Preface/Monologue2026年 7月


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東仙波手前の小ピークから彼方に望む和名倉山山頂稜線

ここまでのCover Photo:東仙波手前の小ピークから彼方に望む和名倉山山頂稜線

1 Jul 2026

ワールドカップ。6月12日から始まって、もう7月に入る。

コートジボワールvsノルウェー、1-2。

結果のみ。86分のハーランドのゴールが決勝点。ハーランド、直前の一次リーグ第三戦を欠場したのに、この試合は終盤へとへとで延長戦は勘弁してほしい、と思っていたと。暑いからかな。次戦のブラジルに勝てる可能性を問われて「かなり低い」と宣う。いい意味で力が抜けてて、それで得点を量産できているのかも。

フランスvsスウェーデン、3-0。

開始15分くらいはスウェーデンにもかなり勢いがあったのだけど、そのうちフランスペースに。前半終了間際にはエンバペのゴールが生まれる。後半もフランスペース。右サイドバックのクンデが前線に出たり中に入ったりと神出鬼没なのが優勝候補国の柔軟性を物語る。オリーセがまた大活躍、バルコラの2点目、エンバペの3点目をアシスト。現状、大会通じてのアシスト王だそうな。
前回大会だったかEUROだったか、エンバペ一人で行ってこいみたいなカウンターが見られず、全員攻撃で見ていて楽しいフランス。各選手の背番号も覚えてきてしまうほど。

メキシコvsエクアドル、2-0。

結果のみ。大観衆を味方につけたホスト国、一次リーグでドイツを破ったエクアドルに完勝。とはいえメキシコサポーターはニュースによればエクアドルのGKがゴールキックするたびに卑猥語を叫んでいたとか、エクアドル選手が宿泊するホテル周辺にSNSで示し合わせて集まり深夜から早朝まで大音量を流して睡眠妨害をした集団がいたらしいとか。エクアドルはエクアドルで、負けているのに「口元を隠して相手選手にものを言う」仕草をする選手が一発退場。パラグアイで前例があったのに。会場の雰囲気に呑まれたのかもしれないが言い訳無用。


長野県松本市、この2月に今年度予算に”美ヶ原へのロープウェイ建設計画”調査費を計上していたと知った。令和四年に策定した「美ヶ原再生計画」という文書には三城から王ヶ頭への架設がすでに案として書かれている。

山頂にはホテルがあり、高原の脇には野外彫刻博物館まであって随分と観光地化しているのだが、それでも足らないらしい。そもそもロープウェイなんて山と自然からすれば再生ではなく破壊。破壊してでも”再生”したいものとは何か。それは失われるものと吊り合う価値があるものなのだろうか。

2 Jul 2026

ワールドカップ。勝負は下駄を履くまでわからない。

イングランドvsコンゴ民主共和国、2-1。

開始7分でコンゴDR先制。得点したチペンガ、斜め宙返りという派手なゴールパフォーマンス。20分くらいまでは同等に見えた流れも30分を過ぎるとイングランドに大半が行く。しかしイングランド攻めが下手。左右からのクロスはなかなか合わないしドリブルで中に切り込む選手もいない。昔のぎくしゃくしたサッカーに逆戻りしたのか?後半になっても状況変わらず。徐々に見る気が失せてくる。

イングランドのトゥヘル監督、HTでいろいろ言ったはずだが、口で言ってもダメなら交代だとばかりに前線のサイドを左右両方とも変える。左のラシュフォードをゴードンに、右のマドゥエケをサカに。丁寧さが増す左に、中に入り込みだす右。さらに失点に関与した右サイドバックのスペンスを下げ、左の中盤にいたライスをそこに配置転換。中盤にはエゼを投入。配球役のライスがプレスから遠くなって上下動が自由にできるようになり、サカの動きとともに右サイドが活性化。

こうして舞台が整い、75分、サカが前に出てきたエゼに付け、エゼはさらに後方から来たライスに付ける。ライス、ゴールラインまで持ち出してゴール左側のゴードンへ、ゴードンこれを中央に折り返し、前後左右に振り回したコンゴDRをケインが仕留める。ケイン以外はみな交代ないし配置転換した選手。トゥヘル采配恐るべし。確変もの。

同点に追いついたイングランド、勢いに乗ってそこから10分少々で勝ち越す。左からのベリンガムのシュートをGK弾く、これを遠目でゴードンが拾ってゴール前中央のケインへ。ケイン、右に走りながらシュートコースが開いたことをおそらく視界の片隅で知覚し身体を捻って逆転弾。コンゴDRのムパシはイングランドサポーターに何度も溜息をつかせた有能なGKだが、目前のDFの陰から飛んでくるシュートは防げなかった。しかしコンゴDR、このGKを初め、グループKを3位通過したとは思えない強さだった。

勝利後、イングランドチームは肩を組んでサポーターとともにオアシスの”ワンダーウォール”を合唱。解説の戸田さんが教えてくれた。よく知ってますね。


ベルギーvsセネガル、3-2。

先制はセネガル。24分、左のマネからイスマイラ・サールへ、ヘディングシュートはポストに当たって跳ね返るが、詰めていたディアラが押し込む。セネガルは全体に動きが良い。さかんにベルギーの選手にプレスをかけ自由にさせない。じつにやりにくそうな赤い悪魔。この日CFの位置に起用されたのはデケテラーレなのだが、ポストプレータイプではなく自らボールを触りに行くタイプなので他の選手同様にセネガルに刈り取られる。前線でのボールの落ち着きどころがない。

ベルギー、そこで後半からCFをルカクに交代。さて反撃というところでセネガルに追加点。得点者はイスマイラ・サールだった。後方からのロングパスを半身で胸トラップしシュートという流麗なもの。ベルギー、出鼻をくじかれた格好。

焦りが見えだすベルギー。あいかわらずクロスが合わない。後半のハイドレーションブレイクではベンチから励ましに出てくる選手がおらず、ピッチ上のトロサールとティーレマンスが口論するなど雰囲気は最悪。このままチームが瓦解するのではと心配になるほどだったが誰も試合を投げない。後半もあと残り5分というところで、いずれも交代で入った若きモレイラが中央から右のムニエに出し、この折り返しを受けたルカクがシュート、2-1に。ほぼお通夜状態だったベルギーサポーターは大湧き、そしてなんとその3分後、左からトロサールが上げたクロスに中央のティーレマンスが競ってヘディング、得点。喧嘩していた(ように見えた)二人で同点弾。まるで熱血青春物のような展開。セネガルサポーターにとっては熱血どころか笑顔が凍り付く展開。

試合は2-2で延長戦へ。探り合いの前半を経て、後半、116分に問題の瞬間が訪れる。左を駆け上がったモレイラが中央に折り返した低弾道のクロス、これはゴール前のルカクに合わないまま右から走り込んだルケバキオがシュートに持ち込んだがバーに当たって上方へ。頭を抱える選手とサポーター一同。しかしゴール脇ではテーィレマンスが倒れていた。走り込んだ時にセネガルの選手に足を払われたかっこうになっていた。これはPKではないか?

