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星の降る村(イタリア)


暗くなりかけていた。泊まるところを探して走っていると,やっとベッドの表示板があった。フランスやイタリアではベッドのマークやナイフとフォークのマークの表示があり,便利だ。

表示に従って枝道に入った。「こんなに遠いかなあ?」と疑い始めてからもかなり走ってやっとそのホテルに着いた。7kmぐらい走ったかもしれない。ホテルというよりはペンションといった感じで,丘陵の中のこぢんまりした住宅地にあった。

食事はできないと言われ,村のレストランの場所を教えてもらった。夜道を歩いていくと,後ろからやって来た軽自動車が僕らの脇でガタンと止まった。「どこへ行くのか?」と聞くので,「レストランだ」と答えると,そのおじさんはレストランの場所をていねいに教えてくれるのだった。



レストランの場所は知ってはいたが,「知っている」と断るのも失礼な気がしたので,教わった。イタリア人はとにかく親切だ。この車はその後なかなかエンジンがかからなかった。大丈夫かな?

レストラン(トラットリア)は村の中心部にあり,にぎわっていた。この日はあまり食欲がなく,トマトサラダとカップレーゼ,トリュフのタリアティーニ,ハウスワインをメッツォのデカンタでもらって,簡単な夕食となった。ドライブ旅行も出発して1週間になろうとしていた。疲労がたまってきたのかもしれない。早めにホテルへ戻ろうと真っ暗な夜道を帰った。

月明かりはなく,見上げると満天の星空だった。星が降ってきそうな村だった。Radicondoliというこの村は,トスカーナのS541号線から少し西へ入ったところにある。

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