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ハードロックカフェ
ニューヨークへ何度も往復することになったのは,なんといっても夜遊びの楽しさが味わえるからかもしれない。ミュージカルのほか,ジャズのライブ,クラシックコンサート,オペラなど夜遊びの材料には事欠かない。

初めのころ特に気に入っていたのは,ライブではないがこのハードロックカフェだった。プリンスがパープルレインで着ていたコートが壁に掛けてあったり,ロックミュージシャンたちのゴールドディスクが展示してあったり,さすがロックミュージックの本場という感じだった。

この頃は,必ずと言っていいほどブルース・スプリングスティーンの「Born in the USA」が流れた。この曲が始まると客も一斉に歌い出し,店内には熱気が充満していた。この熱気が好きだった

テーブル席は食事のためにあり,私たちはいつも食事の後に立ち寄るので,カウンターの周囲での立ち飲みが普通だった。店内の雰囲気はカジュアルでとても若々しく,隣の客と肩を触れあいながら,とりとめのない話をするのがいつものことだった。客はアメリカの地方から出てきたお上りさんが多く,私たちのようにアジアからのお上りさんと,お互いに親近感を抱いて会話が弾んだのかもしれない。

この店から次第に足が遠のいてきたのは,それだけ年をとってきたということなのだろうか。しかし,ローリング・ストーンズなどが今でも現役でいることを思えば,「よし,今度また行ってみよう」という気分が頭をもたげてくる。そしてこの写真を見るたび,「Born in the USA」が耳の奥で聞こえてくる感じがするのだ。

客もバーテンダーもみんな気さくだ。

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