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ピエンツァ(イタリア)
この時もいつものようにおおざっぱな計画しかない旅で、トスカーナのモンタルチーノに近いサンクィーリコドルチャという小さな町で1泊した後、ピエンツァに寄ってみようということになった。このピエンツァは人口わずか2000人ほどの小さな村だが、ローマ教皇ピウス2世(1405〜1464年)の生誕地であり、ルネッサンス建築様式が都市計画に初めて生かされた村として有名で、村全体が世界遺産に登録されている。

陽が差したり、雨が降ったりというあいにくの天候だった。車を置いて村の中に入り、迷路のような細い通りを歩くとすぐ村外れに出てしまうほど小さい。石造りの建物は確かに古さを感じさせるのだが、何百年もたつのに古さに伴う汚さが全くなく、むしろ磨き込まれているような感じで、そのたたずまいに目を奪われる。通りに面してワインの店やハチミツの店、食器の店などがぽつんぽつんとあるだけで、とても静かだ。まだ朝早い時間だったからだろうか、それとも天候のせいだろうか、世界遺産というわりには人影はまばらで、観光客の姿などは全く見当たらなかった。

日本だと世界遺産というだけでわんさか観光客が訪れるが、イタリアはこんなものなのだろうか。それとも日によっては大勢の観光客がやってきたりするのだろうか。

小さな村なので、30分ほどで村全体を歩き回ってしまった。しかも何度も。コーヒーなどを飲んでゆっくりしたかったのだが、朝が早いためまだシャッターが降りているのか、バールやそれらしい店は見当たらなかった。仕方がない、小さな村を記憶にとどめて村を後にすることにし、ボローニャへと向かったのだった。

この村は観光客など誰もいない世界遺産の村として思い出に残ることになった。

 村の入り口

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