Preface/Monologue2002年 6月


前月へ 翌月へ 以前のPreface/Monologue(index)に戻る ホームページに戻る


1 Jun 2002
山に行けないときは山の本やら雑誌を読んだりしますが、映像も有効。『深田久弥の日本百名山』のDVDを見たりして自分をなだめています。


ワールドカップは二日目。E組、地上波のみのテレビ観戦。

カメルーンvsアイルランド戦は、ややじりじりする内容。結果は1-1の引き分けですが、なんか大味な試合展開だったと思えます。ドイツvsサウジアラビア戦は、....なんと言いましょうか、アジア諸国のワールドカップ参加枠がしばらくのあいだは増えることがないことを確定させる結果となったわけですね。

しかしねぇ...いくらなんでも8対0はないでしょう。あれだけ相手選手をフリーにさせていれば当然でしょうけど。ドイツにとっては楽だったとはいえ達成感はあまりなかったのでは、と思うし、見ている方もこれほどのワンサイドゲームだとあまりおもしろくないのでした。サウジのチームには、「守備とはなんぞや」をもう一度考えて出直してこいと言いたいです。


A組。デンマークがウルグアイに2-1で勝ったので、セネガル、デンマークが勝ち点3で、フランス、ウルグアイが0に。フランスは残り二試合に勝って、しかも得失点差を増やしておかないと、ほんとうに一次リーグ敗退などという前回優勝国としては情けない結果に終わる可能性も....。
2 Jun 2002
この土日は首都圏は好天。山に行っていたらさぞ気持ちよかったことでしょう。中国地方の大山では山開きがあったとかで、5,000人が登ったとか。さぞやすごい人並みに....


ワールドカップ三日目。気合いの試合を三つも観て、おそろしくくたびれました。

話題の”死のF組”。
まずはアルゼンチンvsナイジェリア戦。アルゼンチン強い....スピードとスペクタクル。得点こそ1-0で、しかもセットプレーででのものですが、試合そのものは息詰まるような攻防がほぼアルゼンチン有利で続いたのでした。ナイジェリアも守備が堅く、カウンターにも切れがあったのですが、南米の強豪の前にはふつうのチームに見えてしまうのでした。

イングランドvsスウェーデン戦。先の試合に比べてまったりムード。前半こそイングランドペースで点も入ったのですが、後半になるとスウェーデンが盛り返して1-1に追いつき、ベッカムが退くとイングランドは疲労もあって青息吐息、引き分けに持ち込むのがやっとでした。今日の試合を見る限り、サッカーの母国はとても優勝候補の呼び名に値しません。特に中盤から後ろは、相手のプレッシャーが速いためか球を持つと出しどころを探してあたふたする光景が目立ちました。

B組。
スペインvsスロベニア戦。前二試合に比べると、どちらかというと楽に見られる試合でした。結果的に3-1でスペインが勝ったのですが、全体として得点差通りというところですね。今回のスペインはよくまとまっているのでは?スロベニアもよくやったのですが、あまり機能できなかったザホビッチが退いてからは攻撃が個人技頼みになってしまった気がしました。

パラグアイvs南アフリカ。2-0でパラグアイが勝っていたのにオウンゴールとPK(それも試合終了直前)で2-2だそうで....やはりチラベルト大魔神がいないと締まらない?

明日は地上波だとイタリアvsエクアドルのみ。その時間に帰ってこられるかどうか....
3 Jun 2002
そろそろデジカメがほしい今日この頃なのですが、たとえ手に入れたとしても山に写真を撮りにいくヒマがない....


ワールドカップ四日目。月曜になってさすがに仕事が始まると試合経過など見ていられない。それでもイタリアvsエクアドル戦の開始時刻が近づくと、だんだんと仕事が手につかなくなってくる....

