【過去の感想】
【今回の殴り書きメモ】
【今回の感想 】
(途中です)
- 個人的に、緊張感との戦い。
初演時(7回)、再演時(8回)と比べて、今回は観劇回数が少ないので、何一つ見逃したり聞き逃したりしたくない気持ちがあり、自然な気持ちで舞台鑑賞するのが難しかった。
- 個人的に、記憶と先入観との戦い。
たとえば、もうすぐ「旅立つ前に今一度」だと思うと、リトル・ピーターとの会話のシーンで気もそぞろになってしまう。
開幕前は忙しくて「ボーイ・フロム・オズ」について考える余裕がなかったので、6日は比較的マシだったかも。
「〜オズ」の良さを思い出して、初演や再演の頃の記憶を掘り起こしてしまったので、9日、13日は、以前の演出と比べながら見るような不自然な観劇になってしまった。
しかも、初演のインパクトが強くて、当時のイメージで各シーンが頭に刷り込まれてしまっているのが困りもの。 目の前の再々演では、心情がより細かく変化する肌理の細かい演技がされているのに。
- そして個人的に煩悩との戦い!?
素晴らしい脚本だし、共演者のかたも熱演なさっているし、アンサンブルの皆さんも演技を磨いていらっしゃるので、全体を見ようとするのだけど、…
坂本さんの立ち姿がステージに表われただけで、美しさに酔いしれてしまう どうしようもない坂本さんファンなので、あえて全体を見るのに努力が必要だった。
- 二階席の泣き笑い
「坂本さんのご指名争奪戦」のピリピリした空気と無縁だったのは良かったが、肉眼では顔の表情が見えないのは困った。 双眼鏡を使うと、どこに向かって喋っているかや、相手のリアクションが見えないし。 お顔は見えなくても、肩から発する感情のオーラのようなのは伝わるのだけど。
- 再演の大阪公演でも満足していたのに、想像を超えていた。
ミュージカル嫌いの人がよく指摘するような、ミュージカル特有の躁っぽい台詞まわしが、ますます なくなった。
- 日本版『ボーイ・フロム・オズ』の精神
再演、再々演と進むにつれて、芝居は細やかになったけど、初演時から、出演者がこの作品を演じる姿勢は一貫していると思った。
主役は作品
出演者も演出も敬意を持って作品を演じているので、ゲイや離婚、エゴや野心という三面記事的な事柄を扱っていても、上品な味わいがある。
坂本さん、紫吹淳さん、鳳蘭さん、今陽子さん、IZAMさん … パフォーマーとしてステージの中心に立てる人が、あえて、作品という主役の脇役にまわって、自分の個性を押し出すことより、ストーリーを演じることに専念している。
- メロディーのリズムを原曲通りではなく、語りかけているように歌うこともあった。
「この俺の別の顔」「旅立つ前に今一度」では、客席に語り聴かせるように歌っていた。
再演までは、ピーター・アレンさんのCDのリズムに忠実だったと思う。
リズムを崩していると言っても、歌の上手さをひけらかすようなヴィルチュオーゾ気取りではないので安心。
台詞を尊重して、日本語のリズムで語るように歌ったとしても
ピーター・アレンさんの原曲に忠実に歌ったとしても、
どちらの歌いかたでも、根底にピーター・アレンさんと作品を尊重していればOKだと思った。
また、コーラスが付いたところがある
効果はよく判らなかった。
- アドリブを廃止。
初演や再演時にあったアドリブがなくなった。
(第一幕のライザのリハーサルのあとや、第二幕のアロハ・シャツを見たディーのせりふ、ラジオシティーのあとのグレッグのせりふ,etc. )
ラジオシティーの前のアドリブは、毎回「日本古来のパイプもあるしね」で統一。 でも、その後に男性ダンサーを見る目つきは じゅうぶんエッチっぽかった。
優しさが前面に出てきた。
「マジメな顔したおまえって、可愛いなぁ」凄くいとおしそうに言う。
- ナレーションいろいろ
せりふがミュージカルのテンションのときは、少し日本語としてひっかかる単語があっても、「オーストラリアじんとアメリカ人の物語だし〜」と聞き流せたが、再々演では
より自分の近い物語として見ているので、日本語として不自然な単語が そのまま不自然に聞こえてしまう。
「出来ることはせいぜい」で、夢から覚めるために指を鳴らしてみたあとのリアクションは、日本人らしく変えられていた。
- 一部の言葉について
ただ、ミュージカルのテンションの中では気にならなかった、せりふの中の一部の言葉が、言いかたがストレート・プレイに近づいたせいで、妙に気になってしまった。
- どんな身体、どんな運動神経をしているの〜?
