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ベオグラード(ユーゴスラビア)
ある年のベオグラード。ホテル・バルカンに宿泊したが、レストランの音楽の音の大きさにうんざりした。ユーゴスラビアの音楽は哀調を帯びて東洋のメロディーに似た響きがあるのだが、歌も伴奏もとにかく音が大きすぎた。

翌日の12月31日、ホテル・モスクワに移って街を歩いた。降り積もった雪が残る街は寒かったが、人出が多くにぎやかだった。夕方、ホテルに戻るとレストランのスタッフが「ニューイヤーなので、きょうは19時30分でレストランを閉めるよ」と知らせに来た。仕方なく早い夕食を終えて、夜の街に出かけた。昼よりもさらに人出は多くなった感じがした。広場には特設の舞台が設けられていて民族衣装を着た女性たちが吹奏楽団をバックに踊っていた。この舞台は午前3時まで続くという。しかし、単調な感じでいつまでも見ていたいというほどのものではなかったし、翌日は早朝のフライトなのでホテルに戻り、モーニングコールとタクシーの予約を頼んで、11時には眠りについた。

深夜の2時半ごろ、隣の部屋の騒音で目が覚めた。街から戻った数人の男たちが部屋で飲んで騒いでいる様子で、たまったものではない。フロントに電話し、隣の部屋に静かにするように言ってくれと頼んだ。しばらくして隣の部屋から電話の呼び出し音がかすかに聞こえた。その後、騒音はぴたりと止んだ。日本の場合だと、逆恨みされたり逆ギレされたりして逆効果になることもある。しかし、見事なほど静かになった。

翌朝、チェックアウトの際にフロントのスタッフからは丁寧なお詫びの言葉をもらってこの街を後にした。年末のベオグラード。喧噪の街であった。

バーセ・チャラピッチャ通り


夜はさらににぎやかになった。

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