渡邊淳也著 『ジェロンディフと現在分詞の意味論・語用論』 デザインエッグ

A5判 184ページ 定価本体2000円 ISBN: 978-486543-883-3 2017年3月16日発行

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●概要
 フランス語には、現在分詞と、形のうえではそれに前置詞enを冠したジェロンディフという形式があり、後者は英語でいう分詞構文専用の形であるとか、その意味上の主語は文主語と一致しなければならない、ということを初級文法の段階から学習する。しかし、L'appétit vient en mangeant. (食欲は食べているうちに来る) のような文は主語一致の原則をやぶるものであるにもかかわらず、とりわけ指弾されているわけではない。しかも、実例にあたってみると、主語不一致事例はけっして諺や固定表現にかぎられるわけではなく、こんにちもなお生産性を発揮していることが明らかになる。とかく規範が厳格なことで知られるフランス文法にあって、これは不思議なことではなかろうか。
 本書ではまず、現在分詞との相異にとくに着目して、ジェロンディフ全般の機能について論じる (第1章)。そのあと、主語不一致ジェロンディフに目を移し、総論 (第2章)、そして各論 (第3章) へと進んでゆく。(「はしがき」より)

●もくじ
 はしがき
 もくじ

第1章 ジェロンディフと現在分詞
 1. はじめに
 2. ジェロンディフはフランス語に独特か
 3. ジェロンディフは単一の形態素か
 4. ジェロンディフと現在分詞の用法の対比
 5. 現在分詞の機能について
 6. ジェロンディフの機能について
 7. おわりに

第2章 主語不一致ジェロンディフ
 1. はじめに
 2. 「主語一致」という規範について
 3. 先行研究
 4. コーパス調査
 5. 主語不一致ジェロンディフと視点・認知モード
 6. おわりに
 附録

第3章 ジェロンディフの文法化と語用論化
 1. はじめに
 2. 心理 / 認知動詞
 3. 発話動詞
 4. 移動動詞
 5. 行為動詞
 6. おわりに

 初出一覧
 参考文献

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