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ポワティエ(フランス)
パリからボルドーに向かってロワール川沿いに走り,シャンボール城をはじめとするシャトーに立ち寄っていたら夕方になった。どこかホテルを探さなければならない。

ポワティエを過ぎてサン・ブノワという小さな町に入ると,「Restaurant Gastronomique」という看板が目に入った。建物を見ると,レストランだけではなくホテルも兼ねているような感じだった。Gastronomique は Gastronomie(美食)の形容詞だから,迷わず泊まることにした。なかなか瀟洒なたたずまいで,通された部屋もきれいだった。

しかし,ホテルのレストランはこの日は休みだった。泊まり客は私たちだけのようだった。ポワティエの街に戻って食べるしかない。出かけようとしたらマダムに呼び止められた。この夜は玄関を閉めてしまい誰もいなくなるので,裏口にある通用口から入るようにとのことだった。彼女はオートロック式のその扉まで案内してくれて,「暗証番号はこれよ。ゼロ,アン,ドゥ,トロワ」と操作を教えてくれた。何とも単純な数字の組み合わせだった。これなら忘れようがない。

ポワティエの街までは約5kmぐらい。初めての街で道路などはまったく知らなくても,こんなときは勘を

ポワティエの街へ向かう。


頼りになんとかたどり着くものだ。しかし,レストランがありそうな街の中央には駐車場がどうしても見つからなかった。何度もぐるぐると中心部を走り回って,仕方がなくあきらめて街を出ようとすると,運よく「金龍飯店」という看板が目に入った。入ってみるとチャイニーズとベトナム料理のメニューで,私たちはベトナム人と間違われた。フランス料理が毎日続いていたので,料理は懐かしい味がして,うれしかった。

ホテルに戻り,オートロックのダイアルで「0,1,2,3」と押すとドアが開き,何の問題もなく部屋に戻ることができた。この暗証番号は現在でも生きているような気がする。

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