意図的なものではなくじつに微妙なものだったが判定はPK。心配そうに眺めるセネガルベンチのマネら。怪我したふりをしてゴールスポットにうずくまりベルギーに動揺を与えようとするなどセネガルは心理戦も動員。しかしPKスポットに立ったティーレマンスは「まるで練習かのような」気負わぬ表情。なんの小手先技もなく冷静にゴール右上隅に蹴り込む。これでついに逆転勝ち越し、ベンチに下がっていたトロサールも笑顔。勝利に結びつく得点は団結の最良の妙薬。

そしてそのままベルギー勝利。この土壇場での逆転はベルギーの十八番。スコアも同じ、2018年ロシアワールドカップの日本戦を思い出す。セネガル、同点にされたあとにマネを下げるとか、ちょっとどうだったでしょうか。文字通りベルギーをあと一歩まで追い詰めただけに、勝ち切ってほしかったところ。


アメリカvsボスニア・ヘルツェゴビナ、2-0。

結果のみ。

3 Jul 2026

ワールドカップ。去るチームが増えてきてだんだん寂しくなってくる。

スペインvsオーストリア、3-0。

結果のみ。シュート数が22対5、枠内数が10対0、コーナーキック数が9対0と、これだけ見るとかなり一方的だったのでは。オヤルサバル2得点。派手なヤマルの活躍の陰に隠れがちだが、地味に得点を増やして自チームに貢献している。

ポルトガルvsクロアチア、2-1。

オランダ・モロッコもそうだったが、ここで当たってしまうかこの2チーム。前半はポルトガルの試合。クロアチア押し込まれ、前半で打てたシュートは3本のみ。後半はクロアチア盛り返す。パスのみだったボール回しにドリブルも含めての前進でポルトガルを押し返し、相手ゴールに迫る。先制はそのクロアチアだった。右ゴールラインからスタニシッチがゴール左のペリシッチへ、37歳の両足利き、受けたボールをいったん置き直してゴール。ポルトガルも負けていない。若きラファエル・レオンが弾丸シュートを浴びせ、CR7がクロスに飛び出しゴールネットを揺らす。しかしこれはわずかにオフサイド。

ポルトガル、61分に思い切っての4枚替え。その4分後、PK獲得。これをCR7ど真ん中に蹴り込んで成功させる。1-1のまま迎えた後半アディショナルタイム、ラファエル・レオンの左からのクロスにゴンサロ・ラモスがヘディングで決める。クロアチア視点で見ると、クロスを上げる相手にプレッシャーに行かず、ヘディングで飛ぶ相手に前後にいたクロアチア選手が譲り合ったか身体を当てきれず、決まってしまったゴール。ヘディングではなく低弾道だったが、日本・ブラジル戦でのブラジルの2点目を思い出させられる失点の仕方だった。

もうこれでポルトガル勝利は確実、と思えたアディショナルタイム終盤、左タッチライン際からペリシッチがゴール前の密集の頭に向けてボールを蹴り込む、これをゴール右にいたマリオ・パシャリッチが受けそこなってDFとGKの間に落としたのをグバルディオル押し込む。狂喜乱舞するクロアチアの選手とサポーター・・・だったが、マリオ・パシャリッチが受ける前にマタノビッチの頭をボールがかすったと判定される。その時点でパシャリッチがオフサイドの位置だったとされてノーゴールに。クロアチア、歓喜から失意へ。そして試合終了。前半からはまったく想像できなかった激動の後半戦を経てポルトガル勝利で幕が引かれる。

試合終了後、モドリッチと組んで中盤の底を中心に走り回っていたコバチッチは泣いていたが、稀代のMFは、やれるだけのことはやったとでも言いたげな、さばさばした表情だった。今大会のみならず、これで彼のワールドカップは少なくともピッチ上では終わってしまうのだろう。ポルトガルの選手たちも控えも含めて次々とモドリッチと挨拶を交わしていた。見ていて楽しい選手がまたひとりいなくなる。

スイスvsアルジェリア、2-0。

結果のみ。点差以上にアルジェリアは圧倒されたらしい。スイスのマンザンビ、この試合でも先制点をアシストして大活躍。ラウンド16ではスイスの試合を見るようにしないと。

4 Jul 2026

ワールドカップ。16強が出そろう。

オーストラリアvsエジプト、1-1、PK2-4。

結果のみ。シュート数/枠内数とも双方互角、オーストラリアも粘ったわけだが残念ながらPK戦敗退。これでアジア勢は全滅。豪州は組み合わせにやや恵まれたかと思えたのだけど残念。エジプトの得点者はアシュール。一次リーグベルギー戦のときと同じようにオラつきゴールセレブレーション。特徴的なので覚えやすい。

アルゼンチンvsカーボベルデ、延長3-2。

メッシの得点でアルゼンチン先制。メッシ毎試合で点を取っていて恐れ入る。これでアルゼンチンペースかと思えた後半にカーボベルデ得点、両者譲らずそのまま90分を終える。攻撃の怖さは南米のチームが上だがカーボベルデはGKヴォジーニャを中心に防ぎまくる。ヴォジーニャは1点は取られたものの、その後のメッシとの一対一のシュートもFKも全て止めて味方を鼓舞。

1-1で迎えた延長前半、ふたたびアルゼンチンが加点。沸き立つホーム状態のスタジアム。しかしその延長前半のうちにカーボベルデ、ゴール左ペナルティエリア手前からのシュートが決まってまたまた追いつく。得点者の若きシドニー・カブラル、ピッチを飛び出し看板を乗り越え客席にまで駆け込んでどこまで行くのかと思えば、若い女性と抱擁。パートナーの人かな。よほど嬉しかったのだろう。(イエローカードは出ず。)

延長後半、左からのアルゼンチンのコーナーに競りあったところでカーボベルデにOG。これで3-2。追いつこうと懸命に攻めるアフリカチーム、残念ながら三度目はなかった。しかし大陸西端のセネガルの沖に浮かぶ人口50万人ほどの島嶼国家のチームは少なくともワールドカップを見る人には強烈な印象を残した。守りは固いながらも単に引き籠ってカウンター狙いとかに徹することなく、出られるときは臆することなく前に出る佳いチームだった。

コロンビアvsガーナ、1-0。

コロンビアが格の違いを見せた試合。ガーナは攻撃時に枚数が常に足らない印象。カウンターに出てもピッチの中ごろで取られたり、ゴール前まで行けてもシュートまで行けずやはり取られたりで、コロンビアの攻撃が怖くて攻めに人数がかけられないという悪循環に陥っていた。ケイロス監督も後半になって策を授けたようだったが形勢逆転に至らず、得点差以上の内容で敗戦。


