5月26日 雨のち晴れ

目が覚めると、昨日までの青空とはうって変わってどしゃ降りの雨。

雨でテラス席が使えないので朝食ルームは満席で、メインレストランへ案内された。
おとといの夜は本来ならここだったはず。
朝のせいかここもあまり高級感はないけれど、夜になると違ってくるのかな。
天井をぐるりと囲むベネチアのガラスでできた花がかわいらしい。

毎朝テーブルを担当してくれた、トミー・リー・ジョーンズ似(映画「追跡者」の追いかける方の人)のおじさんや、コンシェルジェそのものといった風情のおじいちゃんとも今日でお別れ。

移動日はいつも雨。
途中、前が見えなくなるくらいの土砂降り。
さすがにこの大雨だとイタリア人もスピードを落として走るんだね。
それでも中にはぶっ飛んでくる馬鹿者もいるけど。
A10→A6→SS30
どんどん細くなっていく道でアックイテルメ(Acqui Terme)へ着く頃には雨はあがっていた。

アックイテルメに来た目的はもちろんテルメ。
ホテルにチェックインして、まず第一目的の温泉プールがどんなところか様子を見に行くが、ドアにBeautyFarmと書いてあるだけで中は全く見えず。
緊張しながらドアを開けると、まず受け付けカウンターがある。
中を見たいというと、にこやかな女性が全ての部屋を案内してくれた。

エステ系のプログラムの他にマッサージも充実していて、リフレクソロジーから指圧まであるのには驚いた。指圧は訓練を受けた坊主頭の男性がやってくれるとか(けっこう若い)。
SHIATSUは指圧だよね。REIKIは霊気?霊気って何のこと?気を入れるとかそういうこと?(検索してみたら、どうやらヒーリング系のマッサージらしい)
案内してくれた女性の娘さんは日本人と結婚するのが夢なんだって。
ホントかな。

施設の一番奥に温泉プールがある。
温泉プールは基本が36度で、硫黄のにおいがする。
コーナーによって温度の高いところと低いところがあって、高い所は薄暗い照明、ひくい所は外光が入って明るくなっている。薄暗い方が日本の温泉に近くて、くつろげる気がする。
ジャクジーになっていたり、床がボコボコして足裏を刺激するようになっていたり、水流がきつくなったり打たせ湯があったり。
貸し切り状態でのんびり楽しめた。

指先がシワシワおばあになるまで入って、休憩室で休む。
Yuは爆睡。
後から来たマダムは「美の全て」という本を持参。う〜ん気合いが違いますな。

プールは一人10ユーロで支払いはホテルのチェックアウト時でいいのだけれど、貸バスローブのデポジット20ユーロはその場で現金で支払わなければならないのだ。
プールに行くのにお財布等は持ってなかったので、わざわざ部屋まで取りに戻らなければならなかった。
宿泊客なんだから、その辺りはもっと考慮してくれないと。
バスローブを返却するともちろん20ユーロは返してくれるが、すっごく不便。

実はMiは日本からファンゴ(泥)テラピーの予約をFAXで送っていたのだけれど、最終の予約確認が来ていなかった。
案内の女性にファンゴテラピーのことを訊いてみたが、BeautyFarmにファンゴテラピーはないと言う。
もらったパンフレットにはBeutyFarmに15のファンゴテラピー専用室って書いてあるけど、確かに見せてもらった施設にはそんな物なかった。

フロントで訊いてみると、ファンゴテラピーが受けられる実際の場所はStabilimento Nuove Termeというホテルの裏側の建物で、一度ホテルを出なくてはならない。どうやらホテルとは予約の窓口も違うようだ。
ホームページにもホテルの中にあるみたいに書いてあったのに。
担当者に問い合わせてくれたが、連絡がとれないのでわからないと言う。
連絡がとれたら電話をくれるとのことだった。
もう面倒くさくて、どうでもよくなるMiであった。ほえ〜。

夕方から街に出かける。
商店街は早々と店じまいで、閑散としていた。
ホテル前の広場には大きな噴水がありとても清潔感がある街並みだけれど、人が少なくて寂しげ。

         

源泉がわき出ているLa Bollente
効能は耳の病気らしくおじいおばあは、高温の源泉にサッと指を浸して耳に当てていた。
恐る恐る真似しているMi。

月曜日が定休のお店が多いのだろうか。
めぼしい食事どころがみつからないまま、奥へ奥へと裏通りを入っていくと、ようやくそれらしいお店がある一画にたどり着いた。
おいしそうなアーティチョークの瓶詰めやポルチーニの量り売りをするお店がかたまっている。
ポルチーニの値段も様々。乾燥椎茸と同じでやっぱり高い方がおいしいのかな。

Trattoria Mazzini
パパのファリナータはおいしいよと書いてある子供の絵を使ったショップカード

前菜盛り合わせ(サラミ、メロン、チーズ、ブルーベリージャム、赤ピーマン)
スパゲティ・ポモドーロ、ソーセージグリル盛り合わせ、赤ピーマンオーブン焼き
ワイン、水  13.5ユーロ ファリナータ

黒板のメニューを見て注文する。
安いから期待してなかった前菜からしておいしかった。
毎回取り皿も持ってきてくれて、サービスもなかなか。

向かいのテーブルでおじさんが食べている、お皿に山盛りになった物がすごくおいしそうに見えた。
恥ずかしい気もしたけれど食べたい気持ちは抑えられなくて、お店の人に
「あれは何ですか?」と訊ねてしまった。
「ファリナータだよ」とふたりに一切れずつ味見をさせてくれた。

まわりはサクッ中はフワッとしていて、具の入っていない薄いお好み焼きのような。
ひよこ豆の粉を水で溶いてオリーブオイルで焼いただけのファリナータは素朴な味でおいしい。
そう言えば店頭の大きな鉄鍋で何か焼いていたけれど、あれがファリナータだったのか。
気がついてみると、まわりはみんなファリナータを食べているじゃないの。
自分は店内で食べて別におみやげ用を頼んでいる人もいて、このお店の名物なのね。
おいしいおいしいと食べていると、向かいのおじさんもとっても嬉しそうだった。

   

夜9時でこの人気のなさ。どこにも人が歩いてないよ。

Grand Hotel Nuove Terme ★★★★

http://www.antichedimore.com/Grandhotel/index.htm
90ユーロ

改装したてのロビーは重厚な雰囲気。
部屋は落ち着けるし設備の割に安い気もするけれど、館内表示がなかったりソフト面ではまだまだ。改装中らしいので、これから改善されるのかもしれない。

駐車場はホテルから3分ほどの建物の中。
予約時に駐車場が必要かどうか訊かれます。

BeautyFarmがお目当てらしい女性の1人旅、年配のカップルをよく見かけた。
割安な3日間、1週間のプログラムがあるので、思い切りきれいに磨きをかける旅も素敵そう。

毎回毎回、FAXの返事が遅かったのはここだけ。
(イタリアはいい加減とか言われているけれど、翌日には返事が来るところがほとんど。早いところでは数十分後ということも)
なので、泊まるかどうかはかなり悩んだのだが、ファンゴテラピーが受けたくて決めてしまったのだった・・・。部屋はシャワーのみ。