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ホーチミン | |
この前の年までハノイには2回出かけた。次はホーチミンにも行ってみたいと思っていてこの旅が実現した。1975年のサイゴン陥落によってベトナム戦争が終結し、この街の名称はサイゴンからホーチミンへと変わった。これまで開高健や近藤紘一らの著作をそれぞれ数冊ずつ読んでいるので、戦時中のサイゴンの様子は理解していた。だから、名称がホーチミンへと変わっても、僕の頭の中ではサイゴンという名称が焼き付いていた。この街は僕にはサイゴンのほうがふさわしいように思ってきた。それに「サイゴン」という語の響きはとても美しい。 ホーチミンと改称した街はどのような姿をしているのだろうか。東京と大阪、あるいはミラノとローマなどひとつの国の中で北と南に大都市がある場合、両都市の人々の性格や気質などは微妙に異なるが、はたしてハノイとホーチミンにもそのような違いはあるのだろうか。Mの事前調査によればホーチミンはひったくりやスリが多いというので物騒な街というイメージを抱いているが、果たしてそのとおりなのだろうか。 空港でホテルまでのタクシーチケットを買うと、若い女性のスタッフは「10ドル」と言った。「僕は8ドルと聞いている」と言うと、「では9ドル」と値下げしてきたのでそれで了解した。こんな時こそアジアを |
旅していることを実感する。 Mによればホテルにたどり着くまでも運転手との間でさらにトラブルが考えられないこともないということで身構えていたが、なんの問題もなくすんなりホテルに到着した。ホテルはパークハイアット・サイゴンに5泊した。ホテル名は「サイゴン」という旧市名がついている。 空港からのタクシーの中からも見た風景だが、街にはハノイに勝るとも劣らない洪水のようなバイクの群れで圧倒されそうだった。しばらく眺めていると、これでよく接触事故などが起きないものだと感心してしまう。ハノイと同じようにバイクの群れの中を横断したりしながら街を歩いたが、ハノイとの大きな違いは感じなかった。ただ、ビービーとクラクションを鳴らしながら走る車がハノイより多い感じがしたが、これは個人的な印象でしかないだろう。 レストランでの食事はどこも美味しかった。タイ料理よりもベトナム料理のほうが洗練された味だと感じてきたが、ホーチミンでも裏切られることはなかった。当然、フォーもあちこちで食べた。ハノイに比べてホーチミンのほうが味がやや甘いという人もいるが、僕にはほとんど違いはないように感じられた。結局、この街ではいいホテルと美味しい食事に満足し、夜の街でもトラブルは何もなかった。物騒な街という予想を裏切られて、まだ雑然とした古さが残るこの街を後にしたのだった。 |
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クリスマスのイルミネーションが輝くドンコイ通り。夜になってもバイクの群れ。 |