そのG組の試合、前半途中にイタリアが二点目を入れたあたりから観たのですが、相変わらずカウンターが鋭いですねぇ。トッティとビエリの二人だけで前線までボールを運んでしまう。堅守速攻とはこのチームのためにだけある言葉ですね。相手のエクアドルは南米予選を二位で通過したわけで、つまりはアルゼンチンに次ぐ実力の持ち主なはずなのですが、相手になっていない。
もっとも、後半はエクアドルがメンバーチェンジで中盤を固めたせいか2-0として恬淡となったのか、イタリアの速攻がやや鳴りをひそめます。それでもエクアドルはシュートさえなかなか打たせてもらえず、その意味では少々退屈な展開に。でもこれがイタリアなのでしょう。1-0の勝利を最高とするお国柄の。

結果だけ見たメキシコvsクロアチア戦。PKを与えて1-0で負けたクロアチア、動きの悪かったわりには最少失点でよかったということでしょうか。前回大会三位の元気は加齢とともに消えてしまったのか....ところで今朝の東京駅では試合会場の新潟を目指すメキシコサポーターが目立ちました。身近にワールドカップを感じた瞬間。

最後に、こちらも結果だけ確認のC組はブラジルvsトルコ戦。トルコは終盤に退場者を二名も出したあげく、ここでもPKを与えて2-1の逆転負け。文字通りの自滅。先制点は取ったのに残念。初戦で点を取ったブラジルのロナウド、今大会こそ主役を張れるか?
4 Jun 2002
本日は職場でもテレビが用意されましたが、何が起こるかわからないのでともあれ早退。食料と飲料をそろえてテレビの前に陣取り、開始を待つ.....(それにしてもいったいここは何のサイトだか(笑))

ワールドカップ、H組、日本vsベルギー戦。
前半戦はゴール前まで詰める回数が少なく、逆にベルギーの鋭い攻撃が光ります。何度も冷や汗をかかされる日本代表、とりあえず0-0で折り返したものの、このままいけば「1-0で負けか?」と思って始まった後半、予想通り先制点を取られてしまう。「前回大会と同じく1点差で負けるのか?」と思うまもなく、鈴木の同点弾。

今日もブレーキかと思われた鈴木が点を取って「これはいけるかも?」。そして稲本が逆転弾。いずれも流れの中からの得点で、久しぶりに日本の攻撃サッカーを見せてもらった気がしました。しかしけっきょくベルギーに2-2と同点にされてタイムアップ。

終盤、稲本の幻のゴールが悔やまれます。勝てる試合だったのに....残念。まぁ強国のひとつであるベルギーに引き分けたのでよしとしましょう。勝ち点が全く取れなかった少なくとも前回大会よりは進歩しているわけだし、それに試合そのものがおもしろかったことだし。

D組の韓国vsポーランド戦。2-0で韓国の勝ち。何年も待ちに待った勝利。今日の韓国は強かった。この調子で次の米国戦に勝てば、グループリーグ突破も夢ではない?

奇しくも、今日は三試合あって全試合にアジアの国が出場していましたが、最初に行われたC組の中国vsコスタリカ戦は0-2で中国の負け。ボラ・マジックもここまでか?
5 Jun 2002
切迫した状況で遅くまで仕事をせざるを得ないときに限ってドラマチックな試合が行われたりするワールドカップ。まさかロスタイムでアイルランドがドイツから同点ゴールを奪うとは。1-1と逃げ切れなかったドイツ、次はカメルーン戦。タフな試合になりそうな気が。

驚いたと言えばこちらも驚いたポルトガルvs米国戦。まさかまさか3-2で米国が勝ってしまうとは。フランスに続いて、ポルトガルよ、おまえもか。

ロシアvsチュニジア戦は2-0でロシアの勝ち。しかしダイジェストを見る限り、チュニジアもそうそう侮れるチームではなさそう。ロシアに勝てなかったら、チュニジアに足下を掬われる可能性もあるかも>日本代表
6 Jun 2002
フランス危ないなぁ。

