Preface/Monologue2016年 3月


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湘南平から夕暮れの表丹沢と大山を望む
ここまでのCover Photo:湘南平から夕暮れの表丹沢と大山を望む
1 Mar 2016

年度末。

丹沢・大山スタンプラリーが終わっていない・・・
大山に行かんと。
5 Mar 2016

昼下がりに家を出て、丹沢大山へ。

新しい大山ケーブルカーを往復利用。
木目調の天井と丈高い窓で明るい車内。

初めて下社から登高開始。出だしの急階段に驚き、
岩が出ていて歩きにくいことにも驚き。
古来よりあまりにも大勢が歩いている結果かと。

夕方近い山頂は霧が流れる天候。さすがに静かなもの。
山頂でスタンプラリーの最後の押印をしたのち、
ケーブルカーの終電に間に合うよう、大急ぎで下山。

結果、ようやく記念品の手ぬぐいを入手。

(右半分)

冬なのに赤系というのは、やはり、ちょっと・・・
ピンクの部分で、桜をイメージしたのかと早合点。 (なら冬でなく春)

太陽が早く沈む季節なので、夕暮れがモチーフだとか。
季節にこだわらず、朝焼けに染まる山塊、ということで。

2016年度も実施するのかな?
6 Mar 2016

この日曜日は、神奈川東部では降ったり止んだり。
昨日のうちに山に行っておいてよかったと思える空模様。

一日のうちに移動性の気圧が何度も通ったのだろうか。
昨日は啓蟄。蛙の鳴き声も喧しい。
11 Mar 2016

思い出して喜ぶことではない。
しかし忘れはしない。

そんな日付が、これ以上、増えないことを望む・・・
12 Mar 2016

朝方は晴れていたものの、日中は風に細かい雨粒が混じる土曜日。
山はやめて、上野の東京都美術館へボッティチェリ展を観に。



昨年の6月にも同じ画家の名を冠した展覧会が渋谷であり、
一昨年の11月にはウフィツィ美術館展でも観ていたので、三年連続。
気づかなかったが自分はボッティチェリ好きなのだな。

今回の展覧会、師のフリッポ・リッピなどの作品も
併せて出品されているものの(それらももちろん悪くない)、
やはり主役が圧巻。

最初に展示されている”ラーマ家の東方三博士の礼拝”、
使っている色の対比が鮮烈で、
裏から光を通して発光させているのではと何度も見てしまうほど。

描かれる女性はみな優美。
券面に採用されている”書物の聖母”も美しいが、
見上げる”バラ園の聖母”も憂いある表情から目を離せない。

伏し目がちに斜め下を向いた女性を描かせたら、
ボッティチェリは西洋画家では五本の指に入るのではと。
13 Mar 2016

昨日日付、3月12日、キース・エマーソン逝去。71歳。
自殺だったとか・・・
4月には日本でライブ予定だったのに。

激烈なリズムに乗せて奏でるバッハ、ラベル、ヤナーチェク、
バルトーク、コープランドにヒナステラ。
どのバージョンよりもカッコいい”聖地エルサレム”。
硬質の音を鳴らし続けた稀代のキーボーディスト。

R.I.P.


よく聴いた人たちの訃報が増えてきた。
時間は容赦なく経つ。
14 Mar 2016

暑さ寒さも彼岸までとは言うものの、いや寒い寒い週の初め。
週末三連休は、この季節の常で、天候に恵まれず。
また絵を見に行くかな。

夜、たまたまテレビをつけたら、水晶岳(黒岳)を目指すという番組が。
新穂高から上がって稜線の彼方に見る山は、かなり遠い。
鷲羽岳を越えず、黒部源流に沿って、三日目に山頂到着。

黒岳遠い。
でもいつか行きたい。
周囲すべて山しか見えないという景色を見てみたい。
17 Mar 2016

雑誌『岳人』、よく頑張ってる。
特集テーマを掲げたら、頁数の半分をそのテーマに絡めた記事にしている。

今号のテーマは山と写真。
作品としての写真はもちろん、撮影道具、報道、
真摯な山行での撮影とはと、主題は多い。

”事物の本質”という言葉が繰り返される白籏史朗「モノクロームへの思い」。
昨今の必要以上な色作りが、
写真で伝えるべき本質を埋没させてしまうことを危惧されている。

