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グラウンド・ゼロの空虚 | ||
9・11の同時テロは歴史的出来事だったので,その現場はぜひ見ておかなければならないと思った。地下鉄は寸断されていて,Canal駅までしか通ってなく,そこから歩いた。気温は-5℃ぐらいで身を切るような寒さだった。 9・11から約3か月が過ぎていたが,現場では長い長い行列ができていた。街区をぐるりと囲むように列は長く伸びていて,周囲のビルはすべて薄汚れていた。人々は遅々として前へ進まない行列と寒さの中で,黙ったまま身を寄せ合っていた。ふだん見慣れている陽気で活気のあるアメリカ人たちの姿とはうって変わって重苦しい雰囲気だった。 30分ほど並んでいたが,行列の長さと進行の遅さから2時間ぐらいはかかりそうだということが分かった。私たちは列を離れて,WTCビル跡を目の当たりにすることはできないまでも,近くまで接近して帰ることにした。周辺に |
![]() 行方不明の人たちのおびただしい遺品が,WTCビル跡の周辺に見られ,この出来事の大きさを物語っていた。 |
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は行方不明の人を探すおびただしい貼り紙や遺品があふれていた。 この出来事は,アメリカ,イスラム,宗教,歴史などの総合的な理解がなければ判断できないだろうと,その悲劇的な惨事の大きさと背後の問題の大きさによって,私は押しつぶされてしまうような感覚 |
にとらわれた。世界を旅することは世界史を旅することだと思わずにいられなかった。 この後で,アメリカがイラク戦争に突入することになるとは,この時は想像もできなかった。 |