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台北@ (台湾)
台北は日本からはとても近い。だからいつでも行けるだろうと、海外旅行は70回を数えても、それまで行くことはなかった。はじめての台北への旅だった。

はじめての街は空港からのアクセスなど何もわからず戸惑うことが多い。桃園空港に到着して、空港から電車(MRT)で街の中心部にあるホテルへ行こうとしていた。自動販売機の操作がわからないので、マイクロチップを埋め込んだコイン式の「切符」は、窓口の係員から購入した。

電車のホームや行く先などを地図を見て確かめていると、女子大生ぐらいの若い女性が「どこへ行くのですか」と話しかけてきた。乗り場や電車を教えてもらった。同じ電車に彼女も一緒に乗り込んだ。同じ方向に行く様子だ。彼女はすかさず座るようにと「博愛坐」の座席を指差す。親切な態度だ。さらに路線図で乗換駅を教えてくれる。ありがたい。

乗換駅に着くとホームのエスカレーターを先に立って案内し、別の電車に一緒に乗り換えた。「どこまで行くの? あとは僕たちだけで大丈夫だよ」と何度言ってもきかない。仕事に熱心で寡黙な現地係員のような感じだ。結局僕らが宿泊する予定のホテルがある駅まで彼女は案内してくれた。さらに彼女は電車を降りると先に立って駅を出て、スマホを片手にわざわざホテルの玄関前まで僕らを道案内してくれたのだった。この駅で降りる予定はなかっただろうに。

あまりにも親切すぎる彼女の行動に言葉もなかった。ホテルの玄関前で、「ありがとう。助かりました。君のことは忘れません」といって固く握手をする以外に感謝の気持ちを伝える方法は見つからなかった。
          
このあと、台北では何度も同じような経験をした。地下鉄の構内や車内などで地図を広げていると、心配そうにのぞき込んだり、教えてくれたりする。僕の頭には白いものが混じっているからだろうか、「博愛坐」の座席を勧めてくれたりする。年長者に対する人々の態度は半端ではない。民度の高さを感じたのだった。はじめての台湾。すっかり好きになった。

「臺北捷運路線図」
(台北捷運公司のホームページから)。


MRT。乗り換えはわかりやすい。


MRTのドアの上の注意書き。一目瞭然。

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