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サンファン(プエルトリコ)
プエルトリコはアメリカの自治領だが,アメリカというよりは,もうほとんどカリブ海の諸国のひとつといった方がいい雰囲気だ。

旧市街の中の道路は狭く,無料のバスが頻繁に走り回っていて,旧市内の観光にはこのバスが非常に便利だ。街のたたずまいはスペイン統治時代の面影を色濃く残しており,思わずスペインの古い町に迷い込んだような錯覚にとらわれる。

暑い日だった。海賊や外敵の侵入を防ぐ要塞だったエル・モロなどの名所を見て,その後ぶらぶらと街を歩き回った。教会では結婚式が行われていたので,中に入ってその様子を眺めた。ちょうど式が終わって若い新郎・新婦が退場するところだった。ゴスペルが聞こえ,参列者は二人に向かってシャボン玉を飛ばして見送っていた。厳粛とか華やかというよりも,親密で温かい雰囲気に満ちていた。思わず若い二人に「おめでとう!」と声をかけたくなるような雰囲気だった。見ていてなぜかほっとする思いがした。

こんな場面に出会う旅もなかなかいい。ホテルに帰るために旧市街から路線バスに乗り,カリブ・ヒルトンに戻りたいと運転手に頼んだら,バスはホテルの脇で止まって「カリベ・ヒルトン!」と運転手は僕らに声をかけてくれた。乗客たちも「ここだ,ここだ!」と声をそろえるのであった。

たくさんのシャボン玉が二人に降りかかっていた。

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