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ソウル(韓国)
ソウルに行ったのは,今の韓流ブームが起こる前のことだ。

ホテル新羅に6日間滞在し,毎日ソウルの街を歩き回った。その中の1日は知人に紹介してもらった学生の金さんに通訳を兼ねて市内を案内してもらった。金さんのおかげでソウルのディープな場所にも入り込むことができ,得難い体験をした。

金さんと一緒の日は,若者たちの街の探訪から始まった。チョンガックの安食堂でトッポギとおでんなどを食べ,骨董街の茶院で韓国式の甘く冷たいお茶を飲んだ。一日は長い。梨花女子大を見物し,夜は酒場でマッカリを飲み,金さんと日本とはルールが違うビリヤードを楽しんだ。さらに新村(シンチョン)の屋台で食べ,若者でにぎわうディスコにも行った。

ディスコでは韓国の若者から,「私のおじいちゃんは日本に強制連行され,福岡で死んだ」と迫られた。金さんのおかげでトラブルには至らなかったが,一瞬,まずい雰囲気になったと感じた。

それにも増して強く印象に残っていることは,金さんが話してくれたことだ。「韓国では徴兵制があり,若者は数年間,軍隊生活を送らなければならない。軍隊生活を経験した韓国の若者は,誰でも夜の闇の中で銃を分解して組み立てることができる」という話だった。ヒュンダイやサムスンなど韓国の企業が世界を舞台に羽ばたいているニュースを見るたびに,なぜか金さんのこの話とソウルの若者たちの目の輝きを思い出すのだ。

ソウルの地下鉄に乗ると,車内にはにんにくのにおいが漂っていた。
 
雪が残るホテル新羅。この後,米国大統領が宿泊する予定のため,厳しい警備だった。

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