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飛行機が行ってしまった!(1)
飛行機が行ってしまった,という経験は何度もある。これはその一つ。アメリカのロサンジェルスの空港。この日は成田からアメリカ経由のUAでヨーロッパへ行く途中だったが,成田からの便が遅れて,パリ行きの便に間に合わなかった。このことは成田を出発するときにすでに予測できたので,ロサンジェルスからはエールフランスの便への振り替えを手配するということを取り付けて出発して到着した。ところが,ロサンジェルスでエールフランスに搭乗手続きをしようとしたら,座席はとれないと冷たく断られた。

途方に暮れるよりも,なんとか手を打つ方が先だ。英語力の不足を嘆いていても始まらない。エールフランスといくら交渉してもらちがあかない。UAで問題解決をしろということで,仕方なくUAのカウンターに出向いた。成田ではエールフランスへの振り替えを手配すると言ったこと,それにもかかわらずエールフランスからはボーディングを拒否されたことなどを係員に説明したが,すんなりとエンドースの手配をしてはもらえない。さて,どうしようと途方に暮れかか
ったときだった。「私,日本語ができます」とUAのカウンターに若いUAの女性係員が現れた。

助かったと思った。しかし彼女の日本語は頼りなく,はたして彼女が問題を解決してくれるのかどうか,話しているうちに心許ないことがわかった。しかし,困っているゲストを見て,自分の語学が不完全であっても堂々と「私日本語ができます」と私たちの前に積極的に登場してきた彼女の姿勢を私は評価したい。彼女が別にアメリカを代表しているわけではないのだが,このときばかりはアメリカという国のよさを見た思いがしたのだった。

彼女のおかげでその後の手続きはなんとかスムースに進み,無事エールフランスでパリへと向かうことができた。エールフランスの機内食は温めたパンをバスケットに入れて配って歩くというフランス流(?)のサービスで,私はよく冷えた白ワインと暖かいバゲットを食べながらロサンジェルス空港の若い女性係員のことを思い出していた。

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