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コインブラ(ポルトガル)
コインブラは初めてポルトガルへ旅をした時に訪れたことがあるのだが、そのときは雨の旧市街の狭い急坂は車がスリップしそうで怖かった。また来ることもあるだろうと、早々にこの街を後にした記憶がある。そこで3回目となるこのポルトガルへの旅で再び訪れたのだった。

多分前回と同じ道なのだろう、川の向こうに建物が幾重にも重なるように建つコインブラの迫力のある街が姿を現した時、確かにこの風景だったと懐かしい思い出が蘇った。前回は通り過ぎただけの思い出しか残っていない。そこで今度は2泊して街を歩くことにした。このぐらいの規模の街だとやはり2泊して、その中の1日はゆっくり街歩きをするのがちょうどいい大きさだ。

昼近く、ホテルを出て街を歩いた。街の中央部の旧コインブラ大学の建物群は世界遺産に登録されており、これを見逃すわけにはいかない。前回と同じ、

この日も雨が降ったり晴れ間が出たりという天候だったが車ではないので、何も心配することはなかった。ゴツゴツした歩きにくい石畳の急坂を登って街の一番高い所にある旧大学にたどり着いた。ポルトガルでは最古の大学で13世紀に設立されたという長い歴史がある。広い中庭を囲んで壮麗な建物が連なっており、その中でも図書館に入ると圧倒される思いがした。天井までの高い壁面には金箔で飾られた重厚な書棚がそびえ、16世紀から18世紀の書物30万冊を納めているという。思わず、息を飲んだ。

夜はレストランなどが建ち並ぶ下町で食べた。何か特別な行事でもあったのだろうか、この夜は制服の黒いマントで身を包んだコインブラ大学の学生たちが、男も女も陽気に高歌放吟しながら街を練り歩いていた。この街は古い伝統のある大学の街であることを改めて感じたのであった。

この風景は確かに記憶にあった。何も変わっていない。

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