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ここまでのCover Photo:天子山塊・毛無山
1 May 2026
四月は夏日もあった南関東。五月初日の午前は荒天で寒く、暖房まで入れた。昨日は薄手とはいえダウンコートを着ていた人も目にした。
なかなか冬ものが片づけられない。
3 May 2026
三浦三十三観音霊場巡礼を開始。今月18日まで午年本開帳実施中。観音様も、観音様ではないご本尊も、みな素敵。殺伐度の増す昨今で、こんな穏やかな尊顔がひっそりとそこここにあるというだけで少しは救われる気分になる。
霊場の範囲は少々広いので、准秩父でのときと違って無理をせず途中で電車にもバスにも乗れれば乗る方針で開始。それでも歩けそうなところは歩こうと思っていると、けっきょく高低差のある経路ばかりが好ましく、平地歩きが多いように思えながら獲得標高差は300m超になってしまう。さすが三浦丘陵と「丘陵」の名が付く地形だけあるが、多摩丘陵のようには広い平坦面が見当たらず、「丘陵」感はあまりない。
車やバイクで巡る人もいるが自分と同じように徒歩主体の人も多いように思える。本日は休日なのでわりとよくお寺で参拝客に出会った。輪袈裟を首から下げて読経する方も珍しくない。かと思えば御朱印を頂かない方もいる。人それぞれ。
6 May 2026
三浦三十三観音霊場巡礼の二日目。本日は久里浜周辺から三崎口周辺まで。
バス移動、電車移動ありとはいうものの、徒歩での獲得標高差は350m。三浦丘陵は上り下りが多い。久里浜周辺では細かな谷の入り込みが多い印象。三崎近辺になると広い畑地を乗せた平坦面の高みが目立つ。三浦半島中部は断層が密集しているということなのだろうか。
久里浜から衣笠方面に山越えして出ようと細かな尾根の一つを細い山道で越えた先で、散歩に上がってこられた地元のご婦人に出会う。季節は過ぎてしまったが上のほうに素晴らしい枝垂桜があるとのこと、そこまでの途中も花が多い道のりなのだが下に住んでいる人たちが加齢で歩かなくなり足元が荒れてきてしまっていること、途中にある畑地は某NPOの人たちが維持していて子供らがおおぜい来ることもあり裸足で駆け回っていて元気そのものだとのこと。楽し気に語られる様子が里山の良さというものを感じさせてくれる。
本日最後に訪れたお寺では本堂に琵琶が置いてあり、伺ってみると住職が弾かれるとのこと。さわりだけ演奏していただいた。目の前で琵琶の音を聞けるとはまさに観音様のご利益。大きな撥はツゲでできているとのことだが、見た目はまるでプラスティック。それだけ堅く、磨けば光沢が強くなるのだろう。琵琶本体も持たせていただいたが予想より重い。材質は桑とのこと、この重さがあの硬質な音を生んでいるのだろう。楽しくもありがたい経験だった。
8 May 2026
三浦三十三観音霊場巡礼の三日目。本日は三浦海岸駅周辺から半島南端東側を巡る。
本年の本開帳のガイドブック表紙にもお姿が載っている観音様、その仏像があるお寺では本堂のなかを覗いてみるとおおぜいの人が茶話会のようなものを開いている。ひと月遅れの灌仏会が催されているらしく、地元の檀家のひとたちかなと思ったら、みな自分のようなお寺巡りのひとたちだった。それこそ檀家のかたたちらしきがお接待に立ち働いていてよい雰囲気で、こちらで一年ぶりの甘茶をごちそうになった。
甘茶はここだけでなく、次のお寺でも次の次でも次の次の次でもいただいた。市販のではなく境内に生えているのを住職自ら摘んであく抜きしたもので、半日はかかる作業になると最初のお寺で伺った。どちらの甘茶もそれはそれは濃くて甘く、市販品とは違う手作りの味がする。なお、灌仏会は4月8日が多いものの、地域やお寺によっては5月8日に行うらしい。
本日もまた断層の影響が少なそうな半島南部の高所平坦部に徒歩でもバスでも上がった。バス移動は帰路を含めて三度行った。乗り込んだ最初のバスでは隣り合わせた地元らしい高齢のご婦人に「どちらまで?」と聞かれ、たまたま同じ停車先だったのでお寺の近くまで案内していただいた。普段着スタイルで「わたしの目標はね、”挑戦”なの」とにこやかに言われる元気なお方で、こちらの足取りを一段軽くしてもらったのだった。
10 May 2026
三浦三十三観音霊場巡礼の四日目。逗子駅から半島西海岸沿いに南下する。
しかし今日は暑い。しかも歩くのは車の往来の多い通りで、葉山マリーナの前後など対向車どうしのすれ違いさえ注意が必要な道幅。海側の眺めは悪くなく、眺めが開ければ凪いだ相模灘の上にウィンドサーフィンの帆が林立し、彼方には箱根連山を正面に伊豆の山を左、右には雲の上から富士山が頭を出すものの、やはり歩くには快適とは言い難くお寺とお寺の間はバスで移動。交通費がやたらかかるが仕方ない。
