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正規のタクシーだと思ったら白タクでふっかけられた! | |
ニューアーク空港に着いて,マンハッタンへタクシーに乗ったときのことだった。この空港に着くのは初めてで,勝手がわからなかったが,遠くにマンハッタンのビルが見えている。JFKなどとシステムは同じだろうと,タクシーの列を整理している係員から黄色い紙をもらい,タクシーの列に並んだ。この黄色い紙にはイエローキャブの料金やトラブルの際の対処法などがかかれている。 僕らの番にやってきたイエローキャブはアイビールックでばりっと決めた若いドライバーだった。彼は素早く荷物をトランクに積み込み,黄色い紙を取り上げて出発した。走り出してから気がついたが,外観はニューヨークのイエローキャブと寸分違わないが,メーターがない。メーターがないタクシーは世界ではあちこちにあるが,このとき白タクではないかという疑問が浮かんだ。しかし,ニュージャージーのタクシーはメーターがないのかもしれないとも思った。なにしろニュージャージー州は初めての土地なのだ。 ハドソン・リバーをくぐるリンカーントンネルにさしかかると,彼は通行料7ドルを請求した。このトンネルの通行料金はいくらなのかそのとき表示を見落とした。疑惑を感じながら彼に7ドル払った。体力は彼にかなわないだろうし,人気のないところへ連れて行かれて身ぐるみはがされるかもしれないという最悪の事態も頭に浮かんだ。Mと日本語で対策を話し合った。無事ホテルに着いたら,ドルがないのでチェンジしてくるということにして誰かを呼んでくることにしよう。このときの |
ホテルはシェラトン。確かロビーに全日空か日本航空のデスクがあったはずだ。 ホテルに到着すると59ドルと彼は言う。姑息にも少し大回りして59th st.からAve.of the Americasの大通りに入ったので,59という数字をとっさに請求したのだろう,バカなやつだ。法外な請求というほどの金額ではなかったが,計画通り,僕はホテルに入り全日空のデスクの女性に通訳を頼んだ。しかし,持ち場を離れるわけにはいかないと断られ,仕方なく現場に戻った。 現場では,タクシーの運転手とM,そしてシェラトンのベルボーイを囲んで人垣ができていた。ベルボーイがタクシーから登録証を取り上げる(白タクなのに登録証があるのが不思議だ)。セキュリティの女性係員がやってきて無線で警察へ連絡する。人垣はさらに人数が多くなる。ベルボーイは40ドルぐらいが妥当だと,ポケットから1ドル札ばかりの束を取り出し,40ドル支払うと,アイビー男は逃げるように発進しようとする。まだカバンはトランクに入ったままだ。そこでまたMが叫ぶ。渋々アイビーは荷物を取り出し,急発進して逃げるように立ち去った。 火事場の馬鹿力という言葉があるが,この時のMの英語力はすごかった。 |