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エステ(イタリア)
北イタリア、モンテグリドルフォに向かっていた。昼近くにエステという街を通りすぎようとした。旗がたなびいている大きな古城が見えたので、寄ってみようと駐車場に車を入れた。

城壁をくぐると広い庭園があり、その奥の高台に古城がそびえていた。城へ登ってみようとしたが鉄柵に鍵がかかっていて中には入れない。しばらくそこで城を見上げていると庭園の手入れをしていたおじさんがやって来て、「城を見たいのか?」と言って鍵を開けてくれた。城の屋上に登るとエステの街が一望できた。

この街の歴史は知らなかったが、後で調べると城は14世紀に建てられたもであること、領土争いが繰り返されたこと、街は貴族のエステ家の家名由来の地であることなど、人口が2万に満たない街でも、さまざまな栄枯盛衰の歴史があったことがわかった。

城内の一角に小さなレストランがあったので、アウトドアのテーブルで遅い昼食を食べた。それほど空腹ではなかったのでピザとピールだけにした。穏やかな午後の日差しの中で食べながら古城を眺め、再びこの街を訪れる機会はないだろうなあと、感慨にひたったのであった。

旅に出かける場合、目的地を決めて十分に下調べをして出かける人もいるだろうし、添乗員やガイドに案内してもらう人もいるだろう。しかし、僕らの場合はこのように偶然に通りかかった街や村に入り込んで新たな発見をしたりすることも多い。こんな場合にも旅の楽しさを感じるのだ。

20mもある高い城壁


城内のレストラン。

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