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母屋屋内 間取り




 長い工事が完成しました。母屋の居住空間のまどりです。
 百年、または、それ以上の長い使用期間に耐えますように。

 これは、ごく単純化した仮の設定です。部屋数や広さ・配置は、その家ごとにちがうでしょう。

 ここで、重視したのは、

・ 生活上の安全と保守の容易さの確保のために、家を平屋にし、階段を最少にしました。

・ 南向きの屋根を大きくとるため東西に長い母屋としました。

・ 3−5世代の家族が、それぞれのプライバシーを完全にたもて、それでいながら自由に往来・集合できるように配慮しました。

・ それぞれの世代の主体性を保つために、キッチンは「主婦(夫)」の人数分、用意する。トイレは4箇所。洗濯・入浴設備は二セットです。
 大量に食材を扱うときなどは、中央の「メインキッチン」に集合して作業します。熱源は日中の電力をできるだけ使い、不足分は、村内で生産されるメタン・水素ガス、とします。

・ 全体を断熱・気密効果のある厚さ40センチの二重のブロック壁で囲み、外扉や窓を比較的小さめに設定しました。室温は全屋内ほぼ均等ですから、トイレと浴室以外の内扉は常時開放します。

・外壁は自立だけして、重量はささえません。その内側に10センチ角断面の軽量鉄骨の柱、すじかい等で屋根などの構造物をささえる骨組みを作ります。その周囲は石膏ボードなど、軟質で難燃性の内装でおおいます。
 生活環境へはコンクリートや鉄骨など硬度の高い、激突すると深刻な負傷をまねくような素材を露出させません。日常生活での転倒で、後遺症ののこるケガを負うケースを最少にします。

・24時間、機械による排気・吸気の強制換気を行います。換気量は計算され、季節により最適量を維持し、必要なら外気と独立して密閉状態でも影響がないよう設計します。
 排気は原則として北側の玄関・コンポストの4箇所です。キッチンのレンジと浴室と乾燥室の排気は使用時のみ稼動します。玄関はエアロックの役目もあります。
 
吸気はすべて南側の温室内の天井近くで、エアコンとセットです。吸気口には大型で高性能のフィルターをとりつけ、必要に応じてさらに高度化します。これで、あらゆる汚染物質・チリをシャットアウトします。もちろんフィルターの予備は充分に用意し、定期的(毎月)交換・洗浄します。村内にフィルター用の不職布・和紙の生産設備を作りましょう。暖かい空気を南からとりいれます。

・ 家具はすべて作り置きとして、あとから設置して地震で倒壊する屋内家具を最少にします。家具はテーブルとソファ、ベッドぐらいです。

・ 収納はなるべく多くとりましたが、追加の収納は原則「ない」ことにします。
 一生にそれぞれ自分がどれだけの品物を持ち、後にのこすか、真に価値あるかどうか。を考えながら生活しましょう。無責任な収集をして、子孫にゴミ屋敷を残すことは許されません。デジタル化できるものは実行しましょう。写真・ビデオ・形見・ノウハウは大切な思い出・精神資産として絶対に残しましょう。

・ 家をつらぬく「通行スペース」をメータモジュールで通しました。車椅子や移動ベッドが通行できます。緊急時に迅速に迷わず避難できることが重要と考えました。普段は子供が走り回るでしょうね。突起や鋭角は最少にします。

・ 「家」として、公式に共同体のあつまりを開催する冠婚葬祭などのために、大型スペースとして8畳を二つ連続したぶんのスペースを設定しました。板張りとして、いざというときには、避難所・あるいは家畜の保護のためにも使う想定です。床下には暖房を用意し、冬季は常時稼動し、子供の遊び場所としても楽しいでしょう。

・ マキストーブを配置しました。電力が不足する、あるいは確保できない場合のためで、暖房と調理に使います。マキは材木ではなく、村内で生産される木材チップを備蓄して、チップが不足するときだけ材木とマキ割り手動油圧工具が登場します。できれば熱電素子をストーブにくみこんで、通信や情報端末の電力が充電できるようにします。


 このほかに、温室を南側に設定しますし、地下室・地下金庫、屋根裏の収納物、屋根上の設備などがあります。
 もちろん他に、車庫、大型機器(農具・作業機器など)収納庫、作業家屋(母屋より大型の可能性あり)、家畜小屋(鶏・ブタ・昆虫)などがあることでしょう。

 他のあいた敷地は、家庭菜園・果樹園・遊び場(遊具や、バーベキューなど)になることでしょう。

 また、極めて重要なのですが、この家は「家族のもの」であって、居住するすべての人が、「平等に」生活する権利と、均等な所有権をもつことです。しかし、個人の財産ではありますが、処分権はありません。金銭に交換することもありません。
 家族の一人が、共にすごすことを自ら拒否しても、あるいは他の家族から同居を拒否されて・・・一時的に他の土地でくらそうとも、正式に他の場所で生活を切り替えるときは、その土地の同等の権利と交換する形となります。
 完全に他の土地に自立するまでは、いわゆる「養育費・物資の仕送り」が発生します。
 つまり
無一物の流浪のホームレスの存在を許容しないのです。だれもが、食と住まいが生涯、村落共同体や政府に頼らず、保証される基盤がなければなりません。



2016/11/30
T.Sakurai