contents

トップページ
ヨーロッパ速度無制限
貿易風に吹かれて
アジアの優雅な日々
トラベルはトラブル
世界はうまい
ホテルいろいろ
やっぱりNY
思い出に残る街
今日も大空へ
旅のアラカルト
旅のおみやげ
パリ@ (フランス)
はじめてパリに行ったのは,かなり昔のことになる。その後何度もこの街には出かけたが,最初の記憶は今も鮮明だ。

この時はマドリッドから夜行列車でパリ・オステルリッツ駅に到着した。コンパートメントの座席で浅い眠りを繰り返していた。ガタンと振動が伝わって目が覚めると,そこがパリだった。

オステルリッツ駅の周辺は雑然としていて,抱いていた華やかなパリのイメージにはほど遠かった。駅前に出てみるとカブトムシのフォルクスワーゲンがひっくり返っていた。4つの車輪を天に向けてひっくり返ってじたばたしているその姿は,颯爽と走っている姿よりももっとカブトムシに似ていると思った。

同時に,ほかの街とは違ってこの街では何が起こっても不思議ではないという期待と不安が混じり合ったよう印象を受けた記憶がある。

パリはそれまでに訪れたどの街よりも大きかった。そこで,メトロの回数券を買ってあちこち移動してこの街


メトロの駅構内の巨大なポースターも驚いたもののひとつだった。こんな巨大な広告は東京にはなかった。


の概要を体で覚えた。メトロは縦横に走っていて,この街の都市計画が東京とはかなり違うことを知った。シャンゼリゼも歩いた。雑多な人種が通りを歩いている風景もとても新鮮に見えた。「東京が故郷を捨てた人たちの集まる街ならば,パリは祖国を捨てた人々が集まる街ではないか」と当時の旅のメモ帳に印象を書き付けている。

前ページへ>