途中に浄楽寺という札所があり、誰でも参拝可能な本堂では環境音楽が流れ演奏自由なピアノまで置かれている。ただ観音様は阿弥陀様を始めとするほかの諸仏とともに別堂にあって拝観料を払わなければならない。本開帳なのに有料とはと思いつつ堂内に入ると、本堂同様に環境音楽が流れる室内で出迎えてくれるのは予想以上に大きく迫力のある運慶作の仏さまたち。中央に居ます阿弥陀様の眼光を浴びるだけでも来た甲斐がある。運慶の真作は20体弱だそうだが、そのうち5体がここにあるとのことで、なるほどこれは有料でも見るべきものだと納得。
歩こうが歩くまいがバス通りばかり移動するのもと、今回もまた三浦丘陵の平坦面に上がる。上がったといっても標高は30mほど。視界全周となった畑地のなかを通る農道脇に標高29.5mの三等三角点(点名:林)がある。そのあたりの一番高いところではなく、農道が交差する場所の脇に控え目に設置されていた。
丘陵地から下ると、あいかわらず車道は車が多かった。時刻は14時半過ぎ、荒崎方面に向かおうと考えていたが帰りの渋滞が心配になったので本日はここまでとし、停留所の標柱が立ち並ぶところにやってきた逗子駅行きのバスに乗り込んで帰宅の途に。
13 May 2026
三浦三十三観音霊場巡礼の五日目。荒崎のお寺と三崎港近辺のお寺を廻る。本日で番外含む34の札所の巡拝を終える。無事結願。
荒崎はさすがに歩くには遠く、京急の三崎口駅からバスで往復。札所に詣でた後、帰りのバス時刻まで時間ができたので何十年ぶりかに荒崎の岩礁海岸を見に行く。まったく記憶にない荒々しい景色は見ごたえ十分なのだが、遊歩道のあちこちが落石危険として閉鎖されている。歩く範囲が狭まれば狭まるほど魅力が低減。
三崎口駅から今度は三崎港へ。平日なのに昼頃のバスは満席となる。三崎港周辺は細い通りが連なる商店街風情のよい雰囲気で、いわゆる町の本屋が見た限り二軒もあるのがまた素敵、両方とも覗いてみて、古いほうでだいぶ前の山の本を買い込む。こういうところでの本との出会いは楽しい。荷は重くなるけれど。
本日訪ねたお寺の一つに、50年くらい前に出版された三浦三十三観音に関する書籍が置いてあって、本堂の一隅を借りて読ませてもらった。観音様が見下ろす本堂の畳の上で足を伸ばして本が読めるというのは楽しい。日差しは暑かったが風は乾いて涼しく、日陰の屋内は過ごしやすい環境だった。
帰路に乗ったバス、三崎港から三崎口駅へ向かう道路は城ヶ島入口あたりから渋滞していて、登り傾斜の道路が下りに転じるところで解消した。上り坂で発生する自然渋滞だったらしい。
16 May 2026
木曽の御嶽山が、先月10日に県立自然公園から国定公園に指定替えされていたと知った。
標高3,000m以上で国立公園でも国定公園でもないのはこの御嶽山だけだったらしい。北アルプスは乗鞍岳を含めて1934年に中部山岳国立公園に、南アルプスは1964年に南アルプス国立公園に指定されている。意外と、富士山は北アルプスより遅れて1936年に富士箱根国立公園に指定されている(その後1955年に富士箱根伊豆国立公園に改称)。
3,000m峰はないものの、中央アルプスは2020年に中央アルプス国定公園に指定されている。こちらも比較的最近。いずれにせよ、指定されたからには自然環境の保全にいっそう務めてほしいものかと。
17 May 2026
昨年と同じ日付で連れとともに北信へ。
いつ結願するか見通しはないものの、先日の札所巡りの余韻もあって信濃三十三観音札所巡りもと、麻績村にある札所第一番の法善寺に向かう。山間の集落内に予想以上に大きな本堂を構えるお寺で、日曜なのに観光地ではないため静かなこと。御朱印をいただくのを待つ時間がまるで苦にならない。近くにある宗善寺観音堂の裏に延びる踏み跡を行くと岩場に出て、少し上ると麻績村中心部を眺め渡し、木々の上に四阿屋山を見上げる場所に出る。観音堂手前の信濃観月院という施設は茶室がいくつかある文化施設で、敷地内外から冠着山の眺めがよい。建物内では小規模ながら絵画展まで行われていて長居ができる。このあたり、寺好き山岳展望好きには最適の場所。
それから松代に移動して国民宿舎の温泉で日帰り入浴。ここのレストランは「諸般の事情で」営業を停止していた。
18 May 2026
戸隠に泊まって飯縄山に登る。平日で人の少ない西登山道を辿る。戸隠連山の山襞が午前の日に明るい。北アルプスの残雪が輝き、八ヶ岳と浅間連峰が霞む。足元にはショウジョウバカマにイワカガミが赤い花弁を揺らし、南登山道合流点ではアジサイに似たオオカメノキの花が白い。山頂まであと十分のため大概が足を止めない九合目で昼食休憩。この日は下界のあちこちで真夏日になった陽気で、山上も日差しが強く、脇に置いたコッヘルが素手で持ちにくいほど熱くなる。
九合目に建つ飯縄神社前に出ると志賀高原の下に高社山が見下ろせた。斑尾山は飯縄山の山体に隠されて半分ほどしか見えない。それでもいつものように山頂には行かずに下山。
南登山道を手持ちの日傘をさして往復している人を見た。菅笠でも用意すればよいのでは。
19 May 2026
戸隠森林植物園を巡る。ミズバショウの葉はかなり大きくなっていた。松代のスーパーマーケットで山菜を買い込み、麻績村のカフェでカレー料理を食べて帰宅。
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