さて16強の地域別の数は;
欧州は出場15か国、32強12か国中、通過は7。敗退は5。
アフリカは出場10か国、32強9か国中、通過は2。敗退は7。
南米は出場6か国、32強5か国中、通過は4。敗退は1。
北中米は出場6か国、32強3か国中、通過は3。敗退は0。
アジア勢は出場9か国、32強2か国中、通過は0。敗退は2。

オセアニアに続けてアジア勢がいなくなる。アフリカ勢はかなり減少、残っているのはモロッコとエジプトのみ。欧州はほぼ半減。これはフランス・スウェーデンやスペイン・オーストリア、ポルトガル・クロアチアのように相互に潰し合ったせいでもある。南米はエクアドルが敗退したのみ、北中米は開催国3国がみな次ステージへ。明日から4日間はラウンド16、生き残りを賭けた戦いは続く。

5 Jul 2026

ワールドカップ。ラウンド16開始。

カナダvsモロッコ、0-3。

前半はカナダの試合。モロッコは前半のシュート数が1と、まるで攻撃が形にならない。全員疲れ切っているのかと思うほど身体も重たそうに見える。とはいえ走り回って前線から圧をかけ中盤では即時奪回するカナダも点は取れず、0-0のまま後半へ。

後半早々に試合が動く。モロッコが相手ゴール右前でFK。ボールの前に立つハキミ、ゴール方向に蹴ると見せかけて、カナダの壁のはるか前にいたフリーのウナヒに付ける。壁のなかにいた味方が動いてカナダの壁を開けさせ、ウナヒがDFの股のあいだを抜くシュート。淀みのまるでない電光石火の早業でモロッコ先制点。優位に試合を進めていたカナダは愕然。

後半ハイドレーションタイムを過ぎても、モロッコのシュート数はなんと2本のまま。カナダにしても4本なので両チームともフィニッシュになかなか行けない。しかし前がかりになった開催国に対してモロッコがセンターライン付近からカウンター発動、前半と異なり枚数の足らないカナダ、ドリブルで走り込むブラヒム・ディアスに引き寄せられ、フリーで並走するウナヒにボールを出されてシュートに持ち込まれ、GKも止められず2失点目を喫する。

後半アディショナルタイムにもモロッコはカウンターで追加点。アシストはまたブラヒム・ディアスで、開始早々に怪我で退いたサイバリに代わって入ったラヒミが得点。モロッコ、内容は悪くても勝つチーム。つまり強い。北端の開催国、特に前半は内容で勝っていたものの、ここで大会を去る。

試合終了後、モロッコサポーターはサンダークラップで自チームを祝福していた。アイスランドの応援スタイルの影響はいまだに残っている模様。


パラグアイvsフランス、0-1。

フランス、後半バルコラに代わって入ったドゥエ、チーム全体で不足していた感のあるドリブルでパラグアイのペナルティボックスに侵入、PK獲得。ドイツとのPK戦で存在感を示したGKのヒルの逆を突き、70分にエンバペ、先制点を上げる。これが決勝点。

数字上は、パラグアイは90分通じてイエローカードが一枚も出なかったという”実に紳士的な”戦いぶりだった。実際にはその真逆。もつれて倒れ込んで立ち上がったエンバペの脛を意図的に蹴っても注意さえされないのだからイエローなど出るはずもない。ウズベキスタンでは南米基準なのかもしれない。いや南米がみなこんなはずはない。他国に失礼だった…。

脛蹴りなど氷山の一角。イエローが自軍に出ないのでラフプレーと品位に欠ける行為の数々が止まらない。PKでボールを置くピッチをこっそり靴で掘り起こしもする。フェアプレーという概念はきっと存在していないのだろう。これを面白がる向きもあり、デシャン監督は事前に想定していたと淡々と振り返っていたが、まともな攻防を期待していた身には不快な試合だった。

6 Jul 2026

ワールドカップ。ラウンド16の2日目。本日終了時点で48か国が残存12か国に。

ブラジルvsノルウェー、1-2。予想外の展開。

試合開始早々、ブラジルはPKを獲得するものの、ノルウェーGKニーランに止められて失敗。これが暗雲立ち込める始まり。前半はシュート数でいえばややブラジルペース、ボール保持率で言えばノルウェーペース。

後半もこの状態が続くがどちらも点は入らないまま。ブラジルの枠内シュートはDFの壁を越えても最後にはニーランが止めまくる。ノルウェーのハーランドはクロスに合わない。ブラジル、67分にネイマール投入。精神的支柱を入れて喝を与える狙いか。しかし献身的なクーニャもマルチネッリもいなくなり、前線の圧が減っただけにも見える。残っているヴィニシウスは元からあまり守備をしないし。

そして迎えた78分、左サイドをじりじりとドリブルとパスで侵入したノルウェー、HTにヌサに代わって入ったシェルデルップからのクロスにハーランド、DFの後ろから回り込んで跳躍、ヘディングシュート。北欧のチーム先制。

試合も終了間近の89分にハーランドの2点目、文字通りのそのそと走ってきたフリーの状態で左のシェルデルップからのパスをPB左手前で軽く止め、まるでシュート練習かのように左足を振り抜く。DFの股を抜く低弾道の鋭いシュートはゴール右隅へ。なんでもないことのようにゴールを決める、まさに怪物。ブラジルは何をしていたのか、魅入られたかのように動きが鈍い。誰もハーランドにマークに付いてないし、プレスにも行けない。前半はそうでもなかったのに試合終盤は守備がザル状態。

その後ブラジルは本日二度目のPKを獲得し、今度はネイマールがこれを決めて一矢報いたものの、試合はほどなく終了。こうしてブラジル敗退。国際Aマッチでブラジルはノルウェーと4回対戦して一度も勝っておらず、かつワールドカップの舞台では過去5大会の決勝トーナメントで全て欧州勢の前に敗れているという二つのジンクスが今回も継続することになった。

今回はブラジルの監督アンチェロッティ、日本戦でのような手際は発揮できなかった。ハーランドを警戒し過ぎ?ネイマール効果を過信?対するノルウェーは交代策がはまった結果に。試合終了後には恒例のヴァイキング・ローをサポーターと選手と一緒に。この日は主将のウーデゴールに促されてハーランドが太鼓を叩く。a-haの”テイク・オン・ミー”も流れ、会場はノルウェーの祝祭空間に。


メキシコvsイングランド、2-3。激闘。

舞台はメキシコのアステカスタジアム、80,000人以上を収容する会場は大多数がメキシコサポーターで、イングランドにとってはこれ以上ないほどのアウェー状態。来る死闘の前触れか、荒天で開始が一時間も遅延しさえする。

試合はまずはメキシコペース、30分過ぎまで押されっぱなしのイングランド。しかし先制したのはイングランドだった。36分のカウンターでベリンガム得点。それまで潰され続けだった23歳、鬱憤晴らしのゴールは一つでは足らないとばかりに2分後にもゴール。優勢に見えていながらいきなり2点のビハインドとなった共同開催国、なんとその4分後にセットプレーからキニョーネスが得点。盛り上がる会場だったが1-2で試合は後半へ。