A組。
セネガルvsデンマーク戦。1-1の引き分け。荒れた試合だったようで。これで両国は勝ち点4に。

ウルグアイvsフランス戦。前半の戦いを見る限り、ウルグアイはとても尊敬に値するチームではないですね!しかもこの試合の審判は、質が最低。相手を蹴るという同じファウルをしているのに、フランスの選手は退場にし、ウルグアイは同じ(いやもっと酷い)ことをしても警告も出さない。ひじょうに不快なジャッジで、ゲームを一人でぶち壊していました。

退場で一人少ないフランスは後半見事な集中を見せたものの、相手GKの好セーブにも阻まれてついに得点できず、0-0の引き分けに。これでウルグアイとフランスはともにようやく勝ち点1。最後のデンマーク戦で少なくとも2点差以上をつけて勝たないことには、一次リーグ敗退などという誰も予想しなかった事態が現実のものに。

しかし二試合で無得点のフランスに、ウルグアイを倒したデンマークから二点とか三点とか取る力があるとは、あまり、思えないのでした....

しかし仏GKバルテズのファインセーブ連発は鳥肌もの。一回、レコバにかわされてあわや、というシーンもありましたが。

E組。
サウジアラビアvsカメルーン戦。1-0でカメルーンの勝ち。負けたとはいえサウジは8-0で大敗したドイツ戦から見事に立ち直ってきた模様。それだけでも賞賛に値することでしょう。
7 Jun 2002
熱いぞイングランド。

再び、死のF組。
”因縁の”イングランドvsアルゼンチン戦。煽り立てる前評判からすればおとなしい印象のアルゼンチンに対し、序盤から飛ばすイングランド。どことなくあった「ひよわな」イメージは跡形もなく、スウェーデン戦とは異なって守備も落ち着いたもので、激しい当たりと切れ味のあるカウンターでアルゼンチンと互角以上に渡り合い、その勢いでPKを得て前半終了間際に1-0に。

後半なかばまではほぼイングランドペースだったのが、さすがにへばって足が止まり、残り25分はアルゼンチンの一方的な展開に。それでも凌ぎきったイングランド、戦前の予想を覆してアルゼンチンに勝利。

試合自体も面白いものでしたが、前半を終えてピッチを去るときに、”因縁”の象徴であるベッカムとシメオネが軽く握手をして控え室に戻っていったのが印象的でした。聞くところによれば試合終了時も二人は握手を交わしたとか。いい話です。

スウェーデンvsナイジェリア戦。躍進著しいアフリカの象徴だったナイジェリア、先制点を取ったものの2-1で逆転負け。これで二試合連続敗退で決勝トーナメント進出は幻に。きっとこの仇はセネガルあたりが討つのでは。しかしスウェーデンも強い。単に大柄な連中が集まっているだけではない。三位になった前々回大会以上の成績となるか。

B組。スペインvsパラグアイ戦。順当に、3-1でスペインの勝ちで決勝リーグ進出決定。前評判は高かった前回フランス大会では一次リーグ止まりだったので、ようやく「名実ともに優勝候補」の真価を発揮し始めたと言うところ。”ビッグマウス”チラベルトはFKも決められず、失点も多くて残念無念。

しかしスロベニア。中心選手のザホビッチが追放されるとは。アイルランドのロビー・キーン送還に続いての驚き。アイルランド同様、スロベニアもチームの結束を保てるかどうか。
8 Jun 2002
足下を掬われたイタリア。

G組、イタリアvsクロアチア戦。後半ロスタイムに決まったと思えたイタリアのゴールがファウルで取り消され、2-1でクロアチアが逃げ切って勝ち点3をget。微妙なジャッジに助けられた格好。
しかしイタリアに先制されながらも追いついてさらに逆転したのは事実。やはり底力はある。先日のメキシコ戦後の「セットプレー以外では点の入る気がしなかった」という評価が別なチームに対するものに思える出来。
それにしてもイタリア、自慢の堅守はどうしたのだろう。次のメキシコ戦で負けるようなことがあると、イタリア「も」一次リーグ敗退などというとんでもないことになりかねない。

