ やられた〜。

 実は今年の夏、淀川花火大会の時に、弟と二人で同じようなシステムを考え付いていました。
 「配列しやすいデザインの自転車を作ろう!」
 「自転車(のみ)、共産化!」
 「地域の大手スーパー・駅などと提携! 自家用自転車乗入れ禁止!」
 「おお、ビジネス特許とれるぜー!」

懸念:自転車業界からの圧力がかかりそう。採算がとりにくい。
結論:国が自転車業界全体を召し抱える(国営化)。(ハイパーアンチコイズミさんが現れないと、ムリ??)

 と、バカ話的に考えていました。発想は「放置自転車」と「駐輪場の不足・不便」からだったのですが、結論的には似たようなシステムでした。それが、まさか試験段階にまでこぎつけていたとは、まったく井の中の蛙でした。

■ 自転車の特徴

 しかし、コミュニティ・サイクル・システムの試みが実際になされているということには、大いに賛同!です。

 ここで自転車そのものの特徴を列記すると……。
  • エネルギー効率がダントツに良い移動手段。
     生来シンク・エコ。(最近開発された「ジンジャー」の効率もスゴイですが。)
  • 健康にもいい。
    15分のサイクリングで、5分のジョギングと同じ運動効果がある。
  • 比較的丈夫。
     設計仕様がかなり収斂されているため。
  • 値段が安い。
     誰でも気軽に買える。馬を飼うことに比べたら(月30〜40万円ほど?)、どれだけのコストパフォーマンスか……。

 と、ここまでは良かったのですが……。

  • かさばる。
 こいつがいけません。。
 中古ゲーム屋・学習塾の駐輪(←小中学生)は、とくになってないですな。頼むから道のド真ん中に停めるのはヤメテくれよ(何をベンキョーしてるんだか知らんが)。
 スーパーで買い物をするときも、満杯。どこにおいたら良いのかさっぱり分かりません。駅利用者が失礼して置いちゃってる場合も多いでしょう。「有料のチャリ置き場使わんかーい!」です。
 さらに、駅前の放置自転車(※)。もうこりゃだめだ。ひどい時は点字プレートの上に並べている。まさにフリー・バリアー(無料の障害物)。
 想像してください。盲人が近所の駅に降り立った時、見えぬ目の前が多数者によって冷酷に妨害されていることを……許せません。――ブルドーザーで一網打尽にしてやりたいくらいです。

 このウィークポイントを克服できるなら、より生活はさわやかなものになるでしょう。

(※JR吹田駅前について。)

 少々具体的になってしまいますが、地元のJR吹田駅前の事情には、いくつかの理由があります。
  • 有料自転車置き場が、地下に埋設されてしまった。
     多数者の論理というのは、「見えないものは、無視する」。(もし地上3階建てのサイクルポートでも、そちらの方が利用されやすいはず。)ゴチャッとした自転車を「見たくない」設計は、市民に自転車置き場を「見えなく」してしまった。
  • 地下の有料自転車置き場から駅へのアクセスがメチャクチャ不便。
     もう一度地上に出て、また階段を下って地下の改札を抜け、また地上のホームへスロープを登らなくてはならない(地下/地上2往復必要)。
  • しかも金を払って……。
   こんなアホな事、よーしまへん。できまへん。

 放置の多い土日には、月極めの代金をちゃんと支払っている人でさえ一緒になって、地上に放置するらしいです。こりゃまあ、考えてみれば当たり前――タダの方が便利なんだから。……ムチャクチャですな。
 現実味の無い夢想的な計画の結果が、この始末。よけいにみすぼらしく、不便――群集心理を無視した「設計ミス」に他ならず、ほとんど「税金返せ〜」状態です。(他にもこの駅前再開発には色々問題点があるのですが、論点がズレるのでまた今度にします。)

 以上の観点から、「市政の怠慢に反省を促す!」意味での自転車放置は、無言の抗議として「良し」としましょう。

 ただーし!
 点字プレート上の放置だけは、絶対許さーん!!
 大義で、弱者を、虐待、するなーーーっ!!
 (しかし誰がここまで考えて放置してるねん? 所詮は市民意識の低劣な街なのだろうか? あ゛ー。)

 ――放置自転車といい、携帯電話の問題といい、現代は数の暴力に溢れています。もっと「弱者を含めた他者の存在」と、「群れに埋没しない自己」のセット認識……「和して同ぜず」の心を――! 


■ コミュニティ・サイクル・システム、今後の課題

 筑波での試みでは、ユーザーの放棄・窃取で自転車がほとんどなくなるという、最悪の結果だったらしいです。今年の阪神間の試験ではIDカードによる登録制だったので、自転車の放棄・窃盗はなかったそうです。
 あとは、採算です。
 主催者は、「一台あたりの費用を月4000円まで落としたい」と言ってましたが(今は、なんと15倍!)、さらにその半額――月2000円ぐらいが、メインストリームへの転換点でしょう。
 しかしどうやって30分の1にする? かなりキビシイ。圧倒的な使い心地の良さをも、同時に追求すべきでしょう。(ジャスコとか、エコ・コンシャスな企業が協賛すると、早いかもネ。)

 もちろん今後50〜100年くらい先を見越して、国レベルでの研究・奨励も並行すべきだと思います。
 自転車は、他の動力に頼らず人間の能力を拡張する、メガネ以来の大発明品なのです。いやそんなことより、自転車で風を切るのが僕は、好きなのです。こんな素晴らしい乗り物が、邪魔者扱いされているのは、オカシナ事だと思いませんか?


 これからの動静、興味津々です。コミュニティ・サイクル・システム。


(2001/12/19)


 
◆ 参考HP
阪神地区コミュニティサイクルシステム社会実験
http://www.re-cycle.jp/ccs/



雑感2001/12/19 数々のスージ

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