カラーは訴求力が高い。だが表面上の華やかさに惑わされて、
ただのデザイン(それも質の低いデザイン)であることに
気づかないでいるというのは、ありそうな話。

写真に留まらない話かとも。
19 Mar 2016

昼過ぎまで雨模様の土曜日、悪天の峠を越してから都内に出る。
山種美術館へ、初日の奥村土牛展に。



券面に採用されている『醍醐』を久しぶりに見たくて。
大画面に、言うことなし。花見を先取り。

展示作品を見るに、土牛、輪郭線が本当に美しい。
とくに動物の輪郭線。『聖牛』での薄墨での線など、
もはやそれだけで見る価値あり。

かと思えば『醍醐』でのように色へのこだわりも相当なもの。
柔らかで上品な色が多いものの、使うべき時は決然として黒を使う。
その黒もただの黒ではなく、近寄れば濃淡あり。奥行きのある黒。
その色をまとって、軍鶏や鵜が画面から浮き立つ。

でも人間を描いたのはあまり惹かれないな・・・
舞妓を描いたのはすばらしいけれど。
動物も、犬や猫はみな鼠みたいで。
兎や鹿や牛があんなに上手いのに、なぜだろう。
20 Mar 2016

奥武蔵の伊豆ヶ岳から武川岳へ。
稜線はやや風があって、寒いくらい。
正丸からの伊豆ヶ岳、山道の入りかけで妙な林道(?)工事。

山伏峠に下って登り返す武川岳。
驚いたことに、ほんの少しだけれども、雪が残る。(木陰とか)
こちらも山腹を切り裂くような林道工事。二車線道路。なぜ二車線?

下って出た先は久しぶりの名郷。梅が満開。季節が逆戻り。
停留所の時刻表、一時間に一本となった夕刻、
来たのはラッピングバス。

見事な不意打ち。”ひなた”が大迫力。

反対側には4人。車内のあちこちにも。
飯能市に来るたびに”ヤマノススメ”が身近に。
21 Mar 2016

この三連休に限り、
横浜は鶴見区の総持寺が仏殿を公開するということで、
久しぶりに曹洞宗大本山へ。(永平寺も大本山)



案内の雲水さんに尋ねたところ、この仏殿、
祈祷などで名前を呼ばれるような催し物に参加すれば
入ることはできるものの、それでも自由に歩いて見てまわるなど不可。

本日は好きなだけ、はるか頭上に豪壮な格天井を見上げ、
ずいぶんと大きな斗ギョウ(とぎょう、ギョウは木偏に共)を見上げ、
やはり高みにあるお釈迦様の仏像を見上げ、
総檜造りという太い柱や壁を見上げ。

首が疲れた頃に、周囲に展示されている仏画を眺め、
天井から下がる巨大な刺繍獅子吼文大法被を見上げ・・・・
と、視線は基本的に上向き基調。

本日特別に公開されたのは仏殿だけで、
美術品もそんなに多数展示されていたわけではないが、
わりとたくさんの人が訪れ、同じようにあちこち見上げていた。
みな総持寺が好きなのだろう。


今回のは『開祖瑩山紹瑾禅師七〇〇回、
二祖峨山韶碩禅師六五〇回大遠忌記念』の”旗上げ展”とのことで、
4月23日からの鎌倉国宝館での展覧会に先立つものらしい。

臨済宗ばかりの鎌倉で曹洞宗が展覧会というのは苦労が多そうだが、
よい展示になればと思う。
26 Mar 2016

北海道新幹線開業。
つい先日に新幹線が金沢まで通じたと思ったら、今度は函館まで。
東京駅から一日十往復。

片道の料金が2万円超と決して手軽ではないものの、
長めの休暇が取れたら、陸路函館を目指すのもよいかなと
(途中は海底だけど)、思えるほどには魅力あり。

まぁもう少し先に行かないと、登山に値する山はないけれど
(函館山に登るのは山歩きとは言わないだろうから)
27 Mar 2016

有楽町の出光美術館へ、勝川春章の美人画を見に。



春章は江戸時代中期に活躍した人だそうな。
最近まで名も知らなかった。

何だったかの機会に、券面にも採用(一部)されている
『美人鑑賞図』を目にして、
これは実物を見たいと思ったのが認識の始まり。

近世の絵をまとめて見るのは初めてで、
『鑑賞図』さえ見られればいいやと思っていたものの、
展覧されているものはおざなりに見過ごすにはもったいないものばかり。

どれもこれも女性の着物のデザインがすばらしい。
彩色も言うまでもなく。緑とか紫とかの名前ではない、
日本的な呼び名があるはずの色が使われ、
その上にあしらわれた文様と併せて、まるで見飽きない。

鎖国状態とはいえ西洋の文物は入ってきていたようで、
遠近法など試してはいるものの、消化し切れておらず、
エッシャーの絵のようになっているところもあるが、
それを補ってあまりある品の良さ。

最終日に駆け込み訪問。その甲斐あり。
美人画はよいなぁと思った展覧会。
31 Mar 2016

都区内、もうソメイヨシノが満開に近く。
職場近くではシャガも満開。
ツツジさえ咲いている。
明日から4月、月末は連休。
まさに光陰矢の如し。

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