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トルジアーノ(イタリア)
ペルージャの近くにあるこの街にはイタリアの有名なワイン会社が経営する五つ星のホテルがあるというMのかすかな記憶だけを頼りに,この街へ向かっていた。ペルージャまでは問題なくたどり着いたが,この街はミシュランの道路地図には見あたらないので,あとは勘を頼りするしかなかった。しかし,Mのかすかな記憶と私の勘とが見事に運命を切り開いた感じで,この街に着くことができた。偶然と言ってもいいくらいだった。

ホテルは簡単に見つかった。通りに面してはいるが,玄関などは全く目立たない感じだった。しかし,中にはいると,プールやサウナのほかにワイン資料館などを併設していて,意外に広がりのある大きな建物であることが分かった。通されたのは白い壁と木の床が美しく広々とした気持ちのいい部屋だった。窓からは暮れていくウンブリアの田園風景が広がっていた。Mの記憶の通り確かにいいホテルだった。

夕食はこのホテルのレストランでナスとルッコラのサラダ,トマトスープ,ダックなどをいただいたが,味はともかくどれも盛りつけが美しかった。ソムリエに選んでもらった白ワインはさすがに有名なワイン会社の名に恥じないおいしさだった。



何をしているのか理解できなかったが,子どもたちは楽しそうだった。


翌朝,チェックアウトする前に街を散策した。あちこちの広場に子どもたちが集まり,集団行動をして歓声を上げていた。何をしているの分からなかったが,しばらく見とれていると,ユニセフの関係者に寄付を求められた。どうやらユニセフの行事の一環らしかった。イタリアまでやって来てユニセフに寄付することになるとは思ってもみなかった出来事だった。どうか子どもたちのために役に立ってくれますように。

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