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ミデルブルク(オランダ)
パリから出発してシャンパーニュを通り,ベルギーに入ったが,この時の旅は計画など何もなく,気の向くままに車を走らせていた。北へ行くにつれて,5月なのに冬のような寒さとなり,車から降りて街を歩いたりすると震え上がった。

ベルギーのアントワープで昼食を食べた後,さてこれからどっちへ行こうかということになり,オランダに行こうとMが提案した。東スヘルデ河口と西スヘルデ河口にはさまれるように,北海に向かって突き出た半島がある。地図を見るとその突端にミデルブルクという街あり,高速道路がその近くまで延びている。Mが雑誌で見たという記憶によると,とてもきれいな街らしい。

ミデルブルクに到着したのは夕方6時半を回っていた。大勢の通勤者たちが自転車で駅から家路を急いでいた。たまたま目に入ったグランドホテル・デュ・コマースにチェックインすると,部屋は清潔だが,名前はグランドでもこぢんまりしていて狭かった。

食事に出ると街はひっそりしていてほとんど人影はなかった。街の中央の広場に面してシーフード・レストランがあったのでそこで食べることにした。海に近いだけあってホタテやムール貝,エビ,ガンバスなどはどれもおいしかった。付け合わせのにんじんは魚の形をしていておしゃれだった。客は少なく,静かなレストランだった。

ホテルへの帰り道,夜の街は静かだった。教会の鐘が「エリーゼのために」をうち鳴らしていて,その鐘の音が響いていた。とくに観光スポットなどがあるわけではないので,この街に観光客が訪れたりすることはあまりないのかもしれない。落ち着いた雰囲気で,静かさが記憶に残る街だった。こんな街もいい。

夕暮れの広場


落ち着いた街並み

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