後半早々、イングランドに衝撃が走る。4バックの右に位置するクアンサーが足の裏を見せた危険なタックルで退場に。どうなるイングランド、と懸念が深まる前に、アウェーチームがPK獲得、これをケイン決める。ふたたび点差は2点に。

ところがこの試合は穏やかには進まないことが運命づけられていたのか、10分もたたずに今度はホームチームPK獲得。与えたのはケインその人。このPKをラウル・ヒメネス決めてまたまた点差は1点に戻る。勢いを増すメキシコ。

試合の残り時間はアディショナルタイムを含めて2~30分、さてイングランド逃げ切れるか。交代で攻撃の選手を繰り出してくるメキシコ、イングランドはゴール前に人数をかけて跳ね返しまくる。攻勢を増すもののなかなか得点できず、時計の針が進むにつれて焦りだすメキシコ、ゴールの上を越えていくシュートやクロスにサポーターのため息が積み重なっていく。そしてそのままタイムアップ。メキシコ奮闘実らず8強への壁を突破できず。

会場のアステカスタジアムは、40年前のメキシコ大会でアルゼンチンのマラドーナがイングランド相手に"神の手”ゴール、”五人抜きドリブル"ゴールを決めた因縁の会場だった。イングランドにはもはや宿怨などないだろうけど何がしかの呪縛は解けたかもしれない。メキシコはこのスタジアムでは13年間負けたことがなかったそうだが記録が途切れてしまった。昨日のパラグアイに比べれば見ていて楽しく遥かによいチームだったメキシコ、ここで去るのは残念。次回こそ決勝Tで2度以上勝つことを。

7 Jul 2026

ワールドカップ。ラウンド16の3日目。


ポルトガルvsスペイン、0-1。

攻守が入れ替わり、惜しいシュートも多々あった拮抗した試合だったように思える。ポルトガルが勝ってもおかしくはなかった。延長戦かな、と思えた後半アディショナルタイムに決勝点が生まれる。

スペインのメリーノが相手コート中央でファウルを受け、すぐにリスタート。左近くにいたファビアン・ルイスに預けて前に走りだす。ファビアン・ルイス、すぐ後方のアレックス・バエナにボールを下げ、バエナは走り込んだメリーノと並ぶ位置にいたフェラン・トーレスにボールを出す。左、後ろ、前、と動いたボールに中央のポルトガル守備陣が二人誘い出されたところで、フェラン・トーレス、その二人のあいだを抜き、DFラインを超える寸前のメリーノにスルーパス。これをメリーノ流し込む。

リスタート時、ポルトガルのDFラインの両端は、それぞれスペインのヤマルとククレジャが張っていたので中に絞れなかった。メリーノもファビアン・ルイスもフェラン・トーレスもみな後半半ば過ぎに交代で入った選手。それまでいた選手が今一つなのではなく、体力集中力に余裕があったからかもしれないが、ともあれ交代策が見事にはまった得点。

ポルトガルは左サイドバックのヌーノ・メンデスがスペインのヤマルをよく抑えていた。しかし55分に負傷交代。このあたりからポルトガルはやや劣勢になっていたかも。クロアチア戦ではラフプレーが目だったジョアン・フェリックス、この試合ではわりとクリーンに走り回っていた印象。クリスチアーノ・ロナウド、得点こそなかったけどとくに前半には目立つタイミングがあった。これで彼のワールドカップ遍歴は終了。負けた後は多数の選手がなかなか試合後インタビューに答えないなか、彼は丁寧に応対していた。有終の美。


アメリカvsベルギー、1-4。

結果をまず知り、それからダイジェストを見る。アメリカのサポーターを除く全世界のフットボールファンの大多数が、正義が行われた、と実感したに違いない試合。

アメリカのエースストライカーのバログン、前のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でレッドカードを貰い今試合は出られないはずなのを、試合二日前の5日にFIFAが”試合出場禁止を一年間の執行猶予”とすると声明。ベルギーのみならず世界中が仰天、聞けばアメリカの最高権力者がFIFAに連絡したのだという。ワールドカップの試合直前にここまで露骨な政治介入をするとは。

しかし画策した結果は上記の通り惨憺たる有様。無理筋を通して出させたFWは無得点、繰り返される失点時の守備は小学生並みとの評価も。ベルギーは2G1Aのデケテラーレ劇場が繰り広げられ、後半アディショナルタイムにはルカクのダメ押し弾と、ベルギーの良さばかりが目立った試合に。

アメリカは、バログンは出られないけれど団結して頑張ろう、という檄を飛ばすべきだったと思える。権力者もサポーターも。そういう方向に思考が向かず、「自分たちには力がある」とばかりに都合よく物事を捻じ曲げようとするのが昨今のアメリカなのだろう。


三頭山の都民の森にクマが出て、追い払おうとした登山者が10mほど滑落したとか。クマによる直接の被害はなかった模様。子グマだったそうで、母グマまで出てきていたら滑落では済まなかったかも。熊鈴を持参していたかは報道されていない。熊スプレーは奥多摩でも必須になってくるか。

8 Jul 2026

ワールドカップ。ラウンド16最終日。

アルゼンチンvsエジプト、3-2。

結果のみ。3-0か3-1くらいかと予想していたので、スコアを見て驚く。しかもエジプトが2点先行していたと知ってさらに驚く。後半終了間際の13分間でアルゼンチンが3点取って逆転。今回、メッシは一次リーグのオーストリア戦に続いて前半のPKを失敗したという。弘法も筆の誤り。これが逆転攻勢が遅くなった理由のひとつかも。

試合全体のシュート数を見るとエジプトの枠内数は2なので、アルゼンチンがエジプトのサッカーに慣れた後は押し込まれたか、自分たちから守りを固めにいったのかしたのだろう。アルゼンチンの2点目はメッシ。これで今大会の得点は8に。エンバペとハーランドが追っているけれど、常に一歩先を行っている。

スイスvsコロンビア、0-0、PK4-3。

いずれが勝ってもおかしくなかった試合。シュート数はスイスの7に対してコロンビア15と倍以上だが、枠内シュート数はスイス2のコロンビア3と大差ないうえにそもそも少ない。対照的にパス数はスイス567にコロンビア504と双方とも500台。ファウル数がまたスイス23のコロンビア21とかなり多い。お互いにパスを繋ぎまくり、それを止めまくり、決定的なシュートを簡単には撃たせないという試合の姿そのままの数値。

延長戦でもその状態が続き、PK戦へ。先攻コロンビア二人目がポストに当て、スイス三人目がバーを越える。しかしスイス、コロンビア四人目をGKコベルが止め、蹴っては四人目、五人目が冷静に決め、なんと自国開催の1954年以来72年ぶりという8強に。なおこの当時は参加国が16か国だった。今大会でわずか1失点しかしていなかったコロンビア、最後の最後で粘れず残念。なおその失点はウズベキスタン戦でのもの。ポルトガル、コンゴDR、ガーナとの試合では無失点。