B組、スロベニアvs南アフリカ。スロベニアは1-0で負け、これで二試合連続敗北。ザホビッチは追放され、監督は試合中に退席処分を受け、チームとして自滅傾向の感あり。JEF市原に所属しているミリノビッチの活躍も実らず、残念。

C組のブラジルvs中国戦は4-0でブラジル勝利。試合自体は面白いものではなかった。実力差がありすぎて。強烈なFKで決まった1点目はともかく、その後は点が入ってもそれほど興奮しない。ぜんたいに単調に思えたのはわたしだけ?
9 Jun 2002
日本初勝利。

H組、日本vsロシア。ベルギー戦に続く稲本のゴールで1-0勝利。実は柳沢から稲本にボールが出た時点で、ひとりがオフサイドにしか見えない位置にいたんですが、おそらく「.プレーに関与していない選手はオフサイドとしない」というルールに基づき問題とされなかったのでしょう。最初は稲本もオフサイドか、と思ったのですが、録画を見直してみるときわどいところでオフサイドではない。位置取りがうまい。というわけで、文句なしのゴールでした。(実はオフサイドだったんじゃないか、と書いた最初の記述を訂正しています。以下同様。)

今日の稲本のパフォーマンスはゴールがあろうがなかろうが最高に近いものでした。同じボランチの戸田と二人で、実質的にゲームを動かしていた感があります。ともあれ代表は今回の結果に慢心せず、次のチュニジア戦に向けて準備していってほしいと思います。


G組。メキシコvsエクアドル戦は2-1でメキシコが逆転勝利。見ていて面白い試合だったそうですが、休日出勤でしてねぇ.....。メキシコって予想以上に強そうですね。

C組のトルコvsコスタリカ戦はスコアレスドロー。トルコはこれでようやく勝ち点1をようやくget。しかしこの組でブラジルに続いて決勝トーナメントに進むのはやはりトルコでしょう。
10 Jun 2002
じつは10日から11日にかけて急遽徹夜作業。というわけで、これは実は11日に書いているのですが....

H組、チュニジアvsベルギー、なんと1-1の引き分けに。チュニジア侮りがたし。前回大会でも、ぜったい勝てるといわれていたジャマイカに2点も取られていることですし、まぁ14日は相手をなめないことですね。
4チーム全てに可能性のあるH組ですが、この引き分けのおかげで日本はかなり楽になったわけで、その意味ではチュニジア様々でもありますね。

D組、ポルトガルvsポーランド戦。4-0でポルトガルの勝ちですが、ポーランドはブラジルと対戦した中国と同じスコアでの負け。「古豪」という肩書きはほとんど意味がないという例証のひとつに。

D組、韓国vs米国戦。こちらも1-1の引き分け。焦りすぎたようですね、韓国は。PKを失敗したというし。最終戦の相手は本領を発揮し始めたポルトガル。日本と違って、決勝トーナメント突破はかなり難しい状態に。
11 Jun 2002
けっきょく前回王者フランスはグループリーグ敗退。しかも勝ちなし、得点なし。なんでこうなってしまったのやら....。

アイルランドがサウジに勝ったため、ドイツに負けたカメルーンもリーグ戦で敗退。しかしドイツvsカメルーン戦の審判も、カードを乱発するばかりのゲームコントロール能力のない酷い審判でした。面白い試合になったかもしれないのが出さなくてよい退場者を二名も出して、かなり白けたものになってしまいました。
12 Jun 2002
最近は予測しがたいことが多いです。F組、ワールドカップでアルゼンチンがスウェーデンに負け、グループリーグ敗退するとは。同じ時間帯に行われたイングランドvsナイジェリア戦は勝ち点1さえ取ればよいイングランドが守備的に戦って0-0で引き分け、グループリーグ突破という目標を堅実に達成しましたが、試合そのものは見ていてあまり面白いものではなかった....すでに敗退が決まっているナイジェリアも締まらなかったですし。

