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コスタ・ノヴァ(ポルトガル)
スペインからポルトガルに入国して2日目。この日は大西洋岸沿いのアヴェイロへ出て、そこから海にそって北上し、フラドウロへ向かうことにしていた。海岸沿いに走るこの国道109号線はかなり昔リスボンからポルトへ行った時に通っている。アヴェイロに出れば、あとは土地勘があるのでなんとかなるだろう。

しかし、高速を降りてアヴェイロの街に出ようとしたが、どの出口で出たらいいのかわからない。適当に判断して一般道路に出て道に迷った。ミシュランの道路地図では細かいところまでは分からない。しかし、海沿いに走ればきょうは何とか目的地へたどり着けるだろう。

こんな道だったかなあ、と思いながら北へ向かった。考えてみればなにしろ前回走ったのは20年以上も前のことになるから、道だって風景だって変わっているだろうし、記憶だってあてにならない。入江に架かる長い橋を渡り、変だなと思いながら一本道を西へ向かっていた。左に入江を見ながら走ると、もうほとんど大西洋に近いと思われるところに不思議な街が突然現れた。

入江に面してカラフルな家々が並ぶ。300mぐらい先には大きなショッピングモールのようなものがあった。ウィークデーのせいか、この日は特に人出が多いという感じではない。このショッピングモールを除けばポツンポツンとカフェがあるぐらいであとはおとぎの国のような民家が連なる風景が繰り広げられるだけだ。観光地なのかどうか、わからなかった。おもちゃの街のようにも思えた。

カフェの客に地図を示して現在地とフラドウロへの正しい道を聞いてやっと迷子の状態から脱したのだった。不思議なたたずまいの街であった。いつも入念に下調べをしているMも聞いたこともない街ということであった。

土産物店で売っていたおみやげに、「COSTA NOVA」と記されていたのをMが発見して、この街の名前がわかった。ポルトガル語は分からないが、その文字から「新しい海岸の街」という意味なのだろうと推測した。思い出に残る街となった。


おとぎの国のようだ。

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