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スパークプラグについて(その1)
  1.はじめに
  2.スパークプラグとは
  3.スパークプラグの種類

スパークプラグについて(その2)
4.スパークプラグの熱価
5.正しい熱価を選ばないと・・・
6.プラグを交換しましょう

ニュース速報です。ただいま悪い見本が入りました。詳しくはコチラで。

1.はじめに

エンジンが円滑に作動するために必要な三要素というものがあります。
「良い混合気」「良い圧縮圧力」「良い火花」がそれです。どれかひとつでも適正でないと、うまくエンジンがかかりません。
この「良い火花」を最終的に構成するのがスパークプラグです。
本来、標準装着用として指定された種類のものがありますので指定のものを装着する必要があります。また、指定以外のスパークプラグを装着すると、エンジン本体のみならず関連する電装部品にも不具合が発生する場合があります。
下記の説明をご覧になったうえで必ず推奨のスパークプラグを装着するようにしてください。

2.スパークプラグとは

スパークプラグはエンジンのピストン上方のシリンダヘッドに設置されています。
エンジンを始動しようとすると、点火用に流れてきた電気がイグニションコイルで3万ボルト(!)まで一気に昇圧され、プラグコードを伝ってスパークプラグに到達します。
この高電圧がスパークプラグ末端の二つの電極間で電気火花となって、エンジン内の混合気に点火し燃焼するのです。
この後の解説のために、まず各部を見てみましょう。
1.端子(ターミナル)
プラグに電気が入る場所。プラグキャップをここに装着する。
修理車を点検すると、ちゃんとハマってないことがある。
2.コルゲーション
プラグキャップがゆるかったりすると、プラグ壁面を伝わって電気が逃げ(リーク)やすい。ヒダを設けて距離を長くし、リークを防止している。ヒダにも意味があるのだ。
3.絶縁体(ガイシ)
端子から下の電極まで流れる高電圧を逃さないように絶縁している。耐熱性・熱伝導性のよいアルミナセラミックでできている。陶磁器みたいなもの。
そういえばNGKは日本特殊陶業ともいう。
4.中軸
一般に銅合金でできている。高電圧を下部の中心電極に伝えている。
5.中心電極&接地電極(外側電極)
中心の突起部が中心電極(言わんでもわかるか)。接地電極(外側電極)はプラグ外側の金属性ハウジングに溶接されている。
高電圧の電気は「端子」から入力して「中軸」を伝わり「中心電極」に到達します。一方「接地電極」は金属製ハウジングと一体になっているため、ハウジングがエンジン本体にネジ込んであることからエンジン-->車体-->バッテリとアースされた状態にあります。
「中心電極」まで至った電気は、「せっかくここまできたのだからゼヒとも気持ち良く流れたい」と思ったかどうかわかりませんが、空気中を飛び火して「接地電極」に流れます。
こうして電気が流れて、めでたく火花が飛ぶのでした。

3.スパークプラグの種類

スパークプラグは、形状(長さや太さ)や、エンジンの適応温度によってその種類が多様です。
一般市場に多いNGK製のプラグを例にとってみます。
サンプル DPR7EA−9 HONDA スティード
ネジ径  B:14mm C:10mm D:12mm E:8mm(*1)
絶縁体形状  P:中心電極の絶縁体が長く突き出ている(*2)
電波ノイズ防止  R:レジスター
 高電圧による電波ノイズを防止するタイプ(*3)
熱価  4 焼け型
 5  ↑
 6  ↑
 7 (熱価)
 8  ↓
 9  ↓
 10 冷え型
ネジ長  E:19.0mm H:12.7mm L:11.2mm EH:12.7mm(*4)
電極タイプ  S:標準  K:外側2電極 (*5)
 A、B、D、Z:特殊タイプ
 VX:VXプラグ/中心電極がプラチナでできている
 IX:イリジウム/中心電極がイリジウムでできている
火花ギャップ
(電極の間隔)
-9  -9: 0.9mm -11: 1.1mm -L: 中間熱価
(*1)取付けネジ径が8mmと極端に細い特殊タイプ。VFR400R他。
(*2)指定機種以外に使うとピストンに衝突する恐れあり。
(*3)他車や環境への影響のみならず、自車の電子機器への悪影響もあるので
   標準装着プラグがR指定の場合は迷わずRプラグを使いましょう。
(*4)ネジ長は12.7mmだが、ネジ山の無い部分がさらに続いているので、ネジ部の
   全長は19.0mmもある。やはり指定以外に使うと危険。CBR400RR他。
(*5)中心電極はひとつなのに外側電極がふたつある。RF400他。

スパークプラグの類別は上記のように各種文字で決まってきますので、形状等の関係からするとメーカー指定のプラグ種類を使用しなければなりませ。
ただし、唯一選択の余地があるのが「熱価」の部分です。

では「熱価」とはいったい何でしょうか?

「熱価」とは、エンジン内の燃焼による熱をスパークプラグが発散する度合いを数字で表したものです。
一般には、チューニング度合い・走行環境・走行状態に応じて選択しなければなりません。

次のページを見てみましょう。


スパークプラグ その2へ進む

(次ページ予告)

 R(レジスター)タイプの補足
二輪車の電装部品(イグナイタ / CDIユニット / FIコントロールユニット / スピードメータ / GPS等)はマイクロコンピュータや集積回路を使用しています。
そのため指定外の「抵抗入りではない」スパークプラグを使用した場合には、スパークプラグの発する電波雑音の影響による電装部品の不具合、誤作動が生じる場合があります。
電波雑音防止のため、取扱い説明書などに記載されている指定のスパークプラグを使うようにして下さい。
(他人や環境のためでもありますが、自分の車両のためでもあります)

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