夜のB組、なんとパラグアイがスロベニアに3-1で勝ち、スペインに2-3で負けた南アフリカをグループリーグ順位で追い抜いて決勝トーナメント進出。それも勝ち点で並び、得失点差で並び、総得点で1点差をつけての2位通過。スペインと南アフリカの試合もスピーディーで面白かったですが、パラグアイのゲームも見てみたかったと思います。 
13 Jun 2002
ブラジル、余裕の一位通過。続いてトルコ。”軍隊を持たない国”コスタリカは得失点差でわずかに及ばず残念でした。中国はけっきょく三試合で無得点。捲土重来を期しましょう。

イタリアよおまえもか....と思わせた夜の試合。メキシコDFをすり抜けるように飛び込んで同点ヘッドを炸裂させた途中交代のデルピエロ、前回大会での悪評を覆す大活躍。クロアチアがエクアドルに敗れたのを知って自分たちが決勝トーナメントに進むことがわかったイタリアとメキシコの選手が、後半ロスタイムに延々とボール回しをしていたのがしみじみと可笑しかったです。

さて明日はいよいよ日本vsチュニジア戦。気を抜かずにいってほしい。
14 Jun 2002
いきましたね日本代表。仕事のせいでダイジェストでしか見られなかったけど....

結果論かもしれませんが、それほど意外という気がしないのはやはりこの4年の努力があったからこそでしょう。

それに、代表に選ばれたけどまだピッチに立っていない選手、選ばれそうになったけど落選してしまった選手、こういういわば下支えの層があっての成果だとも思います。

代表に選ばれるために競争しながらフィールドの中では協調する。大人にならないとできない相談ですね。協調性の不足は卓越した技術でも補えない。優れた技術の選手がいても、チームバランスが取れていなければ勝利には結びつかない。

そういう意味では、人間性を重視したトルシエ監督のチーム構築方法論は奏功したといえるでしょう。監督自身は欠点だらけの人物ですが、聖人君子を期待しているわけではないので。

お隣韓国も、なんとポルトガルを破っての決勝トーナメント進出。攻撃的に出ながら、しかも前半34分くらいまではシュートを撃たせなかったようで。盛り上がりますねぇ共催大会。

しかしポルトガル。フランス、アルゼンチンに続いて....。しかも退場者2名というみっともない散り様。格下に手こずってあわてふためくのは、ついこの前の米国戦の再現ですね。学習が足りなかったようです。

ここまでの敗退国、湿度の低い国から来た選手たちは、「蒸し暑い東アジアでワールドカップが開かれたのが身の不運だ」と嘆きながら帰国の途につくのでしょう。
15 Jun 2002
休むヒマなく決勝トーナメント開始。

ドイツ、イングランドが8強に名乗りを上げ、パラグアイ、デンマークが脱落。
パラグアイの幸運はここまで、フランスを撃破したデンマークの攻撃陣はついに火を噴かず。

昼のドイツvsパラグアイ戦は単調でじりじりするような内容で結果も1-0。その一点も後半終了時に入ったというもので、それまで両者とも点が入る気がしなかっただけに急激な幕切れ、という感じでした。

夜のデンマークvsイングランド戦はボール支配率が60%を超えたデンマークが3-0で負けるという内容。デンマークの一本調子の攻めに対しイングランド側には緩急の動きがあって、本日の二試合を通じていちばん観ていて面白かったチームでした。しかしいいですねぇイングランドのDF陣。安定していて。
16 Jun 2002
今日は死闘二連続。

仕事でテレビ観戦も叶わなかったセネガルvsスウェーデン戦。延長戦にもつれ込み、セネガル勝利。組織力の北欧の雄に対し、今回のところは個人技のアフリカが勝ったというところか。

しかし今月の7日に「(スウェーデンが負かした)ナイジェリアの仇を取るのはセネガルだろう」と書いたら、事実そうなってしまいました。恐るべきアフリカ勢。

スペインvsアイルランド戦。開始早々に先行した時点でスペイン勝利だろうと思い、事実そうなったのですが、それがPK戦の末ということはアイルランドの粘りがいかほどのものだったかを強烈に物語っていますね。これもまた順当なところだと思います。アイルランド魂侮るべからず。

