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ソリア(スペイン)
スペインの北部、バスク地方を旅していた。日本へ帰る日が近づいていた。スペインから出国するのはマドリードからだが、そのマドリードまではバスクからはかなりの距離がある。そこでちょうど中間地点にあたるこのソリアで一泊することにしてこの街に着いた。特に見どころがあるわけではないが、そんな街に泊まるのも悪くはない。ところが意外にも思い出に残る街になった。

ソリアは人口4万人ほどの街で、日本の感覚では小さな街だが、スペインでは中規模の都会と言えそうな規模だった。この日は午後の比較的早い時刻に着いたので、ホテルにチェックインして街に出かけた。

大きな公園の中にカフェがあり、にぎわっていた。さっそくカーニャ(生ビール)をもらい、気持ちのいい午後のひとときをのんびりくつろいだ。

いったんホテルに戻り、20時近くになったのでディナーを食べようと再び街へ出かけた。あらかじめインターネットで候補のレストランを選んでいたが、21時からオープンの店がほとんどでちょっと夕食には早すぎた。街にはおびただしい人が繰り出していた。なにか特別の日なのだろうか、それとも土曜日はいつもこんなにぎわいなのだろうかと半信半疑だった。

候補の3軒目のレストランで、そこのシェフと思われるおじさんが店のスタッフに「入れてあげな」と指示したようで、僕らは店に入ることができた。当然のことながらまだ客は誰もいなかった。

やはりスペインではハモン・イベリコ・デ・ベジョータだ。それにタコのソテー、そしてビーフ・フィレミニヨン。グラスで白ワインをもらい、リオハのレゼルバ(熟成されたスペインのワイン)の赤をボトルでいただいた。このレゼルバはとても深い味だった。おじさんありがとう。

レストランを出てホテルへ帰ろうとしたら、街は先ほどよりもさらに人出が多くにぎわっていた。何だ、この街は。こんな遅い時間なのに。

さて、翌日はマドリードまで長距離なのでホテルに戻ってベッドに入った。23時になっていたと思う。突然、近くの公園と思われるところから花火が上がった。何だ、こんな夜遅い時間に。この花火はしばらく続いた。花火大会なのかもしれなかった。 

最初は記憶に残るようなことはなにもない普通の街だろうと思った。しかし、不思議な街であった。夢の世界のような街であった。

気持ちのいい公園のカフェ。

遅い夜のにぎわい。

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