坂本さんの歌
声の変化
ダイナミズムと繊細さが共存
芝居しながらなのに、安定した発声と声量。
どんな身体、どんな運動神経をお持ちなのだか!
「世界はリオ」は、本家ピーター・アレンさんの声の素晴らしいグルーヴ感には、まだ到っていないかも … と残念に思う(他が素晴らしいので)。
3時間の熱演の最後に厳しい要求かも知れません。
【個々のシーン】
- 第一幕
- ♪♪♪『この俺の別の顔(THE LIVES OF ME)』(ピーター)
- ♪♪♪『俺の名前にライトを(WHEN I GET MY NAME IN LIGHTS)』(ちびピーター)
- ♪♪♪『俺の名前にライトを(WHEN I GET MY NAME IN LIGHTS)』(ヤング・ピーター、ピーター)
ピーターもヤング・ピーターも、希望に満ちた表情で歌って、身体で音楽を表現。
野心を持っていると言ってもギラギラした印象がないのは、 ブロードウェイやハリウッドから遠く離れたテンターフィールドで、"どこか他の世界"としてミュージカルに憧れているだけだからだろう。
(ブロンクスかどこかの都会で、ショービジネス界の裏側も垣間見ながら育ったマックス・ビアトリクスとは違うのね)
- ♪♪♪『ラブ・クレージー(LOVE CRAZY)』(クリス、ピーター&アンサンブル)
- ♪♪♪『(ヘンな中国語の)ワルツィング・マチルダ』(クリス&ピーター)
- ♪♪♪『夢だけでいい(ALL I WANTED WAS THE DREAM)』(ジュディ)
- ♪♪♪『年上の女(ONLY AN OLDER WOMAN)』(ジュディ、ピーター、クリス&マーク)
- ♪♪♪『出来ることはせいぜい(THE BEST THAT YOU CAN DO)』(ライザ&ピーター)
- ♪♪♪『高望みは禁物(DON'T WISH TOO HARD)』(ジュディ)
- ♪♪♪『救い出して(COME SAVE ME)』(ライザ&ピーター)
- ♪♪♪『コンチネンタル・アメリカン(CONTINENTAL AMERICAN)』(ピーター&アンサンブル)
- ♪♪♪『音楽を聴くのが好き(SHE LOVES TO HEAR THE MUSIC)』(ライザ&アンサンブル)
- ♪♪♪『静かに(QUIET PLEASE, THERE'S A LADY ON STAGE)』(ピーター、ジュディ、&アンサンブル)
- ♪♪♪『別れるものなら(I'D RATHER LEAVE WHILE I'M IN LOVE)』(ライザ)
- ♪♪♪『ここいら辺りの男とは(NOT THE BOY NEXT DOOR)』(ピーター)
- 第二幕
- ♪♪♪『バイ・コースタル(BI-COASTAL)』(ピーター&アンサンブル)
- ♪♪♪『ありきたりの男だけれど(IF YOU WERE WONDERING)』(ピーター&グレッグ)
- ♪♪♪『確かだぜ、ベイビー(SURE THING, BABY)』(ディー、グレッグ)
- ♪♪♪『確かだぜ、ベイビー(SURE THING, BABY)』(ピーター&アンサンブル)
- ♪♪♪『歴史は繰り返される(EVERYTHING OLD IS NEW AGAIN)』(ピーター&アンサンブル)
- ♪♪♪『歴史は繰り返される(EVERYTHING OLD IS NEW AGAIN)』(マリオン、グレッグ&ディー)
- ♪♪♪『愛に理由なんて(LOVE DON'T NEED A REASON)』(ピーター&グレッグ)
- ♪♪♪『心込めてアイ・ラヴ・ユー(I HONESTLY LOVE YOU)』(グレッグ)
- ♪♪♪『あなたと私(YOU AND ME)』(ライザ&ピーター)
- ♪♪♪『故郷と呼べるのはオーストラリアだけ(I STILL CALL AUSTRALIA HOME)』(ピーター&女声コーラス)
- ♪♪♪『泣かないで(DON'T CRY OUT LOUD)』(マリオン)
- ♪♪♪『旅立つ前に今一度(ONCE BEFORE I GO)』(ピーター)
- ♪♪♪『世界はリオ(GO TO RIO)』(ピーター&アンサンブル)
- カーテンコール
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