contents

トップページ
ヨーロッパ速度無制限
貿易風に吹かれて
アジアの優雅な日々
トラベルはトラブル
世界はうまい
ホテルいろいろ
やっぱりNY
思い出に残る街
今日も大空へ
旅のアラカルト
旅のおみやげ
思い出に残らない街(ロンドン,イギリス)
ロンドン。一度は行ってみたいと思っていた大都市なので3日間滞在したことがあった。

しかし,なぜか全くといっていいほどその記憶は残っていない。ほかのどんな街でもそれなりになんらかの記憶が残っているのだが,友人たちと旅の思い出話をする時やMと旅の思い出を話題に酒を飲んだりするときにも,この街のことが話に出ることはない。なぜだろう。

記憶の奥底を探すと,バッキンガム宮殿では衛兵の交代の場面にも出合った。ビッグベンも見たしトラファルガー広場にも行った。ピカデリーサーカスでアンティークの店ものぞいた。観音開きの背の高い名物のタクシーにも乗った。チャイナタウンにも行った。バーバリの店にも行った。お上りさんのようにハードロックカフェに行ってトレーナーを買ったり,チャーチの店で靴を買ったりもした。

しかし,記憶をたどるとこれらの出来事をやっと思い出すのだが,自然に思い出となって浮かんでくることはない。なぜだろう。

写真が残っているから,この街に行ったことは確かなのだが,その記憶も曖昧だ。
世界の中でこれほど印象が薄い街はこのロンドンしかない。それはたぶん,私はこの街を好きではないからだろう。しかし,なぜ好きではないかと考えると,それが分からないのだ。パブで飲んだが,別に何も不愉快なことはなかったし,ホテルの従業員とトラブルがあったわけでもなかった。むしろ何もなかった街ということ かもしれない。したがってまた行きたいなどと思ったりすることはない。

この街が記憶に残っていない理由は,どう考えても分からない。不思議な街だ。本当はこの街に行ったことなどはなく,単なる夢だったのかもしれない。

前ページへ>