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レストラン・チンチン
フレンチやイタリアンが続くと、たまにはアジアの味も食べたくなってこの中国レストランにはよく出かける。マンハッタンの49th st.,2nd Ave.と3rd Ave.の間にある。予約なしでもたいてい入れてくれるので、ふと気が向いたときに利用することが多い。

店内にはこのレストラン経営者の家族の昔の写真があちこちに飾ってあり、セピア色の写真からは今日に至る家族の努力をしのぶことができる。広東料理だと思うのだが、ワンタンスープ、ロブスターのケチャップ煮や肉の炒め物などはどれも私の口によく合うおいしさで、いつもその味に満足して帰る。ワインもそれなりのレベルのものがそろっている。

ある時、私たちの隣のテーブルでアメリカ人の若い男女
が食事をしていた。女のほうはきちんとしたスーツ姿だったが、男はカジュアルなポロシャツだった。レストラン内の雰囲気から考えて、このカジュアルな男の服装を女は少し気にしている様子だった。この男が食事の途中で奇妙な行動に出た気配がしたので、思わず振り向いた。その男は床にひざまづいて指輪を差し出し、女にプロポーズしていたのだった。プロポーズは成功した様子だった。やがて、男はシャンパンを注文し、ウェイターが「おめでとう」と言ってポンと栓を開けると、店内の客たちから大きな拍手がわき起こった。その後、半分残ったシャンパンを大事そうに抱えて、二人は帰っていった。

映画の一場面に立ち会っているような感じがした。「ニューヨークはいいなあ」と思わずつぶやいたのだった。
店のビジネスカード。写真の部分を開くと下のようになる。

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