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アコレー(フランス) | ||
ここは思い出に残る街ではなく思い出に残る村だ。シャルル・ド・ゴール空港に到着してすぐレンタカーで出発し,南東に向かった。そろそろ夕方が近づいてきたのでホテルを探していた。道路脇にホテルの表示が出ていたのでそれに従って走るとすぐ見つかった。村というよりも集落といったほうがいいかもしれない。商店などは全く見あたらなかった。ホテルも古い民家といった感じだった。 小さな村で,ホテルはここ1軒だけのようだった。玄関は閉まっていて,呼び鈴を押しても誰も出てこない。途方に暮れていると,道路をはさんだ民家の2階からおばあさんが私たちの様子を見ていたようで,わざわざ出てきて呼び鈴を押して「お客さんだよー」と呼んでくれた。ホテルの人がやっと気づいて玄関を開けてくれた。 フランスの田舎では何度も経験したことだが,とにかく人々が親切だ。フ |
![]() 静かな朝,静かな風景。 |
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ランス人は意地悪だなどという話を聞くが,私は全くそうは思わない。 夕食は,かつてワインセラーだったところを改装したこのホテルのレストランでいただいた。フランスで食べているのだからフランス料理には違いないのだが,田舎の家庭料理といった味で,エスカルゴやポテトミルフィユ,フィレミニョンなどはどれも |
素朴なおいしさだった。 翌朝ホテルの周辺を散歩した。静かな村で出会う車も人もなく,川では男が釣り糸をたれていた。彼を取り巻くその風景もまた静かだった。特筆するようなことは何もない村だったが,その何もないことが逆に思い出として消えることがない。 |