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グリンデルヴァルト(スイス)
なにしろスイスアルプスは目の前だ。もうハイキング以外には考えられないので,着いた日と帰る日をのぞいて,間の2日はアルプスの麓を歩き回った。

朝,パンとハム,チーズ,ビールなどを買い込んで出かけた。絵はがきにあるような教会があったり,カウベルを鳴らして草を食む牛がいたり,まさしくスイスそのものという感じだった。村の人とあいさつを交わしてすれ違い,急坂を上った。5月の日射しはさんさんとまぶしく,グリンデルヴァルトの町がはるか下の方に見え,目の前にはアイガーがそびえていた。

谷川の水は冷たく,ビールは短時間でもよく冷えた。簡単な昼食でも,アルプスの麓で食べる気分は格別だった。さわやかな高原というイメージどおりの風景が広がり,これは現実ではなく,夢の中にいるのではないかとさえ思ったりした。

帰りの坂道は,上ってきたときに感じたよりもはるかに急だった。急坂を下って行くと膝ががくがくと震え出して止まらなくなった。特にブーツを履いていたMは震えがひどく,グルントの駅までやっとたどり着き,ひと駅分は電車で戻らざるを得なかったほどだった。Mは「アルプスのハイジン」になってしまったと苦笑していた。旅の計画などなかったのでハイキングシューズは持っていなかった。きちんと計画を立てて持って行くべきだった。

ときどき日々の暮らしに倦怠感を覚えたりすると,「そうだ,スイスへ行こう!」と叫びたくなる。簡単に行けたらいいのだが。


アイガーが目の前にあった。


絵はがきのような風景。

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