この試合でのスイス、残念ながら期待の若手のマンザンビは体調不良とのことでベンチにも不在。彼がいた状態での試合を見てみたかった。


さて8強の地域別の数は;
欧州は出場15か国、16強7か国中、通過は6。敗退は1(欧州対決でポルトガル)。
アフリカは出場10か国、16強2国中、通過は1。敗退は1(エジプト)。
南米は出場6か国、16強4か国中、通過は1。敗退は3(パラグアイ、ブラジル、コロンビア)。
北中米は出場6か国、16強3か国中、通過は0。敗退は3(カナダ、メキシコ、アメリカ)。

北中米勢が一気にいなくなり、南米勢が予想以上に減った。8強の壁はとにかく高い。この敗退チームの顔ぶれを見ると、日本は第一目標は決勝トーナメント初戦突破、次の目標は8強、とするのが現実的だと思えてくる。(日本はブラジルに負け、昨年秋の親善試合でアメリカとメキシコに勝てなかった。)
ところで今回の欧州勢は強い。だんだんEUROっぽくなってきている。明後日からの準々決勝4試合中、2試合は欧州勢同士。なので最低でも半数の2チームは4強に残る。決勝戦はアルゼンチンvsモロッコになるかもしれないが。

9 Jul 2026

ようやく訪れたワールドカップの試合のない日。一日穏やかに過ごす。

西日本では梅雨が明けつつあるそうな。まだの関東地方も本日は暑そうな天気。 夏場の気候に身体を慣らしに行かなければと思いつつ、出不精が身に付きつつあるこの一ヶ月。

10 Jul 2026

ワールドカップ。準々決勝。第一戦。

フランスvsモロッコ、2-0。

前半、フランス攻勢。前半だけでシュート13本、枠内4。モロッコはエンバペのPK含めてその全てを防ぎまくるが、自軍のシュートは終盤の一本のみ。後半に盛り返すのかと期待していたが、HT直後こそ優勢になったものの10分たたずにフランスの逆襲が始まる。

先制点は60分だった。モロッコ陣内の左でラビオがボール奪取。手前にいたドゥエに渡し、ドゥエはさらに少し手前でDF間に立っていたエンバペへ。エンバペが持ったことで圧をかけるのではなく下がって警戒モードに入ったDF、エンバペの動きに股抜きを警戒して脚を閉じたところ、その右をかすめてシュートを撃つ。ボールはゴール右隅へ。エンバペやはり上手い。これでメッシに並ぶ8得点。

その6分後に追加点。今度はデンベレ。センターラインの右辺りにいた(おそらく)オリーセがセンターサークル付近にいたエンバペにパス、エンバペこれをすぐ左のデンベレへ渡して二人してモロッコゴール目指して走りだす。エンバペ、隣のデンベレの前を横切るように左に出て相手DFを絞らせず、デンベレ、間の空いたままのDFラインを縫ってペナルティボックス手前でシュート。GKボノが触ったものの、勢いのあるボールはそのままネットを揺らす。デンベレもこれで通算5得点。

6分間で2点取ったフランス、直後のハイドレーションブレイクから後はアフリカ王者をいなす試合運びに。モロッコはシュート5本、枠内1本という成績だった。終わってみればフランスの強さが際立った試合。誰もが上手いが、今試合はラビオの冷静さが目だった。プレスを受けてもまるで慌てない。心のありようも技術なのだろう。

なお、エンバペの失敗したPK、「PKだよ」と主審に言われてPKスポットに行ったら「待て、確認中」と言われて2分待たされたという。本日のアルゼンチン人の主審は全体に問題なく試合を捌いていた印象だけど、ここだけ首を傾げさせられた。VAR担当がもたついていたのかもしれない。

11 Jul 2026

ワールドカップ。準々決勝。第二戦。

スペインvsベルギー、2-1。

ティーレマンスがウォーミングアップでトラブルがあったとのことで急遽欠場するベルギー、デブライネが先発するもののスペインに押され気味。先制は30分にスペイン。ダニ・オルモのシュートをクルトワが弾いた先にいたファビアン・ルイス、DFの股を抜いてゴール。クルトワも届かず。

これは勝つのはスペインかな、なにせ前回大会からここまでワールドカップでは無失点継続中、ベルギーが点を取るのは難しそう・・・と考えていること10分少々、右サイドからカスターニュが上げたクロスにゴール前で身体を投げ出すデケテラーレ、スペインのクバルシとの競り合いに勝ってヘッドで同点弾、ベルギー、試合を振り出しに戻す。スペインは前回大会で「三苫の1ミリ」から田中碧が奪った得点以来ワールドカップで無失点だった記録が途切れることに。

後半、終盤にベルギーに衝撃。80分にクルトワが負傷交代。前線の選手を4枚も交代して圧を強めるスペインに若きGKラメントは対応できるか・・・と懸念していたところ、最初のシュートストップでファンブル、これを詰めていたメリーノに決められてベルギー勝ち越される。取りそこなったシュートを撃ったのはクバルシだった。失点を取り返した格好。

沸き立つスペインサポーターと沈痛なベルギーサポーターが見守る中試合は終了。フランス同様、優勝候補と言われるチームが4強に。準決勝ではこの両国が対戦する。とうとう来るか決戦の日が、というところ。

ベルギーはティーレマンスとクルトワが90分元気な状態での試合を見たかったが、これが連戦の続くワールドカップ。終盤になればいろいろ故障が出てきてしまう。明日のアルゼンチンvsスイス戦ではスイスのマンザンビはあいかわらず出場できないらしいし、イングランドvsノルウェー戦ではイングランドのライスも出られるのかどうかとか。本日の試合終了後にはクルトワとスペインGKウナイ・シモンがにこやかに会話していた。「どうしたんだ、内転筋か?」「そうなんだよ、まさかここで来るとはね」。クルトワだけに。想像です。

12 Jul 2026

ワールドカップ。準々決勝。第三戦+第四戦。

ノルウェーvsイングランド、延長1-2。

後半もあと残り10分というところから見た。1-1の同点。聞けば前半のうちにノルウェーがシェルデルップの得点で先制し、同じ前半のうちにイングランドがベリンガムのゴールで追いついたという。しかし残す時間が僅かのところでノルウェーがイングランドを押し込み続けている。ここまでのイングランドの枠内シュートは得点になったベリンガムの一本のみだとか。このまま延長戦にもつれこんで、ひょっとしたらノルウェーが4強になるのでは?

