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初めての街はホテル探しから始まる。しかし,大きな街だと車の通行量が多いうえに一方通行や左折禁止など制約があり,なかなか思うように走れない。フランスではあちこちにある「Hotel ibis」を見つけてやっとチェックインし,すぐ旧市街へ出かけた。この街はヴィクトル・ユーゴーの生誕地として,また,ブザンソン国際音楽コンクールが開かれることでよく知られている。

ドゥ川が円形を描くように大きく蛇行し,旧市街はその川で囲まれている。川沿いには17世紀に建てられた石造りの建物が建ち並び,その壮大な眺めにしばらく見とれた。「17世紀といえば日本だと江戸時代初期にあたるのか」と思ったりした。

旧市街には見どころが多い。特にシタデルとよばれる城砦は現在公園となっていて美術館や博物館などの施設が集まっているというので,そこを目ざした。ホテルを出るときには気づかなかったが,どん
よりした曇り空だった。雨がぽつぽつと降り出し,やがて本降りになった。傘を持ってこなかったことを後悔した。どういう訳か,私の旅の携行品リストには「傘」という品目がなく,いつも旅行に出かけるときには傘を持たずに出かける。旅先で雨に出合うと仕方なく傘を買うので,家の中はあちこちで買った傘がたまってしまっている。

ホテルへ戻るには15分ぐらいかかる。そのうち止むかもしれないと洋品店の軒先で雨宿りをした。10月にしては寒く,手元の温度計では10℃を下回っている。1時間ほど様子を見ていたがいっこうに止む気配はなく,気温は下がる一方だった。シタデルに行くのはあきらめた。少し小降りになったのを見計らって急ぎ足でホテルへ戻った。

翌日も雨模様だった。結局シタデルには行かずこの街を出発した。今度,傘を持って出直さなければならない。旅の携行品には「傘」を加えなければならない。

ところどころでリニューアル工事が行われていた。

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