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マドリード@(スペイン)
3泊したマドリッドではやはりプラド美術館ははずすわけにはいかないということで,到着した翌日真っ先に出かけた。4月の陽光は目がくらむような明るさで街に降り注いでいた。

美術館にはいると一転して重々しい雰囲気で,おびただしい数の宗教画に圧倒された。説明によれば,この美術館はヨーロッパではルーブルに次ぐ規模だそうで,ゴヤ,ルーベンス,ベラスケスなどは知っていたが,しかし,正直なところ宗教的な素養のない私には数々の絵はよく理解できなかった。

夕方,市街の中心部にあるマヨール広場で休憩した。4階建ての石造りの建物で囲まれたこの広場では宗教裁判の処刑などさまざまなことが行われた歴史があり,夕闇が訪れようとしている時間にたたずんでいると,なまめかしさのような不思議な感覚に襲われて立ち去りがたい思いだった。

さて,美術の次は音楽。マドリッドでの目的のもうひとつはタブラオ・フラメンコだった。タブラオとはフラメンコを鑑賞できるショークラブのことで,フラメンコを実際に見たのはこの時が初めてだった。やっと暗くなりかけた20時頃に行ってみると開店は22時だという。しかたなく,一度ホテルに戻って22時過ぎに出かけた。



ドンキホーテとサンチョ・パンサの像,後ろにはセルバンデスの像(スペイン広場)


3台のギターをバックに始まったフラメンコは,よく通るテナーとアルト,カスタネットと手拍子の乾いた音,タップ,汗,真紅のロングスカートの女性ダンサーの厳しい表情と激しい動きに,血が騒いだ。ただただ圧倒されるだけだった。興奮してぼおーっとした状態でホテルに戻ると,午前2時になろうとしていた。

スペイン,マドリッド。その光と陰の強烈さにうち震えたような日々だった。

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