そして実際に延長戦にもつれこんだのだったが、早々にイングランドが大攻勢。88分に交代で入ったロジャース、DFの間を抜くミドルシュートを撃つもノルウェーGKニーランが弾く、しかしそこにベリンガム。跳ね返りを押し込み、イングランド逆転。ベリンガムこれで大会通算得点が6点となりケインに並ぶ。本当に今大会は点を取ってほしい人が点を取る大会だなと。

反撃に出ようとする北欧のチームだったが頼みのハーランドがかなりの体調不調。試合開始からこんなだったのだろうか、いつも以上にゆっくり歩き、イングランドDFへのプレスなど望むべくもない。相当に具合が悪かったらしく、さすがの怪物も延長後半に入る際に交代。代わりに入ったラーセンはよく走ったものの得点には結びつかず、ノルウェー8強で28年ぶりのワールドカップを終える。

底力を見せたイングランド、試合後にはいつものようにオアシスのワンダーウォールを選手サポーターともに合唱。今日はそのあとにビートルズのヘイ・ジュードのリフレイン部分を。本試合殊勲のジュード・ベリンガムに感謝と敬意を表して。

昨日のスペイン・ベルギー戦でティーレマンスが元気でクルトワが最後までピッチに立てていれば・・・と思えたものだが、ノルウェーにしてもハーランドが最後までいつも通りであればどうなったことかと思わずにいられない。しかしこのチームはハーランド一人で成り立っていたわけではなく、だからこそ四半世紀以上も大会から遠のいていながら8強にまで。大会を大いに盛り上げてくれた。

アルゼンチンvsスイス、3-1。

結果のみ。アルゼンチン、試合開始早々に先制。スイス、後半に同点に追いつくも、直後にエンボロ、シミュレーションで退場。10人になってしまったスイス、延長に持ち込む頑張りは見せたものの、延長前半と後半それぞれで失点。本日メッシには得点はなかったものの、アルゼンチンの点取り屋はメッシだけではないことを改めて知らしめた結果に。スイス、90分では負けなかったわけで、退場が無ければなぁと思わせる。エンボロほんとになにやってんのか。退場時に本人は大泣きしたらしいが。

さてこれで4強出そろう。フランス、スペイン、イングランド、アルゼンチン。番狂わせのない、大会前から優勝候補と広く認められた国々ばかり。準決勝はフランスvsスペイン、イングランドvsアルゼンチン。さてどうなることやら。

14 Jul 2026

連れの実家の岡山に帰省中。帰省ついでに岡山市北区の龍ノ口山に登る。

15年前の正月に連れと岩場の続く八幡宮西尾根コースを登って「なかなか愉しい山だ」と印象付けられた山、先月の6月14日放映の『にっぽん百低山』に地元が郷里の有森裕子をゲストとしてこの山が取り上げられ、その際八幡宮西尾根登山口にカフェ風の山小屋ができていることを知った。熱意ある人々の手で造られたその名も龍ノ口小屋、ぜひとも行ってみたいと連れともども暑熱のもと足を運んだのだった。

しかし残念なことに小屋は火曜と水曜が店休日。山雑誌が並べられ、お土産コーナーにはオリジナル手ぬぐいらしきが置かれているのが閉まっているドアの窓から眺められるだけ。下ってきてここでコーヒーなど飲みたかったのだけれど、後日を期すことにして八幡宮コースを登りだす。

龍ノ口山はいくつかのピークで構成される山塊で、最高点である本峰の北側にあるものには山頂に八幡宮という受験の神様が祭られてる神社がある。そのピークに登り上げる八幡宮西尾根コースは最も登られているコースとのことで、ほぼ岩場続きで足元が滑ることも崩れることもなく爽快に登れる。ただしそれは涼しく晴れた季節の話で、今の季節、日を遮る植生がないので昼前から登り始めたりすると強烈な日差しの直撃を食らい続ける。標高が300mに満たない低山なので暑いことこの上ない。眺望はよいので、振り返って遠く見下ろす旭川の水面がいくらかの涼を感じさせてはくれる。

文字通り汗を垂らしながら30分ほどで登り着いた真夏の昼の八幡宮は正月と異なりひと気がなく、二人ほどいた神職のかたも社務所窓口を離れて掃除に精を出されていたようだった。どっしりとした拝殿の前に広がる境内広場の片隅には緑陰のベンチがあり、あまりの暑さに連れと二人、登りにかけた時間以上の休憩時間をとって水分と塩分の摂取にいそしみ、ベンチで横になって両手を宙に挙げ、かすかに流れる風に涼しさを求めたりしていた。

再訪でもあり、なにより暑かったので山頂は割愛し、本峰との鞍部から段原沢コースを下って登山口に戻った。一時間少々しか歩かなかったが、ひと月半ものあいだ引きこもり生活をしていた身にはリハビリ山行として十分だった。麓にある旭川荘という医療施設群のなかにリーズナブルな価格の食事処をみつけ、遅い昼食かたがた改めて塩分補給。冷房のきいた店内でのラーメンはおいしかった。

15 Jul 2026

ワールドカップ。準決勝第一戦、フランスvsスペイン、0-2。

結果のみ。最強の矛と最強の盾との戦いは、盾の勝ち。フランスは良さが全く出せず、スペインの良さばかりが出た試合だったとのこと。スペインは枠内シュート2本で2得点。1点目はオヤルサバルのPK、2点目はDFのペドロ・ポロが攻めあがってのシュート。フランスはスペインよりシュート数も枠内数も多いながら無得点。このゲームは守備力比べだったということか、守り上手のチームはなかなか負けない。

一方のフランス、アシスト連発のオリーセが絶不調、守備の要のサリバが途中交代と、連戦の疲れが先に出てしまったか万全とは言い難かったらしい。準々決勝で不調者が続出していたのを見るにつけ、48か国に増やして試合数が増え大会期間が長くなったことが各チームの実力発揮に影響しているように思えてくる。総力戦とか、単なる選手個人の問題とかで片づける話ではなく。64チーム化?論外。

さてこれでスペインが決勝に。スペイン嫌いの共同開催国、余計なことをしないでほしいところ。

16 Jul 2026

ワールドカップ。準決勝第二戦、イングランドvsアルゼンチン、1-2。

結果のみ。前半40分にゴードンのゴールで先制したイングランドだったが、試合終了間際の85分にエンソ・フェルナンデスの得点で追いつかれ、後半アディショナルタイムにラウタロ・マルチネスのゴールで逆転される。アルゼンチン、エジプト戦に続く終盤での逆転劇。メッシが点を取らなくても勝てる。イングランドはケインもベリンガムも不発。悲願の二度目の優勝はまた持ち越しに。フランスとの3位決定戦にまわる。

さてこれで決勝はスペインvsアルゼンチンというかつての新旧大陸同士の試合に。フォークランド紛争の因縁のあるイングランドを倒したアルゼンチン、次は旧宗主国が相手。国同士となるといろいろ歴史的な関係が思い起こされる。反骨心が湧く方が普段の実力をさらに強化するのでは。スペインは堅いけれど、アルゼンチンが勝ってメッシが単独得点王になるのではないのかな。

