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ドブロブニク(クロアチア)
あいにくどのホテルも満室だった。酒のにおいとたばこの煙がいっぱいのバールに入り,昼から飲んでいる男たちに,泊めてくれるところはないかとたずねると,数人が相談した後,一人の男がわざわざ僕らを旧市街の中の一軒の民家へ案内して交渉してくれた。

言葉は全く通じない。その家では家族の誰かが使っている部屋を開けてくれ,マダムが部屋を整えてくれた。こうしてなんとかこの日の宿を確保した。旧市街にホテルはなく,そこに泊まることができたのはラッキーだった。

2晩泊めてもらい,この家の家族構成が分かった。英語をまったく話さない両親と女の子が二人。それに長女がパリから里帰りしている様子だった。
女の子は高校生と中学生ぐらいで,少し英語ができる。

城壁で囲まれた旧市街の大理石の路面は,きらきらと光っていた。「アドリア海の真珠」とも呼ばれているこの街は,その名の通り美しい街だった。わざわざ来たかいがあったと感じた。

2日目の夜,街のレストランで食事をした後,隣のビュッフェで飲んだ。いつの間にか店の客たちと一緒になり,英語ができる一人の客を通訳にして盛り上がった。「ショーグン」という映画で日本のことを知っている様子だった。かなり飲んだ後に勘定を頼むと,受け取ってはもらえなかった。さっきまで一緒に飲んでいた彼らが払っていったという。

この借りは,いつか返さなくてはならない。

ドブロブニクの旧市街。路面が光っていた。

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