後半終了間際、1-1の同点に追いついたときにアイルランドサポーターはみな欣喜雀躍していましたが、その最前列でひとりのおじさんが泣き出しそうに手すりにすがっていました。敗戦が決定したのち、アイルランドカラーのマフラーをひとり誇らしく高々と掲げていたのも、このおじさんでした。

自国チームが負けたからといって他人の車をひっくり返し商店を略奪し火を放つような連中が海の向こうにいたそうですが、このおじさんの前に深く恥じ入るべきでしょう。
17 Jun 2002
よーし明日はトルコ戦だ、と思って代休を取ろうとしたら、会議が入っていて休めませんでした、と...しかも今日は大残業で、ダイジェストしか見られませんでした、と....

ブラジルvsベルギー戦。うまいですねぇリバウドにロナウド。とくにリバウド、別次元を思わせる軽やかなトラップから振り抜くシュート一閃。ベルギーDFも見とれてしまったことでしょう。気がついたら点を入れられていた....

しかし負けたとはいえベルギーのウィルモッツ、見ていて楽しい。技あり力強さあり。日本戦同様にオーバーヘッドシュートをかましてくるし(今回は外れましたが)。振り向きざまの足先だけで蹴っているとしか思えない鋭いシュートもあって。チーム自体もブラジルにひけを取らない戦いぶりだったようで、引き締まったサッカーがこの大会で見られなくなったのは残念。(日本戦のベルギーは敵ながら佳かったです。)

メキシコvs米国戦。なんと米国が2-0で勝つとは。ボール支配率はメキシコの半分だったそうで、これはもうカウンターの切れ味でしょう。キーパーもスーパーセーブを連発していたみたいですし、前回大会でも走り回っていた人気者のコビ=ジョーンズが相変わらずの俊足を発揮してもいて。こちら、昔なじみに会えたような懐かしさ。

ところで、NHKのダイジェストにパラグアイのGKチラベルトが生出演。ピッチの上でとは違ってかなり柔和な顔つきですが、物腰態度は堂々としていてまったく軽んじることのできないひとです。

本日のブラジルやベルギー、先頃負けてしまった自国チームや明日試合のある日本代表についてコメントを求められ、わりと当たり障りのない回答をしていたものですが、それでも浮かび上がってくる変わらないメッセージは「努力に裏付けられた自信を持て」ということと感じました。「日本は優勝もできる」とまで言ってアナウンサーや解説者の笑いを誘っていましたが、チラベルト自身は全く笑わず、むしろやや険しい目つきになっていました。南米のサッカー激戦区を戦い抜いてきた者の持つ厳しさを見た気がしました。
18 Jun 2002
 決勝トーナメント。日本vsトルコ戦。1-0にて敗北。
 かなりの選手がトルコ戦はほんとうに「ボーナス」としか思っていなかったのか集中力の欠如があちこちに見られ、熱闘という感じではありませんでしたね。なんだか、難しい試験をパスして大学とかに入ったとたんに気が抜けてしまう学生のようで、昨日のチラベルトの話ではありませんが、高次の目標を強く持てていない集団だったのかもしれません。
 失点はDFのパスミスから与えたコーナーキックを、これまた相手をフリーにさせるというミスから生まれたもの。フリーキックにしても連携がまずくてボールを3メートル「横」に動かしただけで終わってしまったようなシーンもあり、何やってるんだ状態でした。

 しかし本日のトルシエ監督の采配は失敗でしたねぇ。いつもの柳沢と鈴木を外して三都州と西沢にしたものの、日本得意の二列目からの飛び出しがなくなってしまった格好。後半は三都州と稲本を引っ込めて鈴木と市川を出すあたり、失敗を半分は認めたというところですか。しかしなんで後半から入れた市川を後半もあと5分というところで森島に変えるのかなー。西沢とのコンビに期待をかけたのはわかりますが、結果的には混乱の極み。
 とはいえ第一目標は達成できたので、その点は評価し賞賛すべきと思っています。とりあえず選手や監督のみなさんには、まずはゆっくり休んでそれぞれのチームでの活躍に備えてくれ、と言いましょう。おつかれさまでした。