19 Jul 2026

連れの実家の岡山に帰省のついでで、四国の愛媛県に足を延ばす。初日に回るのは石鎚山の周辺。翌日に四国最高峰を登る予定のため、麓にある前神寺、石鎚神社本社と訪ね、山を越えて高知県に出て、石鎚神社土小屋遥拝殿にまで。

前神寺はお遍路の寺でもあるので白装束の遍路さんが目立つ。土小屋までは石鎚神社本社から二時間かかった。その後半は一車線幅の道路を小一時間も辿ることとなり、ちょうど山から下ってくる車が多くなる時間帯だったのですれ違いに苦労した。到着した土小屋は夕方なのにまだ駐まっている車が多い。遥拝殿周辺から石鎚山を遥拝できるかと期待したが、ガスが山上部を覆っていて山頂の方角すら判然としなかった。


ワールドカップ。三位決定戦、フランスvsイングランド、4-6。

ダイジェストのみ見たが、誰がこんな結果を予想しただろう。両チーム合わせて10得点。しかも前半は0-4でイングランド圧勝。開始3分でデクラン・ライスが先制し、18分にはコンサ、37分と前半アディショナルタイムにサカ。ケインもベリンガムもベンチスタートでこの結果。フランスなにやってんだ。やる気あるのか。

やる気を取り戻したフランス、後半に怒涛の反撃。前半のイングランドと同じく、後半開始3分でエンバペがまず1点、54分にはバルコラが、66分には再びエンバペが加点して1点差に。

さて三位決定戦はここからがまた面白くなる。87分にイングランドがPKを得てサカがこれを決め、3-5に。サカはこれでハットトリック。サカの得点力も侮りがたい。2点差とされたフランス、後半アディショナルタイムにデンベレが得点。4-5に。試合終盤になっても点を取りあう両チーム、もう笑ってしまうしかない。その後半アディショナルタイムにさらにまた点が入る。それはイングランドにだった。後半78分に投入されたベリンガムが、じつに冷静に、フランスゴール前を横切るようにドリブルして股抜きシュートを決める。フランスの反撃意欲を削ぐ6点目、そして試合終了。イングランドが3位、1966年の自国開催での優勝以来の最高成績。

負けたもののフランスも数々の記録を作る。まずエンバペは大会得点数が10に届き、1970年大会のドイツの"爆撃機"ミュラー以来の大会二桁。しかも現状8得点のメッシを抜き、暫定得点王。また、エンバペ2得点のアシストを決めたオリーセ、これで今大会アシスト数は7を数え、こちらも1970年大会でのペレの6アシストを抜き最多に。三位決定戦は無意味との評が後を絶たないし、決勝に行けなかった悔しさから無気力になる可能性も言われるが、開始の笛が鳴り響くと俄然試合は白熱していく。やはりみな勝って帰りたいのだろう。連敗してしまったフランスは気の毒だが、これを将来の糧としてまた強くなった姿を見せてほしい。とりあえず2年後のEUROは期待しています。

20 Jul 2026

本日は予定通り石鎚山へ、山上ロープウェイ駅から往復。

ロープウェイを降りて20分ほどで”成就”と呼ばれる石鎚神社成就社とその周囲に宿が立ち並ぶ場所に出る。成就社では白装束の信者さんたちが熱心に読経しているのが目についた。宿は何軒かあるのだが、営業しているのはどれくらいなのだろう。今月初旬にあったという大祭のときだけ、という宿もあるのかもしれない。

成就を後にするとすっかり山道に。成就は広く平坦なピーク上に開けた場所だったらしく、まずは下っていく。登りに転じてしばらくすると”試しの鎖”という鎖場が現れるが、のちに連続して出てくる一から三の鎖に備えて体力温存のためパス。これは登って下るという鎖場で、下ったところに前社森休憩所という小屋があり、生姜湯の”あめ湯”が名物とされている。コップ一杯500円の冷やしあめ湯をいただく。じつにおいしい。

そこから15分ほどで一の鎖。初級レベルとされる33mの鎖場で、これはなんなく登れる。そこからさらに15分ほどで二の鎖。出だしこそ一の鎖かそれ以下に思えるものの、途中から腕力も使えば足場も怪しくなる。三の鎖は見上げるだけでイヤになる68mの鎖場で、なにせ上半分の途中など鎖がハングした岩から宙に垂れている。鎖の巨大な輪なり、その輪からぶら下がっているトライアングルのような三角の鉄枠に足先を突っ込んで身体を持ち上げなければならない。二の鎖で無理なムーブを繰り返したせいで三の鎖は途中で疲れてしまい、ちょうど中間点にある平坦な岩場に退避して体力の回復を図る羽目に。

朝のうちは瀬戸内側からでも石鎚山の稜線全てを見上げられたのだったが、昨日同様に雲がかかってしまい、三の鎖を登り上げて弥山頂上に出た時は刃のような姿の天狗岳はガスの中だった。石鎚神社頂上社に詣でるさなかからときおりそのガスが吹き払われるようになり、深い谷間を隔ててそばだつ二の森が見えてくると、天狗岳も鋭利な姿を何度か現すようになる。そうでなくても四国最高点、いや近畿以西の最高点へは行ってみるつもりだった。岩稜を辿って積み重なる岩の上に小さな祠の建つピークへ。瀬戸内側にあたる稜線北側はあいかわらずガスで何も見えないが、南側の谷間はそこそこ晴れ、ところどころ鋭鋒をそばだてた厳しそうな稜線がよくやったねと言ってくれている。念願の石鎚山の最高点、本日ようやく。

昼ちょうどに弥山に着き、天狗岳を往復してさらにまた休憩したので、弥山を下り始めたのは午後1時過ぎだった。山頂に憩うハイカーの数もやや減ってきていた。登りでは義務と感じていた鎖は、下りはすべて巻き道を辿った。この巻き道、三の鎖や二の鎖のものは文字通りの絶壁に工事現場にあるようなものを掛けたもので、足元を見ると隙間から真下に木々の頭が見える。しかも上り下りの通路が分かれているのはよいのだが、下りは谷側で、上り下りの中間にはある手すりが谷側にはない。床面は平坦で切れ落ちているので、足を踏み外せばそのまま遥か下まで自由落下である(だから中央にある手すりは必ず持つようにしないといけない)。鎖を下るよりはこの巻き道のほうが楽なことは楽だが、なかなか緊張感のある巻き道であることも確かだ。さすが役行者も開山するに苦労したという修験の山、楽には登りも下りもさせてくれないのだった。


石鎚山は久しぶりに登った賑やかな山だった。三連休の最終日なので、昨日よりは人出は少なかったかもだが、それでもかなりの人が登っていた。まだ未就学ではという子供を連れた親子連れもいれば中高年ハイカーもいるが、名のある山のせいか若い人たちが目立った。挑戦心を掻き立てる山なのだろう。休憩ポイントではまたいろいろな話が聞こえてくる。香川県在住の外国が出自のかたは、もう10回も石鎚山に登っていると。二人のお孫さんらしきを連れた80台に見える女性は、試しの鎖は子供のころはひょいひょいと登っていたと。このかた、試しの鎖は登らなかったが、一の鎖は三人そろって取り付いていた。


