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星のある町(フランス)
アヴィニョンを出発し,カヴァイヨン,マノスクを通ってデュランス川を渡った。曲名は忘れたが,デュランス川の歌を口ずさみながら走ると,ラヴェンダーの香りがかすかに車の中にまで入ってくる。5月のプロヴァンスの田舎道は,気持ちがいい。

D952号線を走っていくと,正面に岩山が見え,岸壁の下に張り付くように小さな町があった。岩の山と山の間に長いロープが張られていて,その中間に星の飾りがひとつ下がっていた。おしゃれな飾り付けだった。

ホテルは町から少しはずれたところに決め,食事はこの町に出かけた。のんびり歩いていくと,この町の住民になったような気がした。この町は陶器の産地としても有名で,陶器の店があちこちにある。きちんとしたレストランも数軒あり,その中で奥まったところにある小さなレストランに入った。ラタトゥーユ,ムール貝,サーモン,インゲンなどのプロヴァンス料理はやや濃い味付けだったが,まずまずの味だった。ワインは2分の1のカラフで白,ロゼ,ロゼと3回もらった。「プロヴァンスのロゼ」といわれるだけあって香りがよかった。

ワインをたっぷりいただいたので,ホテルまでの帰り道の遠さは苦にならなかった。岩山の間に下がっている星の飾りを眺め,星空を眺め,ラヴェンダーの香りをかぎ,こんな田舎に住むのも悪くはないと思った。フランスを旅していて満ち足りた気分になるのは,こんな時だ。この町はMoustiers-Ste-Marieという。

建物は岩山にへばりつくように建っている。

星の飾りが谷間にぶら下がっているのだが,小さいので全景写真では写らない。

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