 同じく。イタリアvs韓国戦。
 昼間の試合に比べてこちらの力のはいることはいること。つい二日前のスペインvsアイルランド戦に引けを取らない熱戦でした。韓国ですが、序盤に先行されたのはアイルランドや、本日の日本と一緒。そして終了間際に同点に追いついたのは、日本と違い、アイルランドと一緒。そしてアイルランドと違っていたのは、延長戦を征したこと。

 「韓国がイタリアに勝った!」英国経済紙フィナンシャルタイムズのWebサイトまでがこの結果を”one of the biggest ever World Cup shocks”(ワールドカップ史上最大のショックの一つ)と言うくらいの大事件です。なんといっても相手はイタリア、世界の強豪、ワールドカップで3回の優勝経験、逃げ切りのうまい堅い守備が売り物のイタリア。それを6回も出場していながら今回大会まで一度も試合に勝ったことがなかったチームが、1-0から追いついて逆転したわけですから、Unbelievable!なわけです。私にしても、まぁ最後にはイタリアが勝つだろうと思っていただけに、テレビで見ていながらびっくりしたのなんの。

 試合運びは文句なし。最後の最後まで戦い抜く姿勢を監督以下選手が皆見せて、サッカーに興味がない連れも延長戦では引き込まれて見入ってしまうほど。「面白い試合は面白いね」と誰もが納得することを言っていました(笑)。たまたま勝った、というものではありません。ポルトガル打倒に続く優勝候補撃破。国中お祭り騒ぎでしょうねぇ。この調子で、次のスペイン戦でも世界を驚かせてほしいものです。

 しかし!イタリア。1966年イングランド大会で格下と思っていた北朝鮮に敗北した悪夢の再現となってしまって、帰国の暁にはトマトと生卵の出迎えを受けかねません。一次リーグもようやく突破した形でしたし、国内世論は納得しないことでしょう。
 同情の余地はあります。とにかく今大会は審判との相性が悪い。二枚のイエローでトッティが退場になってしまいましたが、二枚目はカードものではなかったと思うのですが....。とはいえ、これも試合につきものの運不運。今回は幸運の女神にかなり嫌われていた、ということでしょう。
22 Jun 2002
つい最近出た『週間続日本百名山』で取り上げられている山のひとつに、北海道は東大雪のニペソツ山というのがあります。名前は前から知っていましたが、重量感を持って屹立する姿を見開き写真で見てすっかり魅せられてしまいました。登山計画を考えてみようと交通手段を調べてみたところ、飛行機+帯広市内へのバス+登山口までのレンタカー使用料何日分か、と予算が相当にかかることがわかってどんどん憂鬱になっていったのでした。


昨日と今日でワールドカップの準々決勝。ブラジル、ドイツ、韓国、トルコが抜け出し、イングランド、米国、スペイン、セネガルが敗退。

韓国すごいですね、ポルトガル、イタリアにスペインと、優勝候補を軒並み撃破。失敗しても落ち込んでいるヒマなく次の勝負にかかっていく。緊張感が持続しているのを感じます。

これに技術とスピードを加えたのがトルコ。見ていて目が回るほどで疾走感が楽しい。本日の相手のセネガルも俊敏でしたが、組織力でトルコに一日の長がありました。日本戦から始めてこれで二度目の観戦ですが、もう少し長く見ていたくなりましたね。

というわけでブラジルvsトルコ戦が楽しみです。ドイツvs韓国戦は、いまのドイツが相手なら韓国が勝つような気がします。すると決勝は、韓国vs.....?
25 Jun 2002
残念でした韓国。でもよくやったものです。

「いまのドイツなら勝てる」とか言ってしまいましたが、ドイツは派手さはないものの、とにかく堅実で破綻がない、というところですか(得点直後の、最後の15分しか見ていないのですけど)。

