Preface/Monologue2012年 1月


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ここまでのCover Photo:奥多摩・御岳ロックガーデンにて
1 Jan 2012
連れの故郷である岡山に帰省中。
風邪はおかげさまで治癒傾向。
新幹線の車中はさすがに厳しかったですが・・・

大晦日には映画『ニューイヤーズ・イブ』を。
物語半ばでヒラリー・スワンクが言う、
新しい年を迎える前に、来し方に思いを馳せてから、新しい年を迎えよう、
みたいな演説に、この国の住人としてあらためてものを思います。

映画自体はわりと気楽な群像劇。楽しんで観ることができました。
ロバート・デ・ニーロ、ハル・ベリー、ミシェル・ファイファー、
その他将来有望なのだろう若手に混じって、
ジョン・ボン・ジョビまで出ていたのには驚き。
なにせ事前知識なしで観たもので。

元旦は午前中から連れの実家近くの里山に、
往復二時間の山歩き。
山中を歩いているだけで愉しい。
まだ本調子でないので帰宅してすぐに寝てしまいましたが。

 児島湾を見下ろす下山の道
4 Jan 2012
連れの実家近くの山を再び訪問。
本日は風強し。昨日に続いて、
この日も岡山の町中では雪がちらついたとか。
海近くの山とはいえ強風が稜線を吹き越し、
冬らしい天候の一日に。

下って実家へ帰宅途中に食べた讃岐うどんが美味でした。
怒塚山温泉の楠石荘は解体され、
跡形もなくなっていたのが寂しくはありました。
5 Jan 2012
帰宅。
昨日までがUターンのピークかと思いきや、
明るいうちの新幹線はまだ混雑していたようで。

夕暮れに富士山の裾野を通りましたが、
赤富士と併せて、鈍朱色に染まる愛鷹連峰が美麗でした。
車内にシャッター音が響いてましたが、
富士山ばかりが被写体だったのでしょう。
8 Jan 2012
連れの知り合いが働いているので会いに行くとのことで、
二人して初めて訪れた東京ディズニーシー。
この季節だというのに、三連休中日だからか、人出はなかなか。
(駐車場が満杯というわけでもないのに)

昼過ぎに入園して半周したところで日暮れ時に。
寒くなる園内をともかく一周。
夕景がとりわけキレイでしたよ。
山もあります
噴火もします
15 Jan 2012
朝、さて山に行こうかと窓を開けて外を見たら、気の乗らない空模様。
なので布団に逆戻り。


再び起きだし、NHKの日曜美術館など観てみると、
アメリカの画家、ベン・シャーンの特集。
社会派の視点を持ち、訴求力ある絵画を制作しつつ、
グラフィックアーチストとしても優れた作品を残した。

神奈川県立美術館葉山で展覧会を開催中とのことで、
連れとともに寒空の葉山へ。



シンプルな線で描かれる作品は、
簡単そうに見えてじつはかなり丁寧と見た。
晩年の「リルケの『マルテの手記』より」は、
哀しみと慈しみが同居しているようにも。


葉山訪問のついでに美術館向かいに立つ三ヶ岡山にも登り、
少々運動不足を解消したつもりに。
とはいえそのすぐ後、
贅沢なプリンを食べたので帳消しかも。
18 Jan 2012
最新号の『山と渓谷』、第一特集が山岳遭難、
これだけでも手元に置くべき価値がありますが、
第二特集は『箱根』。
そう箱根には山があります。皮肉でなく。

西側外輪山のトレースの魅力や屏風山の急傾斜への注意など、
自分が未踏のコースの記事は役に立ち、興味をそそられます。
記載の地図には知らないルートも赤線表示されていて、
ぜひ辿ってみたいものだと。

ちょっと残念なのは、箱根の生成に関する記事で、
かつて単一の成層火山がそびえており、
これが陥没してカルデラができた三重式火山である、
とされていること。これはすでに旧説の部類。

(地質調査に基づいた最新の研究成果では、
ぼこぼことたくさんの火山があったのが徐々に陥没したらしいです。
まだ人口に膾炙するまでには至ってないようですね)
22 Jan 2012
山にはちょっと、という天候だった土日。
けっきょく家から一歩も、いや一歩だけしか、外に出ず。
新聞を取りに出たのみ。

久しぶりの降水に、積雪を増やした山もあることでしょう。
かたや、スイセンなど咲かせて、早々と春を待つ準備を始めた山もあるでしょう。

冬はまだ続く。
25 Jan 2012
自分の古い記録を読んでいたら、
2004年に奥秩父の笠取山など登りに行った折り、
ヤスデの大群に遭遇したとあった。

8年周期で大発生する連中だとある。
次は2012年だ、忘れないようにしよう、と書いてある。

すっかり忘れていた。

8年なんてあっという間だ・・・
28 Jan 2012
山に背を向け、美術展を梯子。

まずは山種美術館の開館45周年記念である収蔵品展。
前期後期と別れている展示の後期。

速水御舟の『炎舞』奥村土牛の『醍醐』福田平八郎『筍』など観に。



「ザ・ベスト・オブ・」と銘打つだけあって、個々の作品は言うことなし。
実物は初見という絵が多かったですが、
阿吽の姿態で飛ぶ二羽の鶴を描いた杉山寧の『曜』はとくに気に入りました。
立体的な空気感まで描写されているようで、
こちらまで宙に浮いているような気がしてきます。

『炎舞』は二度目の対面ですが、
光と闇、生と死が凝縮した緊張感溢れる世界は変わりなし。
まるでどこかの小宇宙を覗いているかのよう。

夏の暑気に煙る尾瀬の湿原を描いた吉田善彦『池塘の晝』や、
冷えた光のなか、輪郭太い浅間山が画面を圧倒する加山又造『満月光』とか、
好天の休日に町中にいる身には思わず嬉しくなる絵も。

美術館は予想外に敷地が狭く、
加えて多くの絵を展覧するために会場の真ん中に壁をつくったものだから、
通路が狭くて。人もわりと入っていて、
大きな屏風絵など、人間に遮られて全体を目にすることができない。
少々ストレスが溜まる会場でした。

ともあれ、繰り返しになりますが絵はみなよかったです。
昨年末の前期期間中に来なかったのが残念。(仕事で多忙だったので・・・)
竹内栖鳳の『班猫』は実物を見たかった・・・


次に、豊洲にある平木浮世絵美術館へ。
”猫”に未練が募ったわけでもないですが、
猫の描かれた版画ばかりの企画展に惹かれて。

掲げられた版画は近世から明治初期まで。
江戸時代の猫はわりと凶悪顔が多い気が。
それでも丸い後ろ姿は今も昔も愛嬌があって。



展示品の中には、
浅草田圃酉の町詣』などという有名どころもあって、
来た甲斐があったというもの。

ところでこの美術館、
「館」というより「室」といったほうがよいかも。
なにせ展示室が一部屋なので。
29 Jan 2012
疲労と寒さと風の強さに負けて遠出せず。
代わりに地元の丘陵地帯を連れと無心に歩く。
数十メートルの丘でも何度も上り下りすれば、
獲得標高差が多少は増えて、それなりの運動に。

おかげで夕飯を食べたあと、
入浴前にかなり長いこと寝てしまう羽目にも・・・

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