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メトロポリタンオペラ | |
この冬の旅ではNYでオペラを見るのが最大の楽しみだった。この日の演目は「カルメン」。リンカーンセンターに着くと,映画などで見るとおり,みんな正装して集まっていた(日本人客の中には普段着のような人もいた)。Mは肩を露わにした黒のイヴニングで決めたが,僕のほうはダークスーツで勘弁してもらうことにした。 舞台は横幅よりも縦のほうが長く,最も上の桟敷席までの高さがあり,舞台装置も背景も縦に長く立体的に構成されていた。僕らは前から15列目ぐらいのいい席だった。 前奏曲がにぎやかに始まり,幕が開くと舞台の広場には登場する人々のほかに本物の馬や犬まで登場していた。カルメンを演じる黒人女性の張りのあるメゾソプラノはとてもチャーミングな響きで魅了された。 19時40分に始まり,途中休憩をはさんで,終了したのは23時20分だった。預けたコートを受け取って会場を出ると,激しく雪が舞っていた。タクシーは拾えそうもなかったので地下鉄で50th & Broadway まで戻り,歩いてホテルに帰ったが,興奮した気分が消えずホテルのバーで2時頃まで飲むこととなった。 NYではミュージカル,ジャズのライブ演奏,クラシカルコンサートなどエンターテイメントには事欠かないが,オペラはやはりこれらの中でも別格だと思わないわけにはいかなかった。総合芸術といわれるわけを体で感じ取ったのだった。 |
![]() チケットは前もって友人に頼んで買ってもらった。 |