しかし韓国(日本も)、しばしの休息はあるかもしれませんが、もう4年後が楽しみになってきました(お隣さんにはまだ3位決定戦がありますが)。そこでまた躍進し、今回の活躍がフェイクでないことを世界に証明してほしいものです。
26 Jun 2002
準決勝第二試合はブラジルが1-0で逃げ切り、これで3大会連続決勝進出。

ハカン・シュキル、ユミト・ダバラ、ハサン、イルハン、バステュルクにアルパイ以下の奮闘も及ばず、トルコは一次リーグでのブラジル戦の雪辱を果たせずじまい。最初の20分は優勢だったのですが、その後はブラジルに圧されっぱなし、GKのルステュの美技ばかりが目立つ試合運びに。準々決勝のセネガル戦で見せた精密機械のように美しいパスワークを見たかったのですが、この日はそこらじゅうでカットされ攻めはずたずたに。相手の役者が一枚上でした。

さて気がつけばドイツにブラジル。予選プレーオフでようやく滑り込んだドイツと、代表史上最弱とまで言われたまでブラジルが決勝で戦うことに。しかもこの2チームは大会史上初顔合わせ。ほんとうに何が起こるかわからない大会です。

しかし本日ブラジルのロナウドの得点シーン。体の真下でキープするドリブル、これは取るのが難しい。そしてタイミングを予測させないシュートで自身6点目のゴール、得点争いのトップに。終わってみれば、ロナウドの大会だった、ということになるかも。
28 Jun 2002
今回の日韓の活躍は世界の耳目を集めましたが、その立役者の一人、トルシエ監督が曰く、「アジアのサッカーが強くなったと即断してはならない」。

それはホーム効果というものかもしれないし、以前に決勝リーグに出場したサウジアラビアが今回の大会ではどうだったか、とも。

自分は山慣れしたと思いだしたころに事故を起こしかねないのと同じで、慢心してはいけないという箴言と聞こえました。
29 Jun 2002
三位決定戦、韓国vsトルコ戦は、3-2というスコアでトルコの勝ち。体が重く、DFのメンバーが代わって連携が悪かったホスト国は、やや自滅する形で3点を失ったかと。終了間際に2点目を返したものの、得意の延長戦に持ち込むこともできず残念。

トルコの方といえば、ここまで無得点という不調の極みだったFWのハカンシュキルが1得点2アシストと大活躍。そのおかげで同じFWのイルハンが2得点。相変わらずGKのルステュは安心のセービング(2失点しちまいましたが)。

試合終了後、両チームの選手たちが肩を抱き合い、ある者はお互いの国旗を掲げて四方のサポーターに向かって挨拶に。清々しい光景、長く見ていたいと思えるほどの....。勝ったトルコの選手たちはもとより、韓国の選手たちも、堂々かつ爽やかな態度でした。

....この4年も、あと一日か。
30 Jun 2002
そうかーブラジル優勝か....。「少数の卓越した個人能力は組織力を上回る」ということでしょうか。これを励みと見るか、失望と取るか....。

ロナウドは決勝戦で2点、結果的に大会8得点で文句なしの得点王。予想した自分も驚くことに、けっきょく今大会は彼の大会に。

敗れたドイツ、ここまで通じてよくやったと思います。本日はやはりバラックがいなかったのが痛かったようで、ゴール前の攻撃に厚みがいまひとつなく無得点。それでも押していた時間帯はあったことですし、自国内ですら「彼らは二軍だ」とまで揶揄される中での準優勝の成績はとやかく言われるものでもないでしょう。

しかしドイツGKのカーン、最後の最後の最後にキーパーミスで失点。それでもこれまでの大活躍を考えれば、誰も彼のことを責められないとは思います。もっとも、彼が自分のことを責めるのも誰も止められないでしょう。だからこそカーンなのだし。連れも彼が気に入って応援していたのですが、残念でした。できれば、4年後の地元開催時に再び勇姿を見せてほしいものです。


前月へ 翌月へ 以前のPreface/Monologue(index)に戻る ホームページに戻る


Author:i.inoue All Rights Reserved