この春に播州で肉離れになったが、石鎚山でも二の鎖を上がる前に両足のふくらはぎに似たような痛みが走りかけていた。脚を延ばす分にはよいのだが、踵を引き上げてふくらはぎを縮めると危ない。鎖場はなんとかやり過ごし、弥山頂上に出て頂上社に詣でた後、頂上山荘に直行して山値段のスポーツドリンクを買って半分以上飲み干した。塩分は持参してきたのだったが、すさまじい勢いで出る汗にミネラル欠乏を補うスピードが追いつかなかったのかもしれない。復路の前社森休憩所でも同じものを買って飲み、そのおかげでか、なんとか山行を終えることができたのだった。


ワールドカップ。決勝、スペインvsアルゼンチン、1-0。

結果のみ。まさに結果だけ見ると、シュート数が20対3、枠内に至っては11対0。アルゼンチン、0。現在のスペインの守備強度はいったいどうなっているのか。しかしそのせいでか、アルゼンチンも守備に力を削いだのか、90分通して0-0。延長前半にスペインのフェラン・トーレスが先制点を挙げ、これが決勝点。昨日の派手な三位決定戦とは真逆の神経戦っぽい試合だったようだけど、まずは負けない、というところから入るとそうなるのかも。メッシこの試合でも得点できず、得点王はエンバペの手に。三位決定戦がなければ並んで得点王だったのだけど、三決は四強へのご褒美なので仕方なし(と自分は考えている)。

さてスペインが優勝したわけだが、その優勝セレモニーにみっともない自己顕示欲をまき散らして水を刺す共同開催国の権力者、スペインのトロフィーリフトの場から動こうととせず。イランとの戦争で「あなた方が始めたんでしょう、これは我々スペインの戦争ではない」として協力を拒絶されたのに逆切れし「スペインなど見たくも聞きたくもない」とか言っていたのにこの無節操な体たらく。バログン問題でのコメントで海外の誰かが「あのman child」と言っていたのが目についたものだが、本日山から下ってニュースを見るにつけ、改めて実感させられることに。

21 Jul 2026

昨日石鎚山から帰ってきたところですでに翌日の今日は休みと決定。しかし宿に滞留するのも勿体ないし、かといって歩くには暑すぎる(朝に少しだけ宿周辺を歩き回ったが、30分くらいで音を上げた。本日の新居浜市の最低気温は28度)。なので車で神社巡り。まずは宿のありかの新居浜市で神社と言えば、一宮(いっく)神社。知らないとつい”いちのみや”と呼んでしまって失礼なことに。ついで隣の西条市を再訪し、石鎚山にゆかりがある伊曽乃(いその)神社。某国民的アニメとは無関係。境内正面のクスノキは実に見ごたえあり。この二社は一の鳥居からの参道が長く、駐車場は拝殿近くにあるものの二の鳥居からでも歩けばその大きさを実感できる。さらに足を延ばして石岡八幡宮へ。本殿の背後が雑木林になっていて散策できる。参道も里にありながら山中の雰囲気で、ハイカーとしては親しみやすさは高かった。

まだ時間は余っているので、別子銅山観光のさわりでもとマイントピア別子という道の駅へ。別子銅山の観光坑道や観光トロッコ列車に温泉施設まであるが、見どころは明治45年竣工の水力発電所。道の駅本館と深い谷川で隔てられた岩盤上に建ち、洒落た煉瓦造りの建物が保存されているばかりでなく、内部には当時の設備が残っていて無料で見学できる。炎天下に汗を流しながら川向うまで大周りの橋を渡って行くだけの価値はある。電力を生成するペルトン水車と放水口がかつての放水路内部から見上げられるなんて驚異的。もしこの瞬間に当時にタイムスリップしたら、次の瞬間に強烈な水流に押し出されて川面の遥か上の中空に放り出されているところ。

22 Jul 2026

伊予富士を旧寒風山トンネル南口から往復。

「せっかく愛媛に来たのだから石鎚山だけではもったいない」をなんとか実施。旧トンネル南口には駐車場があり、そこから桑瀬峠に小一時間で登り上げ北に向かえば寒風山を経て笹ヶ峰まで3時間弱、南に向かえば伊予富士まで1時間半。近隣の他の山々も検討したものの、石鎚山で疲れた身には伊予富士の所要時間が程よいものに思えてこれを登ることにした。

桑瀬峠から始まるルートは、成就から往復の石鎚山では見られなかった笹原の稜線漫歩を堪能できる(寒風山を越えれば笹ヶ峰へも同様らしい)。日を遮るものが無いので暑いと言えば暑いのだが、夏雲の下に霞む遠くの山々は青いシルエットとなり、ガスが漂う近くの山々は谷間が深く、このあたりはさすがに岡山や香川の海側の山々とは違う高山の趣きがある。ただ足元を巡る林道からエンジン音がときおり上がってくるのは深山の雰囲気を損なって興覚めではある。

静けさが戻りさえすれば、稜線を越えていくガスの動きを眺め、ときおり漂ってくる涼気を感じられれば気分は悪くない。そのガスが晴れ上がって姿を現す伊予富士は、一見どこが富士なのかと思わせる無骨な姿だった。伊予富士という山体は目立つピークだけでも5つあり、そのうち一つは関東の吾妻渓谷にある丸岩のような岩塔だったりする。これら五つの峰頭が左右に並んでこちらを見下ろしてくるものだから、実際の標高以上に威圧感が感じられてしまう。見ごたえある姿で、三百名山に数えられるのも頷けるというものだ。

笹原のなかを行く歩行は暑いとはいえ快適だったが、山頂直下の登りは標高差100メートルほどとはいえなかなかの急登で、復路で行き合わせた方から四国三大急登の一つと教えられたのも納得のものだった。飛び出した先の最高点は小広く開けて四囲の展望がよいが、肝心の石鎚山方面だけはまるで動こうとしない厚い雲の塊に遮られて全く見えない。それでも初めて目にする山々の姿、すぐ近くの山腹に広がる笹原の輝き、深く落ち込む谷間の陰影に飽きることはなく、やや早めの到着だったので誰もいないままの山頂で一時間も休憩した。そのさなか、石鎚山では飲めなかったコーヒーを湯を沸かして淹れて飲んだ。ようやくいつもの山の気分に浸れた気になった。


平日の今日、伊予富士で出会ったのは単独ないし二人連れの5組だけだった。駐車場の車の台数からすると笹ヶ峰へはやや多いくらいが向ったのではと思える。その二百名山へは涼しくなってからかなと思うのだが、日も短くなるので悩ましいところなのだった。


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