雑記帳


THE NATURE COMPANY を探して
U.S.にTHE NATURE COMPANYという店がある。日本でも10年くらい前に金沢で第一号店がOPENし、それから日本中に何店舗かできた。当時金沢に出張することが多かったので、行くと必ずこの第一号店に寄ることにしていた。
そこは名前の通りの自然志向、とは言っても食べ物は一切売ってなくて、動植物のぬいぐるみや図鑑やポスター、化石や鉱物、望遠鏡に双眼鏡にガリレオ温度計、ヒーリング系のCDに熱帯雨林や海の波の音のCD、蛙のドアストッパーや蝶の風鈴、恐竜の絵をプリントしたTシャツやキャップなどを売っていた。値段も数百円から数十万円までとかなりの開きがあって、眺めるほかないものも多かったが、見ているだけで楽しいところだった。
ところが、2年ばかり経営してみて日本の購買層はこういうものにお金を出さないことがわかったのか、日本中の店を閉めてU.S.に全面撤退することになり、思い切りのいい閉店セールをやって店じまいしたのだった。その後も金沢に行く機会があったが、たとえて言えば兼六園がなくなったような感じで、ひどく寂しい感じがしたものである。


ところがところが、つい最近出勤途中に家の近くでこのTHE NATURE COMPANYの紙袋を下げて歩いている会社員を発見した。袋に描かれているのは店のロゴの下に兎がしゃがんでいる馴染みの柄である。思わず「その紙袋はどこで入手しましたか」と聞いてみようとしたが、山の中ならともかく町中でいきなりそういう質問もないだろうとぐっとこらえ、職場に着いてinternetで検索してみると、東京は自由が丘にあると出てくる。、しかも、平成7年より日本中に10店舗くらい展開しているらしい。昨年(1998年)の8月にTBSの「王様のブランチ」でこの自由が丘店が紹介されてもいる。
「そうならそうと連絡くらいよこせよ」と無理なことを考えつつ、喜び勇んで本日の土曜に自由が丘に行き、netで見たうろ覚えの住所をもとにして歩き回ること二時間半、ない、店が、みつからない。なんだかだんだん意地になってきて、必ず自力で発見してやるとばかりに道路を行ったり来たり、文字通り虱潰しの一筆書き方式で歩き回る。だが見つからない。代わりにL.L.Beanをみつけたり趣味のいい古本屋をみつけたりした。いや違う、本日自由が丘に来たのはそれが目的ではない。
やはり地図をちゃんと印刷してくるんだった、いや電話番号でもいい、しかたない、104に電話するか、と思い始めた頃、英語児童書の専門店というのを見つけて気分転換に入り込み、「これはほしいぞ」と思っていた作家のcomplete版があったので、値段も値段だったが疲れていた勢いでレジに持っていき、ついでに、「あの、自由が丘に詳しいですか」「ええ、だいたいわかりますが」「そうですか。あの、THE NATURE COMPANYという店はどこにあるかご存知ですか」「ああ、昨年の11月に閉店しちゃいましたよ」「......!!」


なんでTVで紹介されたのが3ヶ月後に店を閉めるんだ、と思いつつ、英語絵本に加えてOD-BOXでいつかほしいと思っていたPatagoniaのフリースまで買ってようやく気を鎮めて家に戻った。そのフリースを着て、改めてTHE NATURE COMPANY自由が丘店の電話番号につないでみると、Orange houseという店が出てきて、この店もどうやら経営元は同じらしい口振りの受け答え。ここで、「THE NATURE COMPANYは、都内ならお台場店がありますよ」との情報を得ることができた。今度こそ、店がなくなる前に必ず行くぞ。
1999/2/27記

参考 Wikipedia: The Nature Company

雑記帳の見出しに戻る ホームページに戻る


Author:i.inoue All Rights Reserved